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ぴょん子  作者: 川本千根
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吹奏楽部

私に彼氏が出来ると、それを嗅ぎつけぴょん子がひょっこり現れる

そしてきっちり持ち去ってゆく


ん?持ち去ってゆくというのは違うな

一口囓って捨ててゆくと言ったほうが正しいか


私はぴょん子に情報が漏れるのがいやで、つぶやきもしないし、フェイスブックもやめた


それなのになぜかぴょん子は嗅ぎつける


ぴょん子っていうのはあだ名だ

…当たり前か

心の中で私は彼女をそう呼ぶ


本名を宇佐木梨花という

高校のときの同級生だ


苗字が兎を思わせると、歩くときぴょんぴょん跳ねてる感じがするんだよね

まあ、それが可愛く見える人もいるんだろうけど


実際にはうさと呼んでいる


クラスは一緒になったことなかったけど同じ吹奏楽部だった


知り合ってから9年の間に三人やられた

それは私が付き合ったことのある人の総数だ




一人目は同じ吹奏楽部だった大和やまと


大和は同じ中学出身で中一のときの楽器決めで私とクラリネットを取り合った


家にお母さんの使っていたクラリネットがあるから中学に入ったら私も吹奏楽部でクラリネットを吹きたいと思っていた


大和は小学校の時からクラを習っていて、私は楽器未経験者だったから負けてチューバになった


学年一人しかいない男子なんだから大和がチューバやってくれればよかったのにって、私はコンクールや老人ホームの慰問の時に重いチューバを持って階段上るたびに思ってた


まあ、大和はたまに手伝ったりしてくれたんだけど


大和は音楽好きだったから中学になったら吹奏楽部に入るって決めていたらしい

それで小5の時からクラリネットを習い始めた


幼稚園のころからピアノも習ってたし小3まではバイオリンも習ってたんだって


生まれ育った家庭の財力の差を感じる

まあ、私もピアノは習ってたけど


大和は吹奏楽のCDもいっぱい持ってて中学の時にはアッペルモントが好きだった

私にも何枚か貸してくれた


音楽への情熱は認めてやっていたけど中学の時はこれっぽっちも大和を意識したことはなかった

ほんとにただの部活の仲間


動作がのんびりしてたし、ちょっとふっくらしてたし、すごく幼稚だったから

顔は悪くなかったんだけどね、オスとしては見れなったなぁ


でも高校に入ったら感じが変わってきたんだよね…




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