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2.言語酩酊
野楽里蔵理と
仄暗きストーヴの白き錆は私を癒すのだろうか?
蒼き膝は肘の黒きシミに似通っている
嗚呼、と言いたがるのは吟遊詩人の自然な欲求ではないだろうか?故に私もそう吟じよう。
嗚呼、世界は美しい。
嗚呼、人とは醜くとも偉大だ。されどちっぽけなのだ。
嗚呼如何して皆この真理に気づかぬのか。
酔いを知らぬは学徒の幸せな哀しみだと推理しよう。が、その実学徒は酔いを知っているのだ。寧ろそれは現在進行的な原罪信仰だ。だって言葉に酔ったり、空気に酔ったり、甘くて苦い青春を過ごすのでしょう?