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ご褒美をかけた私と山田くんの勝負!!

作者: 冬狼

初めて書いてみた作品です!

分かりにくい表現や誤字脱字がありましたらご教授していただけると幸いです!



「桜さん、(さくら)彩葉(あやは)さん早く模試の結果を前に取りに来てくださーい。」


そう先生に呼ばれて私は飛び起きた。

まったくもう、といわれながら結果を返されたが私はワクワクしていて、先生の小言を気にもとめなかった。

私が席に戻ると隣の席の山田くんが笑ってる。呼ばれてるの気づいてたなら起こしてくれても良かったのになぁ……ツンツンってして。にしても、山田くんは相変わらずツーブロックが似合っていて、ぷにぷにしたくなる白いほっぺたを持っている。私は少しそばかすがあって、まだコンプレックスに感じちゃうから、更に羨ましく感じるんだよなー


「ねぇ、山田くん!模試返ってきちゃったね!

これで私はなんのご褒美を貰えるのかな~」


「いや、別にまだ負けたって決まった訳じゃないじゃんか。だいたい俺はこの勝負受けるだなんて言ってな──」


「いやいや、私がちょっと煽ったらすぐ乗っかってきたのはどこの誰よ」


笑いながら私がそう言うと山田くんは視線を逸らした。


「まぁね、確かにあの時はそう言ったけどもね。それは、ほら、その場の流れみたいな、買い言葉に売り言葉的なものがあるじゃんか?」


「それを言うなら売り言葉に買い言葉でしょ?まったく、往生際が悪いよ山田くん。そんなに勝負を避けたいだなんて私の圧勝かな~ちなみに私は全国753位だったよ」


ぶいぶい、と私がその言葉を言うと山田くんは目を丸くしている。ご褒美は何にしちゃおっかな、一緒に帰ったことないし放課後デートしてみたいけど休日デートも捨てがたいな……

山田くん背が高めで私は低めだから隣歩くとでこぼこして見えちゃうな。でもそれもまたいい!

でもでもでもベタなパターンでいくとお互い名前で呼びあっちゃうのもめちゃくちゃあり!!

とかいう妄想を驚いて言葉が続いてこない山田くんをぼーっと眺めながらしていた。


「桜さん前回からの上がり幅流石にエグすぎないかな。前回は僅差だったからまだ勝負受けてもいいかとか思ってたけどこれは本当に逃げちゃおうかな……」


結局いつまで経っても教えてくれないから奪い取って見ると3000位と書いてあった。

私が3000位なの!?と驚いてまぁまぁ大きな声をあげてしまったため、先生に静かに、と言われてしまった。流石にその後に授業が進んでいるのもあり、山田くんに話しかけられなかった。

あれ、てか、私、みんなに山田くんのテストの結果バラしちゃった……?




☆☆☆



授業が終わった時お前模試の順位たっけえなぁと中西くん相変わらずのゆる~い雰囲気で山田くんに話しかけていた。



「てか、桜さん?」

「なぁにぃ~」


ちょっと中西くんみたいにふんわりと喋ってみた。自分でも鳥肌がたつくらい猫なで声が出ちゃって顔が熱くなってる気がする。やばい。結構恥ずかしい。


「あ、えっと、桜さんのせいでクラスに俺の模試の順位がバレちゃったんだけど?」

「あ、あぁ、そ、そうだった。ちょっとキリが良くてこんなことあるんだなって思ったらつい、ね。本当ごめん」

「なんだ、キリが良くて驚いてたのか。安心したー」


何に安心したんだろうと私が尋ねると順位が低くて引かれちゃったんじゃないかと心配したらしい。


「山田くんも順位十分たかいからね?!私が言うと嫌味に聞こえちゃうかもだけど、本当に思ってるから!」

「分かった分かった。では、ご褒美は何がいいですかと言ってあげてもいいんだけど、順位キリよかったボーナスと、クラス中に俺の順位を広めてしまった罰が必要なんだと思うんだよね」


山田くんは、意地悪な笑みを浮かべてそう言った。


「ん?うーん、悪いとは思ってるけどそれとこれはまた別じゃないかな山田くん。だって前もって約束してた訳では無いじゃん?」

「しょうがない。なら、ご褒美権を俺にも1回で許してあげようか」

「いや、山田くん私の話聞いてた?ねぇ、ちょっと?!」

「………」

山田くんが綺麗な二重の眼でこっちを見つめてくる。その視線に私は負けてしまった。


「うーん、1回だけだからね!ご褒美!順位の件は申し訳ないしこれで許して?」

「よっしゃ。」


そう言ったあと続けて案外桜さんもチョロいね、と言われてしまい、 私は顔がまた熱くなっていた。そんなこと言われたら「でも山田くん、ご褒美とか大抵一緒にいないとできないものだから私にメリットしかないんだよ」と教えたくなっちゃた。



☆☆☆

山田くん視点



そんなこんな続けているとみんな部活に行ってしまったのか教室には俺と桜さんしか残っていなかった。

そろそろいいかなと思い、俺はご褒美の提案をした。


「ご褒美は俺の事を名前で呼んでもらうことにしようかな」


そう俺が告げると桜さんは少し困惑した顔をした。

桜さんって小悪魔系の雰囲気出す割に感情が顔にすぐ出て、コロコロ変わって可愛いんだよなとか思いながら言葉を待っていた。余計なことを考えてないとちょっと緊張でどうにかなっちゃいそうだからね。誰に説明してるんだろ。名前呼びなんて小っ恥ずかしいこと言っちゃって、テンションがおかしい気がする。


