困った人は助けよう!
部屋には『3人』の泣き声が響いていた。
うん?3人?
シオンが周囲を見渡すと、ポンッ!と聖剣が飛び出してきた。
『ズズズッ………アークさん、とてもお辛かったですね!私、グスッ、とても心を打たれました!全力でお手伝いしますよ!』
「聖剣リリーも良いところあるじゃない!初めて見直したわ♪」
シオンが聖剣の柄をなでなでした。
『うふふふ、ようやく私の事を認めてくれましたね!ではさっそく、一緒にお風呂へ─』
「うん、死ね♪」
シオンも慣れたのか笑顔で死刑宣告した。
「ふっ……お前達といると飽きないな」
シオンと聖剣の漫才に少し心が軽くなったアークであった。
「それで、本当に力の源であるアーティファクトの場所がわからないの?」
『う~ん、近くにあれば気配でわかる………かも?』
「おい、しっかりとサーチしろよ!」
ガンガンッと聖剣を叩くシオンにグレンが呆れて言った。
「ちょっと、シオン落ち着け!この国の王様なら知っているかも知れないだろう?現にエルフの王族は聖剣の封印場所を知っていたんだからな」
「ふぅ、そうね。各国の王族がそれぞれの『何か』の封印場所を知っているかも知れないわね」
聖剣を床に転がしてシオンが答えた。
『しくしく………』
「明日は早いし、今日はもう寝ましょう。お休みなさい」
「ああ、シオンお休み。って、聖剣はどうするんだよ!?」
「キモいから置いておいて」
!?
『しくしく………』
「容赦ないな………」
「ああ、聖剣に同情するよ」
こうして夜は深けていくのだった。
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次の日になり、シオン達はライザの街を出発する為に街の入口に向かうと、門番さんに呼び止められた。
「君たち、王都へ向かうなら気を付けてなさい」
「どうしたんですか?」
「北に行った所で、盗賊がでるようになったんだ。先日も商人が襲われて積み荷を奪われたばかりだ」
門番さんがどの辺りで襲われたのか教えてくれた。
「ありがとう!気を付けます!」
こうしてシオン達は北を目指して歩き出した。
少し歩いてグレンが口を開いた。
「あれ?先日、騎士団が通ったんだよな?」
「あれは私達の助けに行く途中で急いでいたから、周囲の盗賊退治なんてやってられないでしょう?」
グレンはそれもそうかと納得した。
「ってな訳で、盗賊退治に行くわよ!」
!?
「正気かシオン?」
「騎士団に任せておけばいいのでは?」
チッチッチッ!
シオンは指を振って言った。
「私達は勇者の末裔よ!困っている人達がいたら助ける!それが『掟』でしょう!」
勇者の隠れ里には幾つかの掟があるのだ。
「まぁ、僕はいいけどアークは大丈夫?」
「うん?ああ、俺は同行している身だ。シオンの決定に従うよ」
こうしてシオン達は盗賊退治へと向かうのだった。
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