人命救助ならぬ、精霊命救助
「さぁユズリハ、ご飯の支度だ。いっぱい食べな」
と、僕にフライパンを渡し、飛んでったリスさんを無かった事にしたばぁちゃん。
あ、うん、僕が作るんだね?
今日は魔力を持ってかれるとわかっているので、いっぱい食べよう。
卵とミルクと砂糖を混ぜて、パンに浸して「フレンチトーストかい♪アタシの分も頼むよ」ばぁちゃんの分もパンを浸して、バターをフライパンに溶かして、卵液ごと焼く。
その間、ばぁちゃんがサラダを盛り付けて、ドレッシングをかけて「流石ユズリハ。いい匂いだね」焼けたフレンチトーストをお皿に別けて、あ、僕はベーコンも焼こう。
そうして出来た朝ごはんをもっしゃもっしゃ食べてたら
「ちょっと!そんないい匂いを漂わせておいて、食べさせてくれないわけ?!」
「厚かましいリスだね!!」
そう言いながら、ばぁちゃんが1口あげてる。
「美味しい!!もっとないの!」
と僕とばぁちゃんを交互に見るリスさん。
「ミルクもバターも砂糖も、森で取れるもんじゃないんだよ!そんなに沢山有るわけないだろう!今日は魔力を持ってかれるってわかってるから朝から贅沢したんだよ!
それを、今日、目一杯タダ働きさせる気満々なくせに、そんなユズリハの分まで取ろうたぁ、いい根性してるじゃないか?あぁん?」
ばぁちゃんがリスさんに目を三角にして怒ってる。
それを見ながらもっしゃもっしゃ食べる僕。
うんうん。体力大事だもの。
「んんんっ。タダ働き…そう言われると癪だわ!」
「だって実際そうだろうが?」
「精霊を救うのよ!未来の貴女達の子孫のためよ?」
「っていうか、ユズリハの契約精霊のためでもあるだろう?だから、文句も言わず協力してるじゃないか。
ユズリハ、ちゃんと食べたかい?」
「食べ終わった!!」
「ああぁ!もうない!」
「そもそもリスがミルクと卵を食うんじゃないよ!」
「あら!リスは草食よりの雑食よ!昆虫も卵も食べるわ!」
「え?そうなの?」
「話がズレてるだろう!さぁ、片付けて精霊を救いに行くよ!」
「「そうだった」わ!」
「…オイ、リス。しばくぞ?」
そうして僕達はまた精霊樹の元へとやって来た。
「手順の確認よ!
ユズリハはココ、精霊樹の根元で契約精霊を出して魔力が持ってかれて倒れないように座ってること!
ユズリハの真裏の根元で、ブルーメはユズリハに聞こえるように大きな声で!3、2、1!の合図でエリクサーを精霊樹の根元にかける。
合図と共に、ユズリハは魔力を契約精霊達に流す!
そしたら精霊王達は自分で離脱してくるはずだから。
さぁ、準備は良い?行くわよ!!」
ばぁちゃんが僕の頭をひとなでして、
「ユズリハに負担をかける役目を押し付けてすまないね。侘助達!ユズリハが倒れて怪我やらしないように、しっかり回りを固めておくんだよ!
楓と紅葉じゃ、ちょっと大きさが足りないね?
松雪、栗之助、お前達もユズリハのそばにいてやってくれるかい?
桜子は、一応アタシと一緒に来ておくれ。
さぁ、アタシ達で精霊樹と精霊王を救ってやろうじゃないか!!」
「おおぉ!!」「わん!」「メェ!」「にゃ!」「きゃん♪」
ばぁちゃんの声に合わせて拳を突き上げ、皆で元気にお返事する。
「なんか、お株を奪われたみたいで悔しいけど、まぁ良いわ!
ブルーメは真裏に移動よ!」「はいはい」
ばぁちゃんが移動していく。僕はもふもふに囲まれて、大人しく座る。
両隣がわびすけとムク。すりすりしてくる。
後ろに松雪。寄りかかっても抜群の安定感。
前に栗之助。相変わらずの般若顔。
頭にかえで。地味に重い。
お腹にもみじ。温かい。
ああ、全方位もふもふ。癒されるぅ。
「さぁ、エリクサーの鍋をひっくり返す用意も出来た!カウントダウン、行くよ!」
ばぁちゃんの声がした。
「いいかい!?
3! 2! 1!!! おりゃぁ!」
ばぁちゃんの声に合わせて皆に魔力を流す。というか、ぎゅいん、って、めっちゃ持ってかれてる!!
「精霊王達!!!成功よ!!!」
リスさんの叫び声がしたら
「「「「礼を言う、ユズリハ!」」」」
という複数の声がしたと思ったら、
やっぱり僕は魔力切れで意識がなくなった。
ブル あぁぁー…やっぱりね、そうだよね…魔力切れだよ。侘助達は大丈夫だね?
もふ隊 ワン!メェ!にゃ♪きゃん!
ブル うんうん、ユズリハに負担を強いてるねぇ、ご褒美は、何がいいかねぇ…?
ムク ユズリハはもふもふが好きだから、リスがしっぽを差し出せば良いと思う!
リス 断固拒否よ!!ドングリもあげないわ!!
ブル アンタ、人のフレンチトースト食ったくせに…
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