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5ー5

「さて。今日は皆様にさみしい報告があります」


 まにぃたんは、鼻にかけた声でわたしの顔を見る。


「今日で、縞鳥 きらりこと、われらがきらりんがハニガを卒業することになりましたっ。今後は普通の学生さんになるそうですので、皆様どうか、あたたかい拍手を送ってください」


 きらりーん、という呼び声は、まにぃたんの太客だったりする。


 最近わたしたちが仲良くしていたことを知っているのだろう。


 まにぃたんからわたしへ、マイクが送られてくる。


「えっと。これまで応援してくださり、本当にありがとうございましたっ!!」


 頭を下げるわたしへ、やさしい拍手と声援がふってかかる。


 涙が、知らずに出てきてしまった。


 ああわたし、本当はこのままで居たかったのかもしれない。


 でも、決めたことだから。


 ここはわたしの居場所じゃない。だったら別のところを探さなくちゃいけないんだ。


「これまでの声援――」

「オーナーの孫娘!!」

「どうせコネでハニガに入ったんだろ!? 万年ビリ」

「猿顔なんか見たくないんだよ」


 息を呑んだ。


 そうだよ。コアなハニガるんなら、それくらいのこと知っていてもおかしくないんだ。


「ちょぉ〜っとした勘違いだよ? 今は素直にきらりんのことを応援できないかな?」


 まにぃたんが仲裁に入ってくれるも、かえって混乱してしまう。


「偉そうに言うなよ、糞ビッチ」

「マクラでトップにいる癖にうぜぇんだよ」

「まにぃたんはそんな人じゃないっ!!」


 人気商売に限らず、応援してくれる人がいて、アンチもついてくる。仕方がないとは言え、今じゃないだろうという思いがせり上がってきた。


「みんなぁ〜、やめようよう〜」


 るり姫が仲裁に入ってくれて、ようやく場が静まる。が、どうにもしらけてしまって、わたしのマイクは運営さんに取り上げられてしまった。


 こんな形になるなんて、思っていなかった。


 客席に拓郎の姿はない。


 彼ももう、あきれてしまったのだろう。


 わたしには、あやまる権利もなくなってしまい、頭を下げることしかできなかった。


「え〜、運営からのお知らせです。安全上の都合で、本日の握手会は中止に致します。なお、本日の握手券は後日使うことができますので、無くさないようにお持ち帰りください。繰り返します――」


 運営からの連絡に、まにぃたんのファンからため息の声があがる。


「なんだよ。結局アンチの思う壺じゃねぇかよ」

「この中にシーメロのファンが混ざってるんじゃねぇの?」


 なんとも言えない雰囲気を、運営さんが懸命になだめる。


 ハニガるんの中には、今日だけしか見られない、握手できないという人もいるかもしれない。


 わたしのせいでこうなってしまった。


 どうしようもないな、わたし。  


 悲しくて悔しくて。他の子たちの目にも涙が輝いていた。


     つづく


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