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第4話 顔が良ければ、すぐに仲間ができるみたいです


「以上で基本的な説明は終わりですね。他に何か聞きたいこととかってありますか?」


「とりあえずは、大丈夫そうです。ありがとうございました」


「いえいえ、また何かあったらお話に来てくださいね」


 冒険者ギルドや今後した方がいいイロハを丁寧に教えてもらった俺は、一度カウンターを離れることにした。


 とりあえず、簡単な依頼だけで受けてみようかと思っていたが、初心者はどこかのパーティに混ぜてもらった方がいいとのこと。


 冒険者ギルドの方で紹介もしてもらえるらしいけど、一旦冒険者の募集がないかを見るために掲示板を確認してみることにした。


 掲示板にはクエストの依頼やパーティの募集をかけているらしく、それを見て直接パーティに仲間に加えて欲しい旨を告げてみるのも手らしい。


 まぁ、直接交渉するだけのコミュ力があれば話だけど。


 できれば、年齢も近くて冒険者ランクも近い人がいいなと思って掲示板を覗くと、そこにはすでに何個かのパーティが冒険者の募集をしている紙が貼られていた。


『募集 冒険者ランクB級以上の前衛職』


『回復魔法の使える魔法使いの方、一緒に冒険しませんか?(冒険者ランクD級以上)』


『盗賊スキルを持っている方募集(冒険者ランクについては要相談)』


「一定以上の冒険者ランクか、特別なスキル持ちだけか……」


 貼られている冒険者募集の紙を軽く見た感じ、どれもある程度の実力者を募集しているらしかった。


 まぁ、初心者でクエスト未経験の男なんて、誰も仲間にしたいとは思わないか。


 どの募集要項にも当てはまらないし、これは冒険者ギルドにお願いしてどこかのパーティに入れてもらうことにするしかないかな。


 どのみち、知らない人たちを前にして自分から交渉できるようなコミュニケーション能力もないわけだし。


「あのっ、お兄さんパーティ仲間探してたりしますか?」


「え?」


 掲示板の前でにらめっこをしていると、不意に後ろから声をかけられて振り向いた。


 すると、そこには金髪サイドテールと銀髪サイドテールの女の子達がいた。


 歳は12歳ぐらいだろうか? 今の俺の年齢よりは何歳か年下だろうというのは想像ついた。ちなみに、ガラスに映った顔から、俺は自分が16歳くらいなんじゃないかと勝手に予想している。


 目の前にいる女の子達は、庇護欲を刺激するような子犬のような感じがあって、二人とも可愛らしい見た目をしている。


 してるのだが……なぜか二人とも同じ顔をしている。もしかして、双子なのだろうか?


 いや、双子じゃない方が無理があるか。髪色と結んでいるサイドテールの位置ぐらいしか二人の違いが分からない。二人とも軽装でスカートだしな。


 あとは、金髪の方の子が黒い短いスパッツを履いているのに対して、銀髪の方の子は黒い長いタイツを履いている。


 他の違いと言えば、俺に話しかけてきた金髪サイドテールの女の子がにこやかで明るい感じに対して、銀髪サイドテールの女の子の方はただ目をぱちくりとしているだけで、いまいち感情が読み取れない感じだ。


 こうして見てみると、顔のパーツ髪色以外は同じはずなのに、結構違いがあるんだな。


「あの、よければ、私達と一緒にパーティ組みませんか?」


「え? 俺なんかでいいの?」


 思ってもいなかった提案をされて、俺は素で驚いてしまった。


 こちらから頭を下げて渋々パーティに入れてもらうことになるのだろうと覚悟していただけに、パーティの方から誘ってもらえるのはありがたい。


「でも、俺さっき冒険者登録したばっかなんだけど、大丈夫?」


「大丈夫です! これでも、私達Fランク冒険者なのでお兄さんとそんなに変わりませんし!」


「私達がお兄さんを守ってあげる」


 もしかしたら、俺が冒険者登録をしたばかりだということを知らないのかと思ったが、どうやらそんなことはないらしい。


 それも、俺よりも上の冒険者ランクを持っているのなら、この好意はありがたく受け取っておくとするか。


「それじゃあ、お願いしてもいいかな? 俺はユウキ。よろしくね」


「私はヘンゼル!」


「私はグレーテル」


 金髪のサイドテールの方はヘンゼル、銀髪のサイドテールの方はグレーテルと名乗ると、二人とも口角を上げていた。


 もしも、転生前の俺がこんな年齢の子に話しかけでもしたら、一発で通報物だろう。もしかしたら、近づいた瞬間に通報されていたかもしれない。


 それが、まさか相手の方から話しかけてくれるなんて想像もしなかったな。


「そういえば、なんで俺みたいな素人を入れてくれるんだ?」


「お兄さんなら、信頼できるかなって思って。ね?」


「ねー」


 明るい笑みでヘンゼルがグレーテルに話しかけると、グレーテルもヘンゼルの方を見て調子を合わせていた。


 それでも、声色がヘンゼルよりも低いのはテンションを上げきれない個性だろう。


 なるほど、信頼できる、か。


 会ったばかりでまともに会話もしていないのに、できる信頼関係。


 ……そうか。これも顔が良いからか。

 

 俺は同じように掲示板の前のパーティ募集の張り紙を見て、頭を抱えている元同士を見ながらそんなことを感じたのだった。

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