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ぴょん子  作者: 川本千根
3/19

それが、いけなかった

それを聞いてあー私たち付き合ってたわけじゃないのねって思った


その後大和と私は相変わらず部活内では仲良かったし、メールで情報のやり取りをしていたけど、二人で出かけることはなくなった


一年の秋の終わり頃、大和は同じクラスの女の子に告白されて付き合うようになった


ぴょん子とは一度映画を見に行っただけらしい


後で聞いたらぴょん子と見に行った映画は『モ○ラ対なんジャラ』だったんだって


そういえば私、誘われたかも…

げっ、と思って断っちゃったんだよね


この出来事は私の中では初彼をぴょん子に持っていかれた…ということになっている


そんなことがあったものだから、私はすっかりぴょん子が嫌いになった


あんまり部活でも口を聞くことがなかった

所属してたグループも違ったし


当然高校を卒業してからの付き合いもない


なのに…


大学の時に付き合っていた彼もぴょん子にやられた


いやっ、この彼は本当にガッツリ付き合っていた

実家にも遊びに行ったし、二人で北海道旅行にも行った


私は亮太の柔らかい物腰が好きだった

あと、三男ってとこも


亮太は私の面倒見の良さが好きだと言ってくれていた


私は親のきっつーいプレッシャーで地元の県立大学に進学した

自宅から自転車で通えるし、県民は授業料が安くなる


ぴょん子は東京の音楽科がある女子大に進学した




大学三年のお正月、高校の部活仲間が集まったことがあった


久々に見たぴょん子は髪をアッシュブラウンに染めていて、それがよく似合ってた

髪の巻き方も完璧だ

すごく可愛く見える


その時もぴょん子には社交辞令で久ぶり〜って挨拶しただけでたいした話もしなかった


ただ、その時行った居酒屋で席の近かった子たちには亮太の話しをした

そこには大和もいた


亮太は県の東部出身で、けっこう大きい薬局を営む家の息子だ

同い年でうちの大学の薬学部に通っている


まあ容姿はアレだけど、服のセンスは良かった

なにより波長が合って一緒にいてすごく楽


しかも三男


モテない私にしては大金星の彼氏


まだ付き合って一年経ってなくって、ちょうど最高に気分が盛り上がっていた時だったから私らしくもなく調子に乗ってみんなにいろいろ話してしまった


それが…いけなかった

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