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3ー4

 りさっちのマンションを後にしてから、まにぃたんにずっと聞きたかったことを話した。


「実力も必要なんだろうけど。どうしたら(ボク)がハニガでトップアイドルになれるのかな?」

「おや? きらりんトップ目指してたの? 無駄よ。あたしの目の黒いうちはカラコン使いつづけるわ」

「なんの話?」

「だから、あたしがハニガに所属しているうちは、トップの座は誰にも渡さない。それがきらりんであってもだよ」


 そうだった。まにぃたんは地下ドルにしておくのはもったいないくらいのアイドルだ。ここまで偶像を貫き通すことができるのは、ハニガの中ではまにぃたんだけだろう。


「でも、そうねぇ。もしきらりんが本気を出したらあるいはあたしが負ける未来があるかもしれないよ?」


 どきりとした。そんな未来が本当にあるだろうか。


「今でも本気だけど?」

「更に本気出さないとダメ。さっき言ってた恋バナも、あきらめちゃダメ。どっちもどれもを手に入れてこそ、初めて充実感を得られるわ」


 拓郎のこと、婚約者がいることを話した方がいいだろうか?


「どんな条件をつきつけられても、本気で取りに来なくちゃ得られないものがあるのよ?」

「そういうもの? (ボク)はあと、どれくらい本気出せばいいの?」


 それはわからないわ、と軽くかわされてしまった。


 そこで、まにぃたんのスマホが振動する。


「ちょっと待ってね。もしもし? るり姫から電話なんてめずらしいね?」


 るり姫こと藤川 るりは、三位に位置する妹系アイドルで、その可愛らしさから、女性だらけのハニガにいても、一つとして嫌がらせをされない稀有な存在だ。


『ごめんね、こんな時間に。あのね、今度新曲の振り付けを見てもらってもいいかなぁ?』

「うん、いいよ」

『やったぁ!! ありがとう、まにぃたん』


 電話はそれだけで切れてしまった。


 まにぃたんは今みたいに、困っている子が三位であろうとやさしくできる。そういうことも才能の一つなんだと実感した。


 蹴落とすのではなく、受け入れて戦う方法があることを知ってしまった。


「そうそう、バニラんがビリになった理由ね、なんか噂で聞いただけなんだけど。彼女の太客が三人くらいごそっと抜けたらしいんだわ」


 三人も、か。それは痛いな。でも、どうして?


 これはこれで推理になるだろうか?


     つづく



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