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連続殺人事件3

よろしければ、読んで下さい。

 リネットは、二十年前に四人で強盗殺人を犯した事を告白した。小説では、リネットが罪の告白をするのはコーデリアがケヴィンの罪を暴いた後なので、やはり小説とは違う。

「私が直接あの夫婦に手を下したわけではないけれど、ずっと心苦しく思っていました。でも、警察に出頭する勇気もなくて・・・。今回の事件、二十年前の事件と関係あるんでしょうか。どうして今になって・・・」

「あなたにとっては今更な事でも、二十年間ずっと苦しみ続けた人がいるかもしれませんよ」

ケヴィンは、天を仰ぐようにしてそう言った。


 翌日、ハロルド・セルウィンは警視庁で取り調べを受けていた。

「リネットが何を言ったか知らないが、俺は二十年前の事件の犯人じゃない」

ハロルドは、二十年前の犯行を否認していた。実際、リネットの証言以外、ハロルドの犯行を指し示すものがない。

「大人しそうに見えて、リネットはとんでもない事をする女なんだ。パメラやサイラスを殺したのはリネットかもしれないな。・・・実は、パメラとサイラスが浮気してるんじゃないかと俺は疑っていたんだ」

 コーデリアとケヴィンが眉を顰めて聞いている中、ハロルドは話を続ける。

「ミシンを使うサイラスの背後から近づき、ナイフを振りかざすリネットの姿が目に浮かぶようだ」

 結局、二十年前の事件の証拠が無い為、ハロルドは取調室から解放された。

「釈放されましたね」

「ああ。でも、捜査の方針は決まったな」

「そうですね」

警視庁を出ていくハロルドの姿を眺めながら、コーデリアとケヴィンはそんな会話をした。


 数日後、コーデリア達数人の警官がセルウィン家に出向いていた。ハロルドを逮捕する為である。二十年前の事件ではなく、パメラとサイラスが殺害された事件の犯人として。

 「くそっ」

逮捕状が出ている事を知ったハロルドは暴れた。コーデリアが女という事で甘く見たのだろうか。近くの椅子を持ち上げてコーデリアに襲い掛かる。

 もちろんコーデリアはそれに対処できるのだが、その前にケヴィンがハロルドを地面に組み伏せた。

「今すぐお前を八つ裂きにしてやりたい気分だがな。誰かさんが見ている手前もあるし、勘弁してやる」

ケヴィンが、ドスの効いた声で口を開いた。

「な、何なんだ、お前・・・」

ハロルドが震える声で聞いた。ケヴィンは、真顔のまま答えた。

「二十年前お前達が殺したオーギュスト・フォールとジョエル・フォールの息子だよ」


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