呪い………
片膝を付いているキングレオにアイラは見下ろしながら言った。
「ここまでよ!あなたが見下した人間に事に敗れるなんてどんな気持ちかしら?」
「まだ魔力が尽きないとは………本当は貴様が勇者なのではないのか?」
キングレオは皮肉で言ったが、アイラは澄ました顔で言い返した。
「私ごときが勇者な訳ないでしょう?勇者とは『悲しみの慟哭』を乗り越えた者にしかなれないのだから………」
アイラは静かに拳に魔力を込めた。
「貴様が魔法を使わなかったのは、我々が大規模魔法の対抗策を用意していたのを知っていたからか?」
「知ってはいないわ?ただ、魔王軍も私の事を知っているから予想ができただけよ。だから私も魔力を使った格闘術の修行をしていたのですからね」
キングレオは一言そういって、眼を閉じた。
「さぁ!この村を襲った報いを受けなさい!」
魔力を込めたアイラが振りかぶった。キングレオも眼をカッ!と開き、最後の抵抗をした。
「貴様こそ近付き過ぎたな!」
アイラはキングレオの四本の腕を警戒していたが、戦い開戦時の尻尾が地面から飛び出した。
アイラは間一髪で避けるとそのまま手をナイフのように細めてキングレオを貫こうとした!
ドスッ!
!?
「なっ!?」
驚きの声を上げたのはアイラだった。アイラの足に矢が刺さっていた。キングレオは腕を交差してブロックしていたが、アイラを見て後方へ跳び去った。
アイラも後ろに下がると、足に刺さった矢を抜いた。
パキパキッ…………
「これはっ!?」
矢が刺さった所から身体が『石』になっていった。そこに、笑い声が響いた。
『クククッ………ようやく隙をみせましたね?』
マスクをした時のような、くもった声が聞こえてきた。目をやると空に黒いマントで全身を纏った人物が浮いていた。それを見たキングレオが叫んだ!
「なんのマネだ!シェイドデス!?」
!?
「シェイドデス!?魔王軍4魔将軍が1人!?」
アイラが解呪を試みるが、進行を遅らせるしか出来なかった。
「くっ、なんて強力な呪いなの!?」
そんなアイラを見てシェイドデスは言った。
『流石の大賢者アイラでもキングレオとの戦いで魔力を使い、疲弊している状態では解呪はできないでしょう?何せエルフ皇女ですら解呪出来ず【石像になっている】のですから』
シェイドデスの言葉にアークが叫んだ!
「シェイドデス!!!!!!!」
アークは炎の魔法を使い攻撃を仕掛けた。
しかしシェイドデスの身体に吸い込まれると、そのまま跳ね返ってきた!
ドガッーーーーン!!!!
「ぐはっ!?」
目の前で着弾しアークが吹き飛んだ。
『誰かと思ったらアークじゃないですか?キングレオよ、まだ始末してなかったのですか?』
「黙れ!それよりどうして手を出した!今回の作戦は俺に任されていたはずだぞ!」
『助けてあげたのに随分なもの言いですね。私は保険ですよ。チャンスがあれば手伝うようにと魔王様から言われたのです。文句があれば魔王様に言って下さい』
キングレオは歯ぎしりして唸った。
「クソッ!俺はまだ本気を出していなかったのだがな!アイラよ、くだらない邪魔が入った。1人の武人として詫びよう」
パリッパリッ…………
「ふふっ、私にも油断があったのは認めるわ。まさか魔王直属の将軍二人がやってくるなんて予想外だったわ」
後ろでアークがシオンに手当てされて起き上がった。
「シェイドデス!貴様だけはここで殺す!殺してやる!!!!!」
剣を構えてシェイドデスを睨み付け、駆け出した。
「アイラ様!今すぐ手当てを!」
「おか………アイラさん、すぐに治すから!」
グレンとシオンも後に続いた。それをみたアイラは覚悟を決めた。
『シオン、ごめんね………』
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