「へ?名前……?」

「あれ?もしかして俺の名前知らない?」

「そんなことないしめちゃくちゃ知ってるけど、名前呼びして欲しいと思ってるなんて考えもしなかったから」

「なんだそんなことか。結構名前呼び憧れるんだよね」


好きな人から名前で呼んでもらえるなんて、思春期男子にとって、かなり嬉しい。でも名前呼びしてなんて言っちゃうと好きバレしちゃうかなーとか、今になって少し後悔してる。


「分かったよ。山田くんのご褒美は名前呼びでいいんだよね?」

「山田くん……?名前呼びしてくれるんじゃないの?」

少しからかってみると、桜さんはまた顔を赤くしている。


「あゎ、えっと、玲翔(れいと)くん!」

「はい、なんでしょう?」

「え、呼んでって言われたから……」

「用があったらでいいのに。それで桜さんのご褒美の件はどうするの?」

「それ!私も桜さんじゃなくて名前で呼んで欲しい!」


俺はもしかしたらこうなるのかもと思っていたので、心の準備をしていたけれど緊張する。いや、これかなり恥ずかしぞ?世のカップルは普通に名前で呼びあってるけどこんなハードルが高いことなのか。いや、俺達は付き合ってるわけじゃないんだけどさ。



「…………あ、彩葉さん!!」

緊張で思ったより大きな声になってしまった。


「どうしたの玲翔くん?そんな大きな声で呼んで。私は隣に居るんだしそんな声を張らなくても聞こえるよー?」


さくらさ……彩葉さんはニマニマと、からかうように笑って言ってきた。俺意外と度胸なかったりするんだな、心を鍛えていかないと!と勝手に奮起していた。



☆☆☆

彩葉さん視点


私も名前で呼んでもらえることになっちゃった!その場のノリで決めちゃったけどこれがご褒美でいいはず!さん付けはそのうちどうにかすればいいかなーとか思っていると、玲翔くんが質問してきた。


「今日って生徒会の活動あったっけ?」

「ないよー。玲翔くんも書記やってるんだから日程把握しときなよ!」

「だって副会長の彩葉さんいるし彩葉さん意外としっかりしてるから把握してなくてもいいかなって」

「意外とってなにかな玲翔くん?ねぇねぇ、どういうことかな……?」

「えっと、その、そ!そうだ!もう誰もいないし一緒に帰らない?」


そんな提案をして露骨に玲翔くんは話題を逸らしてきた。でもめちゃくちゃ嬉しい提案だし乗っかってあげようかな。


「いいよ。そんなに私とまだ一緒にいたいんだ~」


私がからかってばっかりだと誘ってくれなくなっちゃうかなとか思いはするんだけど、ついついしちゃうんだよね。生まれつきの性なのかもしれない。

そしたら、玲翔くんが「独りぼっちで帰るのもやだからね」と言っていた。最近その言葉に半分くらいの本音と半分くらいの照れ隠しが入ってることを見抜けるようになってきた。結構私いい感じに仲進展させられてるかも!

その後少し雑談をしてから私たちは帰ることにした。




「もうすぐで家着くね……」

帰っている時に私はそう呟いた。もう空も真っ赤になっていて帰宅するにはちょうどいい時間になっている。

実は玲翔くんは、色々あって私の家に来たことがあり、私の家の場所を知っていたりする。まぁ、生徒会メンバー以外に色々の話をするつもりは無いけどね。


「そうやねー」

「いや、そうやねとか玲翔くんいきなりどうしたの」

あははと笑って私は言う。

「ちょっと考え事してて、ぼーっとしてたかな」

「何考えてたの?今日の夜ご飯とか?昨日の夜ご飯とか?」

「んー彩葉さんには内緒かなー」

「なんでよー教えてくれたっていいじゃんさー」


私がちょっと駄々をこねてみても教えてくれることは無かった。


もう家の前についてしまった。

今日は楽しかったな。

デートは、まぁ、後回しでいいや。

今日一緒に帰れたし。

さん付けも含めて色々とまだ進んだようで進んでないなぁ。と、少し感傷的になっていると玲翔くんが少しの間の沈黙を破った。


「そういえば、彩葉さん、次の週末、予定あるかな?忙しい?」

「次の週末は……暇、かな」

「良かった。じゃあ週末俺と一緒にイルミネーション行かない?」

「イルミネーション?!いくいく!キラキラして綺麗なの好きなんだよねー!」

「そっか、よかった」


玲翔くんは、緊張したような表情の後、ほっとしたような表情になっていた。

会話が一区切り着くとなんだかお互いに恥ずかしさが込み上げてきたのか玲翔くんの顔が赤く、私の顔が熱くなってきた。それでも私はポーカーフェイスに自信があるから赤くなってない……はず!



「玲翔くん?顔まっかだよ~そんなに恥ずかしかったのかな?」

「これは……夕日のせいだよ。うん、夕日のせい。」

「まぁ、いいけど!じゃあまた学校でね?週末楽しみにしとく!」

「うん、じゃあまたね彩葉」

「またね玲翔くん」



「ただいま~!」

私は鍵を開けて家に帰っていった。



☆☆☆





顔真っ赤だったなぁ……




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