7th offense: Paint pain ACT.1
色取り取りの芸術の都 フォルモンシェ
人々は美しく色華やかな衣装に身を纏い、そこからは多くの芸術家が生まれた由緒正しき芸術の都。
しかしそんな国が黒色に染まった。
原因は、芸術性の欠片も感じれない王様だった。
幾多の女性と恋愛関係を持った王様は、ある日一人の女性に恋をした。
女性は言った。
「他の人からは、縁を切って」
「分かった、私はお前色にしか染まらないよ」
そういう馬鹿げた会話から、一月の月日を掛け国を黒色に染め上げた。
王様が彼女に一番似合う色だといって。
いつしかその黒色は痛みの色と呼ばれ、その日を『痛みを塗られた日』と呼ばれた。
◆
黒く塗られた国の黒く染められた小さな橋。
河は喉かに流れ、唯一の黒色じゃない者が心を安らがせる。
そこに大量のペンキを足元に、手にはブラシを持った作業服に赤の帽子を被った青年が居た。
「絵、上手いですね」
「ありがとうございます」
そしてもう2人、青年と少女がその絵を見て感想を呟いた。
作業服の青年は感謝を告げると、黙々と作業に取り込んだ。
「何の絵を、描いているんですか? オルドーさん」
「……どうして、私の名前を?」
「有名ですよ。 世界で多くの絵画を残した天才、オルドー=リオトン。 一枚の絵で家を建てられるとか……」
「買い被りですね。 私は、こんな所に落書きをしか出来ない只の餓鬼です」
「そんな筈無いですよ。 芸の学が無い私でも凄いのは分かりますよ?」
イヴァは一旦ブラシをペンキ缶に入れる。
「これは……私の反逆の証ですよ」
「あぁ、コレが例の……実物を見るのは初めてです」
「ねぇ、旅人さん。 すとりーとあーとって?」
「簡単に言うと、私達に絵を描かせろ〜って、みんなが反抗をして街中に裏ルートから手に入れた画材で絵を描くんだ」
「とりあえず、街に絵を描くの?」
「そうだよ。 コレも全部、とっても高いお金で買ったんだ」
オルドーが笑いながら、少女に伝える。
「で、この絵は何を描いたんです?」
青年が、オルドーに聞き直した。
オルドーは声を詰らせ、表情が少しだけ険しくなっている。
「心……ですかね?」
「心。 心ですか。 なら貴方の心は随分ゴチャゴチャになってるんですね」
「そりゃそうですよ。 心は複雑なんですよ?」
「そうですかね? 私は一色で表せますよ?」
「へぇ、そうなんですか……っと。 アレ、ペンキ切れちゃったか…」
オルドーは空になった缶に筆を置き、その場に座り込んだ。
胸元のポケットから煙草を取り出し、口に銜える。
黒のライターで煙草に火を灯し、煙を勢いよく吐き出す。
「はぁ、ここでお終いか」
オルドーは下を向き、愚痴りだす。
「それじゃ、画材を持って来たら、続き描きますか?」
「はは、持ってこれたらね」
「約束ですよ」
青年はそう告げると、少女と共に黒色の街へと姿を消した。
長らくお待たせしました。
いや、テストなどでホント遅れました。
まだ終わってませんがね……まぁ気にしない方向で。
今回は一気にこの話を今日中に完結させます!! というかもう書きました!
一応、芸術の都……芸術とか全く分かんね!!