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16 頭痛、或いはヘデック
其はあらゆる倦怠を導く衆愚の痛烈さながらに
我が内なる灰色のぬるっとしている綿を
我が物の様に跋扈する
まるで気高き武士の凱旋のごとく
だから、踏みつけられた民草の呻きが聞こえない
わが頭痛は、それ自体が頭痛の種である
死が、我を包み給うなら、
死が、終焉を告げるなら
我が慟哭さえも、この万象の煙に巻かれ
紫煙と共にエンドオブザワールドをホームビデオにして
快楽に耽るのだろう
その耽美的な眼差しはやはり
わが頭痛を引き起こす
朝起きたとき
また、それは夜の瞬きを思い出したとき
このダンスホールを踏み鳴らす靴の音がこだまするとき
だからきっとそれは一方的な警告で
わが身は悟りとて
わが魂は気づきとて
我自身はunderstandingを得ぬ
だからきっとその耳鳴りは
衆愚にとってはバッハやヴェートーベンのごとくの旋律の様に思えても
私にとっては
獣の叫び声、すなわち夜分に喧騒を投げかける
モラトリアムに揺蕩うルサンチマンの
馬鹿げた刹那的快楽の嬌声に過ぎぬ




