8 虚言と黒銀の背中
お久しぶりです
諧謔の果てに望むは歯髄にこびりついた米ぬかの様に、
忘れ去れた慇懃たる偽善を嘲笑する。
真理の始点を目指す者は、いずれ巨人の肩から自ら降り、
偽善たるや甚だしき理想を唱道する。
分岐に研磨された、その万人を喝さいの渦へと放り込む脳は、
全人的幸福を夢見て、楽園の扉を閉ざし、餓鬼を追い出すことで、
疑似的解決を、皿の上に吐露する。
毛むくじゃらの前腕には、その叡智に匹敵する律動が宿らんと、
退廃に背を向けた放浪哲学者が叫んだが、
誰もそれを信じようとしなかった。
斯くの如し詭弁を弁えぬのならば、
汝も又、サタニズム原理者であるため、やはり楽園から去るが良い!
ああ、平和な世界!
真理が支配し、理性に統治された素晴らしい世界!
これを惑わす者は、誰であろうと、黒銀の剛腕によって裁かれるのだ。
ああ、素晴らしい正義、ああ素晴らしき楽園。
自利の正義を嗤う硝子越しの来賓は、やはりその永住権を捨てる勇者ではなく、
かの者の様に、天蓋を突き刺せば、その瓦礫が、己の頭を弾くことを知っている。
曇りなきその眼光に宿る鋭利さこそ、真の叡智の在処と謳うものはもう誰もいない。
ただこの輪を維持すべく、綻びをだまし、詠嘆にすがり、
黴臭い飯を魂の石炭にする。