読み専ならぬ読み上げ専から見たルビの書き方
皆さんはテキスト読み上げソフトは使用したことがあるでしょうか?
動画界隈では、ゆっくりとか呼ばれるアレなのですが…
昔はPCで専用ソフトが必要なモノでした。
が、時代は進んで、今やどこのスマホにも搭載され、果てはSiriやらAlexaやらが会話コマンドで処理をしてくれる時代。
20ウン年前に卒研で論じた架空な技術が現実に存在している様は感慨深いものがあります。
そのテキスト読み上げを使用して、なろう小説を「聴く」スタイルが、(私が勝手に自称する)読み専の一分野、「読み上げ専」である(ドヤァ
とネタは置いておいて。
前述の通り、最近のスマホであれば、少し設定を有効にするだけで、このテキスト読み上げを使用することが出来ます。
Androidであれば、ユーザー補助のあたりを探していただけば見つかると思います。
存外この、一度操作すれば後は聞くだけ、というのが便利で、なろう作品を聴きながら他の事をする、というのが最近のルーティーンだったりします。
閑話休題
使っている人がそれなりに居るであろう(居るよね?)、この「読み上げ専」ですが、なろう(ほか小説投稿サイト)で利用するにあたって、少々難点があります。
それはルビの存在。
いわゆる竜破0とか、炎0焦熱地獄とか。(いや、ラノベではないか?)
まぁこの手の、漢字にカタカナやひらがなの、とても柔軟(忖度した表現)なルビが、そこかしこに登場する点にあります。
読み上げソフトによって、このルビに対する挙動が問題になります。
実例を挙げてみましょう。
1.幸太郎
2.幸太郎
人間の眼で見た場合、どちらも「こうたろう」になるでしょう。
しかし、手元のAndroidで読み上げさせた場合1は「こうたろう」ですが、2は「さいわい・ふとし・ろう」となります。
これは、ルビの振り方が1は漢字3文字に「こうたろう」とルビしているのに対して、2は一文字ずつ「こう」「た」「ろう」とルビを振っているためです。
つまり、1をテキスト読み上げが一塊の漢字を一単語として処理するところを、2が1文字ずつルビを振ってしまったために1文字ずつ処理するために「さいわい」「ふとし」と読み上げてしまいます。
それどころか、読み上げソフトによっては、「さいわい・こう・ふとし・た・ろう・ろう」となることもあります。
実際、数ヶ月前にAndroidのテキスト読み上げソフトが更新される前は、このようにルビと元になる漢字をそれぞれ読み上げていました。
このAndroidの変更は、ルビを読まなくなったことでテンポよく読み上げてくれるようになった反面、なろうの(=ラノベの)文化の一面であるルビが、テキスト読み上げでわからなくなってしまったという、残念な変更でもあります。
過去のバージョンであれば、ルビが適切であれば「こうたろう・こうたろう」と読み上げてくれたのですが…。
このルビの問題は、以下のような時にも起きます。
1.孝太郎は知っていた?
2.孝太郎は知っていた?
ラノベにおいてよく見かける、重要な発言を強調する時の、ルビで・を付ける表現ですね。
これも、まとめて複数文字に・を付ける場合は普通に読み上げますが、
一文字ずつ・を付けるスタイルでは「たかし・ふとし・ろう・は・し・っ・て・い・た」と読み上げられてしまいます。
しかも、知っていた、の部分は1文字毎に区切りがあるため、少しずつ隙間が空いて読み上げられます。
正直、とても聞き取りにくくなります。
無論、こういうルビの振り方がダメかと言えば、そうではありません。
まず、なろうのルビの機能制限として、元の文字が10文字以下である必要があります。
つまり、11文字以上の文章に上記のようなルビを振る場合、2つ以上の塊に分ける必要があります。
また、ルビの・の数と元の文章の文字数が合わない、と言う盆ミスを回避するためには、一文字ずつ・を着けた方が確実です。
そのため、小まめにルビを分けるのは一定の効果を筆者にもたらします。
ただし、こういった事象は何もテキスト読み上げだけに影響するわけではありません。
例えば主人公の名前が難しい漢字のため1文字ずつルビを振っていた場合(例:鴻爾、等)、元の字「鴻爾」でググっても検索にヒットしません(2021/06/01時点)。
これは例の場合、「鴻爾」ではなく「鴻こう爾じ」、でGoogleに単語登録されてしまうためです。
よって、こういったルビをふる場合、漢字の熟語や固有名詞の単位でルビを振る方がより適切と言えます。
以上、皆様(と、私自身)のなろうライフが少しでも快適になればと思い、駄文を作成した次第です。
お役に立てば幸いです。