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短編集  作者: 白水桜
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クリスマスにはサンタクロースが必要だね



何処へ行ってもイルミネーションが輝き、大きなモミの木が立って、オーナメントやツリーの飾りで着飾られている。

小さい頃はサンタクロースが好きだった。

だから、小さい子にはサンタクロースが必要だと思う。

勝手な見解だけど、私はそれを大切に思っているんだ。


今日、24日の夜にサンタクロースがやってきて、子供に夢を与えていく。


私は父と母がくれてるのだと思い、待ち伏せしたことがあった。

しかし、父と母は大きな靴下だけ用意するだけで、他のことはしなかった。

そして、外からトナカイに乗ったサンタが道を走ってきたのをこの目で見た。

その後は寝た振りをして、プレゼントを入れて行くサンタを見ていると笑って近づいてきた。

サンタクロースは温かい匂いがした。


「やぁ、まだ起きてるとは悪い子だなぁ。でも、まぁ、いつもお父さんとお母さんの手伝いをするいい子だと聞いているから、プレゼントを置いていくよ。来年はゆっくり寝てて欲しい。約束守れるかな?」


私は頷いて、サンタクロースは笑顔で頭をなでて帰って行った。

それ以来、サンタクロースは私と会わなかった。

大好きだったのに、それ以来会えなかった私も度胸が無かったかな?と思う。


そして、今。

父と母が亡くなってから、私はフィンランドのサンタクロースの下で、働いている。

私の知るサンタクロースはもういないけど、皆、夢を与えていく為に頑張っている。


「ポルクスがそろそろ来るころね」


「そうだね。クリスティナは買い出しかい?」


「ええ。キャンドルが無くなってきたから」


「ああ、サンティ。昼食は何かな?」


「ポトフにしました。暖かくて美味しいものが良いと思って」


「それはいい」


サンタクロース一人一人に膝掛けを渡して歩くのもだいぶ慣れた光景だ。

きっともうすぐ、待っている子達からの手紙を開封して、返事を出す。

そして、用意していたプレゼント達をしっかり袋に詰めて夢を配るのだ。


私はそのサンタクロースを支えていけたら良いと思う。

きっと大変だろうけど、この先、5年、10年とずっと傍にいるつもりだ。


夢を貰ったから、私もその手伝いがしたい。


それはわがままかな?

私にはもうわからないけど、大好きなサンタクロースと私と子供達。

見えない糸でつながっている。

それが一番、私は嬉しい。


私もサンタクロースの一人だから。



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