敵も考えているようだ。
雄叫びと共に騎士団が飛び出した!
「我が国に攻めてきた事を後悔させてやれ!!!」
フルアーマーの騎士団が飛び出して、目の前の魔物達を蹴散らした。
「前衛の部隊は周りの魔物を無視して、魔物の中央本隊に突撃しろ!後続部隊は左右に展開し、包囲殲滅しろ!後ろの部隊を遊ばせるなよ!」
騎士団長のドームは前衛部隊に入り、魔物の本隊へと突撃した。副隊長が後方から全体の指揮を執っていた。
「今回の作戦は最高だな!俺が自由に動けるぜ!」
冷遇されている訳ではないが、魔法使いの多い国では活躍する場が少ないのも事実であった。騎士団長に限らず、他の騎士団員達はここぞと魔物達を蹴散らしていた。
騎士団の活躍は暗闇の中でもライトの魔法を使い辺りを照らしていたガラド老師にも見えていた。
「…………妙じゃな?」
ガラド老師の呟きに周りの部下達が尋ねた。
「どうなされましたか?戦況は我々の優勢ですが?」
部下の疑問に答えた。
「土龍の姿が見えない。あの巨体なら地響きがしてもおかしくないはずじゃが………!?そうか!しまった!?」
ガラド老師は何かに気付いたかのように指示を出した。
「今すぐに騎士団に撤退命令を出すのじゃ!」
「何を仰るのですか!?騎士団は魔物の本隊に突撃したばかりですよ!今すぐ撤退したら後ろから狩り取られます!」
「そこは我々が援護すればよい!すぐ近くに土龍が来ておるのじゃ!急げ!」
!?
「土龍ですって!?確かに報告は受けましたが、どこにも居ませんよ?土龍が見えてきたら作戦通りに騎士団を撤退させて、遠距離から我々の魔法で一網打尽にすればよいではありませんか?」
部下に最初から説明しては間に合わないと思い、ガラド老師は独断で撤退の照明魔法を放った。
「ガラド老師!?」
まだ何か言いたそうな部下にガラド老師は怒鳴った!
「作戦中は上官の指示に従う、当たり前の鉄則を忘れたか!」
ガラド老師は部下の頭を杖で殴った。
「何をなさるのですか!?」
「まずは一刻を争う時に一から説明などできんわい。この魔物達はすぐそこの山に集められていた。我々に気付かれずにだ。それはどうしてじゃった?」
「………女の魔族が音や景色を遮断する幻影魔法を使って─まさか!?」
ようやく気が付いた部下にため息を付いた。
「ワシも動いている巨体にそんな魔法を掛けれるのかわからんが、その可能性はあるじゃろう。そして、土龍に捕まり騎士団が近くに居れば大規模魔法は放てん!」
そうガラド老師が言い切った所で最悪な事態が起こった。突如として土龍が側面から現れたのだった。




