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6ー4 終幕
アメリカに渡って気がついたこと。
みんな背が高い。
僕は何回も十歳未満の子供と間違われたり、通報されたりもした。
そして。
「会いに来たよ、きらり」
「いらっしゃい、拓郎」
月に一度は必ず拓郎が会いに来る。
日本に居た頃は僕が会いに行っていたから、なんだか不思議な気分だ。
「きらりは、髪を切ってからより綺麗になったな」
しみじみ言わないで欲しい。照れるじゃないか。
「そう?」
「そう。それではさっそく、推理してもらおうかな」
拓郎は楽しそうに英字新聞を広げた。新聞の中は推理の宝庫だ。
もちろん、ちゃんとした事件もあるので不謹慎なことは言えないが、僕は今、とても充実している。
「きらり」
「なに?」
振り向きざまなところでキスをしてくるのはずるいな。
でも、うれしい。
トップアイドルにはなれなかったけれど、おじい様は僕の活動を楽しんでくれていたらしくて、遺産はみんなよりほんの少しだけ上乗せしてくれるということになった。
「つまり、この事件は――」
推理は人の数だけある。僕はそう信じている。
おしまい




