表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/6

第2話:危機です

 やがて、魔物を見つけた。思わず通路の曲がり角に隠れる。そして、魔物の姿を確認する。人型をしているが、頭が牛のようになっている。ミノタウロスだろうね。鑑定をしてみる。


【種族:半人半獣】

【名前:なし】

【レベル:984】


 レ、レベル984とか勝てるわけないよ。気配を消すようにこっそりと逃げ出す。それでも移動がふわふわとした感じなので、なかなか遠くまで進まない。やっとのことで逃げ出すと突然システムメッセージが現れた。


 『隠密スキル、レベル1を取得しました』


 おお! スキルが増えたよ! 早速、隠密スキルを使ってみる。


 ……何も変化がわからないけど、多分かかってるよね……。


 自分の今の姿すらわかっていない。隠密で消えているかも確認できない。とりあえず自分の姿を確認したいな~と思い、鏡でもないかな? と考えるが、こんなダンジョンのような所にあるとは思えない。あ! 水場があれば見れるかも? そう考えて地底湖を探してみることにした。


 彷徨うこと何時間くらい経ったのだろう。未だに水場が見当たらない。広大と思われるダンジョン。いや、あたしの歩みが遅いだけか? 途中で見かけたものは魔物ぐらいだよ。しかも全部がレベル900代とか、まるで鬼畜ゲーやってるみたいだよ!


 鑑定スキルと隠密スキルのレベルが2に上がったことはありがたいけど、キャラクターレベルが1のままなんだよね……。キャラクターレベルを上げて無双をしたいよ。


 そこでふと気づく。ひょっとしてここはダンジョンの奥深くなのではないかと。それだとつじつまが合うかもしれない。あたしは水場と共に、上に登る階段を探すことにした。


 さらに彷徨うこと数時間。数時間といっても体感なので正確な時間は分からない。


「あれ? なんかここさっきも通った気がするな? ダンジョンだから、通路が同じような作りになっているだけかな?」


 そう疑問に思っているとシステムメッセージが表示された。


 『オートマッピングスキル、レベル1を取得しました』


 おお! これで迷子にならずに済むよ。どれどれ、地図の状態は……。同じフロアをぐるりと一周していた。どうやらオートマッピングの取得となる条件が、『迷子になる』ということらしい。同じ所に辿り着いたから迷子認定されたのだろうな。


「まあ、地図で場所が分かるようになったことだし、まだ黒塗りの部分でもマッピングしますか」


 そう呟いてポジティブに考える。


 そんなわけで、自分が一周描いた内部のまだ黒塗り部分を進んで行く。進んで行ったら、大きな扉が見えてきた。その扉は装飾が細かく彫られている。


(上に行く階段の扉だろうか? それとも更に下に行ってしまう?)


 扉を開けようにも手がなかったので、これも念じてみる。すると扉はゆっくりと開く。途中まで開けると、おどおどしながら中を除く。階段ではなかった。どうやら部屋になっているらしい。


 先ほどの宝箱があった部屋は、扉がなかった。しかしこの部屋は扉がある。え? まさかボスとか? もしも、ここが最下層だとしたら、ラスボスじゃないの?


 危機を感じたあたしは、音をたてないようにゆっくりと扉を閉めた。


 そして、またシステムメッセージが表示される。


 『危機察知スキル、レベル1を取得しました』


 おお! ありがたいよ! この鬼畜なフロアで危機察知が出来るのは嬉しい!


 他の未踏破部分も進んで行き、ようやく上の階に登る階段を見つけた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