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詩集  作者: 宮島ミツル
途上期
8/40

8 虚言と黒銀の背中

お久しぶりです

諧謔の果てに望むは歯髄にこびりついた米ぬかの様に、

忘れ去れた慇懃たる偽善を嘲笑する。


真理の始点を目指す者は、いずれ巨人の肩から自ら降り、

偽善たるや甚だしき理想を唱道する。


分岐に研磨された、その万人を喝さいの渦へと放り込む脳は、

全人的幸福を夢見て、楽園の扉を閉ざし、餓鬼を追い出すことで、

疑似的解決を、皿の上に吐露する。


毛むくじゃらの前腕には、その叡智に匹敵する律動が宿らんと、

退廃に背を向けた放浪哲学者が叫んだが、

誰もそれを信じようとしなかった。

斯くの如し詭弁を(わきま)えぬのならば、

汝も又、サタニズム原理者であるため、やはり楽園から去るが良い!

ああ、平和な世界!

真理が支配し、理性に統治された素晴らしい世界!

これを惑わす者は、誰であろうと、黒銀の剛腕によって裁かれるのだ。

ああ、素晴らしい正義、ああ素晴らしき楽園。


自利の正義を嗤う硝子越しの来賓は、やはりその永住権を捨てる勇者ではなく、

かの者の様に、天蓋を突き刺せば、その瓦礫が、己の頭を弾くことを知っている。


曇りなきその眼光に宿る鋭利さこそ、真の叡智の在処と謳うものはもう誰もいない。


ただこの輪を維持すべく、綻びをだまし、詠嘆にすがり、

黴臭い飯を魂の石炭にする。


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