ep2(序幕)「新文明の進化と発展魅せるジオード」
転生元日より世界全土、既存する国はそのシステムを失い、実質的に全てが以前より滅んでいた。
誰もが安寧の地を求める中で、異核獣から人々を守っていた幾つかの組織が結託。難民を多く受け入れる受け皿として、各々の領地を決定。
応急的なそれらに公平を図るため設立された、最後の希望を掲げる星の天秤……『新界域天秤』が統括することで各々の組織は運営を始めた。
新星国……それは新しき組織《国》を指す。現在その一つ『贖罪騎士団』では、入団をかけた選抜が始まろうとしていた——
◇
贖罪騎士団主要基地「防衛都市」の関所にて。そこに女の騎士が二人、じき開幕する選抜試験の案内役として務めていた。
「ツクシせんぱーい帰りましょ〜。時間も過ぎてるし、もう誰も来ないっスよ〜」
そう話す閉じ目で黒髪ロングの後輩騎士『フクレ』に対し、ポニーテールで小柄な先輩騎士『ツクシ』は付近を見渡す。
「うーん……そうだなっ。ではここらで締め切るとするか」
「はーい。帰りましょう帰りましょー。あっ、ツクシ先輩今日はもう非番っスよね? また一緒にあの完食チャレンジ挑戦しに行きましょうよ」
「ま、またか。良いが、あれを完食出来る気はせん、ぞ?———…」
ツクシは話しを止め、目線の先のものに手をかざし、目を細める。
「…———フクレ、お前の眼であの遠くを見てくれないか? 何かこちらに来ているような……」
「……? 了解っス。んーあっ軽トラ、最近じゃ珍し。で老人が窓から慌てた様子で白旗振り回して真っ直ぐこちらに爆走中……要するに、止まれないってことじゃ」
「はあ、仕方ない。我らの役目はこの関所、防衛都市の大門を守ること。私があの車を切り裂く。お前は中の人たちを受け止めろ。人数は?」
「二人ぃ、いや三人っスね。老人一名に男女共に一名ずつ。アタシが女の子と老人を受け止めるんで、男の子の方は任せたっス」
「え、ちょっと待て!? わ私が男を……心の準備が、フクレ役目を——」
「もぉーいつまでそこだけ慣れないんスか……任せたっスよ〜」
言って、フクレは真っ直ぐに急いでいく。
「ちょっ、うぅ後で覚えておけよフクレぇぇ」
弱った様子で受け入れるツクシ。しかし彼女は対処に動くと雰囲気を一変。鋭い眼差しで遠く向こうの車へ向け、剣を抜き取って神秘を発揮する。
「——風刃!」
剣身は青い光で輝き、瞬時に暴風となって剣に纏う。薙ぎ払うと纏わり付いたそれは刃となって放たれ、迫る軽トラックをスーパー技術で乗車する人を避けて十文字に切り裂いてしまう。
それに連携するフクレ。地面を蹴って飛び上がり、軽トラックから勢いまま空中に投げ出された女性と老人の両方をキャッチ、地面に降りる。
「二人救出っ。あとは男の子一人、ツクシ先輩任せたっスよー」
「あ、あ……っれ? あの子一人なんであんな飛んで……ッまさか、偽理?」
残る男の子……それは、髪の毛が灰桜色の——。
「——……ったく、見てらんねぇな……——」
遠く雑木林の深く、木陰からその一連を見ていた一人の小柄な忍び。シュンッと、姿を消すような速度で……投げ出された彼に向かう。
◇
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