本格的なお話です。
「えっと、何か母がご迷惑をお掛けしたみたいで申し訳ありません!」
こういう時は取り敢えず謝るのがセオリーだろう。
突然、シオンが頭を下げた事により国王様達は目を丸くした。
「ああ、いやいや勘違いさせて申し訳ないね。別に怒っている訳じゃないかね。君のお母さんには大変お世話になったから。ただ、娘の君に何も話していなかったことに驚いただけだよ。気を楽にして欲しい」
ほっ、取り敢えず助かった。
「この度は大変だったね。援軍が間に合わず本当に申し訳なかった」
国王様の親子に頭を下げられて、大いに戸惑うシオンだった。
「いいえ、勇者の隠れ里に産まれからには、いずれ予想できていたことです。私の覚悟が足りなかっただけです」
シオンの覚悟を決めた顔を見てラインハルト陛下はシオンに尋ねた。
「………辛い事を思いだすかも知れないが、君の口から勇者の隠れ里での魔王軍の戦いを聞かせてくれないか?」
シオンは力強く頷くと、隠れ里での出来事を細かく説明した。途中で、グレンとアークも加わり、説明の補完をしながらできる限り話した。
「そうか…………若い者を逃がして、老人達が身代わりになったか。なんという強い思いなのだ」
「隠れ里の者は盟約を果たして、魔王軍に損害を与えてくれたか。これで魔王軍の第3軍はしばらくは動けないだろう。魔王軍の動きが鈍い内に次の行動を起こさねば老人達が浮かばれん」
元国王陛下の方が地図を広げた。
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「この国の西側に50年ほど前に滅ぼされた都市がある。ここに聖剣の力の1つである火のアーティファクトが眠っている」
!?
「火のアーティファクト『イグニス』が!?」
「しかし50年前、魔王軍もアーティファクトを求めて滅ぼしたのでは?」
アークの言葉にラインハルト陛下は頷いた。
「その通りだ。しかし、魔王軍は火のアーティファクトを見つける事ができなかった。いや、手に入れる事が出来なかったのだ」
どういうこと?
「その疑問はもっともだね。火のアーティファクトを手にしようした魔王軍に、火のアーティファクトが暴走して、当時の魔将軍を都市ごと焼き尽くしたんだ」
「えっ?」
「生き残った者がほとんど居なかったので、詳細はわからない。しかし、廃墟となった都市の何処かに火のアーティファクトは必ず存在している。その後、魔物は廃墟の都市に近付かなくなった。本能的に『なにか』に恐れているかのように」
なるほどね。
「もし良かったら聖剣をみせてもらえないかのぅ?」
えっ、あの変態聖剣を!?
シオンはここにきて、1番の逆境に見舞われるのであった。
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