9th offense: Paint pain ACT.3
「大事なお話がありますの」
リジェンが王様にそう呼び出したのは、城の屋外。
ここからなら、国を全て見渡せられる絶景な筈だった。
しかし、今では黒く染め上げた街が一面に並べられ、芸術の欠片もなくなっている。
「リジェン、何処だ?」
王様が、屋外でリジェンを探す。
風が吹き通る屋外の真ん中、彼女は痛み色のドレスを身に纏っていた。
周りには綺麗に並べられた痛み色の衣装。
「どうした、リジェン? 大事な話とは?」
「私は、貴方色には――――――染まりません」
彼女がそう言い終えたとき、彼女の服に白い焔が灯される。
瞬く間に、焔は彼女を包み込み足元に置かれたドレスにも焔は広がる。
そして焔はすぐに消えた。
彼女の身を包んでいた痛み色の衣装と共に。
吹き抜ける風に灰が乗り、彼女のドレスは消えていった。
「ど、どうしたのだ!? リジェン!!?」
「言ったでしょう? 彼女は貴方色には染まらないと仰っているんですよ」
彼女の裏から青年が不敵な笑みを浮かべ現れた。
「芸術性の欠片も感じられない、貴方の色には染まりたくないそうですよ? お嬢様は」
「貴様……! 私を愚弄する気か!!?」
王様は怒り震え、鋭い眼光を青年に向けている。
「貴方の芸術より、子供の落書きの方がよほど芸術がある。 貴方の書いたのは紛れも無い駄作なのですよ!! 王様!!」
王様はその発言を耳にした途端に、雄叫びをあげ青年に拳を振るう。
青年は軽々と拳を避けては、王様の頭を鷲掴みにする。
「眼に焼き付けてくださいよ―――――――――――――――」
その台詞と共に、彼の眼に焔が焼き付けられていく。
「コレが、私の芸術ですよ!!」
そして、王様が塗った痛み色に白き焔が灯された。
◆
国中が、白き焔に包まれた。
騒ぎを起した国民は、急いで消火に励んだが、火は衰えず痛み色だけが削げ落ち、元の色を取り戻した。
痛み色が無くなった時には、白き焔は消えていて、その焔は『神の焔』と呼ばれるようになった。
王様はその日以来姿を消し、次期王がいまでは国を統べている。
「ははっ、来ましたよ。 オルドーさん」
青年が両手にペンキを、少女が何缶もののペンキを必死に持ち歩いてきた。
オルドーは作品の横で壁にもたれながら、煙草を吹かしている。
「疲……れた……」
「よしお利口さんだ」
十個程度はあるペンキをオルドーの前に置く。
「続き、よろしくお願いしますよ」
「まったく、こんなに要らないのに……切れたのは白だけですよ?」
「いいじゃないですか」
そして彼は銜えていた煙草を地に捨て、靴裏で火を擦り消す。
彼は白のペンキ缶を持ち作品の前に立つ。
そして、彼は作品に向かってペンキを撒き散らした。
作品は一瞬で白色に染まり、跡形も無くなっていた。
「いいの? おにいさん?」
少女がオルドーに尋ねた。
「大丈夫だよ、だって俺の心は―――――――純白ですからね!」
「あっ、旅人さんと同じ事言った」
そして彼の反逆の証は、そこに残っていた。
横に「イタズラカンリョウ」という白い字と共に。
Paint pain編完結です。
もう時間無かったんで、すぐ終わっちゃいました……
3回で終わるとはね、予想してませんでした。
あと、次の番外編以降は全く考えておりません……
というか、もう一つ小説書くと思います。
ファンタジーじゃなくて、現代物!!
スポコン……は無理だけど、そう言うの書きたい!!
まぁ、いつか投稿するのでそちらもよろしくお願いいたします!




