第3話 顔が良ければ、色々教えてもらえる
少しでも面白かった、続きが読みたいと感じてもらえたら、
☆☆☆☆☆のボタンより応援のほどよろしくお願いいたします!
また、ブックマークなどで応援してもらえると大変励みになります!
何卒宜しくお願い致しますm(__)m
「ここが冒険者ギルドですよ」
声をかけてくれた女の子に案内してもらうこと、数分。他の店とかと比べると少し大きな建物の前に着いた。
クリーム色のレンガの壁と赤褐色の屋根は、よくアニメとかで見る冒険者ギルドのそれだった。
「ありがとうございます。本当に助かりました」
「いえいえ、困っているときはお互い様ですから」
案内してくれた女の子は、逆に恐縮だとでもいうかのように、胸の前で手をパタパタとしていた。
そんな可愛らしい動きを見ていると、やがて女の子は指の先を合わせて恥じらうようにしながら俺をじっと見つめてきた。
「えっと、これも何かの縁だって思ったりもするので、どこかで会ったらまたお話してくれますか?」
ただ道案内をしてもらっただけで、特に何か特別なことをした覚えはない。というか、こちらが色々としてもらったのに、女の子側からそんな提案をしてくれるなんて思いもしなかった。
少し驚いて黙ってしまうと、女の子が不安そうな表情をしてきたので、俺は慌てるように言葉を返すことにした。
「俺なんかでよければ、よろこんで」
「本当ですか! 嬉しいですっ」
ただ今度話をするというだけ。それだけのことなのに、心から嬉しがるように口元を緩める少女を前に、俺は少し感心さえしていた。
イケメンって、ただ話すだけで好感度上がるのか……。
それから冒険者ギルドの前で少女と分かれた俺は、本来の目的であった冒険者ギルドの扉を開けて中に入った。
冒険者ギルドの中は依頼を受けるカウンターと掲示板があり、食事処も隣接しているようだった。
まだ昼間だというのにつまみを食べながらお酒を飲んでいる冒険者たちを見ると、本当に自分が異世界に来たのだなと実感することができた。
やっぱり、ザ自由職って感じがして冒険者っていいよな。
そんな憧れを抱きながら酒場にいる冒険者たちに目を向けながら、冒険者登録を済ませるために冒険者ギルドのカウンターまで行ったところで、俺に視線が集まっていることに気がついた。
お酒を飲んでいる男冒険者たちを見ていたから、気づかなかったが冒険者ギルドにいる男女の視線を集めてしまっていた。
あれ? もしかして、新入りには冷たい感じなのかな?
そんなことを思いながら、カウンターにいる明るい髪色をしているギルド職員のお姉さんと目が合ったとき、その視線の正体に気がついた。
さっき街中で受けていた熱っぽい視線。
どうやら、歓迎されていないという意味ではないらしい。
「あの、冒険者の登録をしたいんですけど、ここでできますかね?」
「は、はいっ、できます。えっと、こちらの用紙に記入してもらってもいいですか?」
ギルド職員のお姉さんから差し出された用紙を受け取ってそれを読んでみると、基本的な個人情報を書くだけみたいだった。
ていうか、普通に文字読めるんだな。
まぁ、ここら辺は異世界転生特典か何かだろう。
俺はさらさらとそこに書かれている質問に回答して、記入を終えた用紙をギルド職員のお姉さんに渡した。
「はい、特に問題はありませんね。後は、登録手数料が2000ゴールドです」
「2000ゴールド……すみません。この国に来て日が浅いんですけど、2000ゴールドって言うと、どの硬貨使えばいいですかね? あんまり硬貨の価値が分かってないんですけど」
俺はポケットに入っていた布袋から硬貨を一種類ずつカウンターの上に並べて、2000ゴールドがどの硬貨で支払えるのかを聞いてみることにした。
転生前の俺だったらこんな質問をしても断られていたかもしれないが、今ならもしかしてと思って聞いてみると、受け付けのお姉さんは前のめりになって硬貨の説明を始めた。
「ええっと、金貨が一枚10000ゴールドで、大銀貨が一枚1000ゴールド、銀貨が100ゴールドで、銅貨が一枚10ゴールドなので、大銀貨二枚ですね」
その説明を受けてから布袋の中を見てみると、金貨が五枚と大銀貨が六枚、銀貨がと銅貨が五枚ずつ入っていた。
「なるほど、ありがとうございます。ちなみに、ここの隣で一食ご飯を食べるとどのくらいかかります?」
「お手頃なランチなら、500ゴールドくらいですかね」
一食500ゴールドとなると、今の手持ちのお金も多くはないが今日明日中に死ぬということはなさそうだ。
宿代も考えると、数日は何もしなくても生きてはいけるだろう。
「本当にありがとうございます。教えてもらえて助かりました」
「いえいえ、このくらいでよければいくらでもお教えますよ! それこそ、業務時間外でよければ街の案内だって」
「いやいや、さすがにそこまでは頼めませんって」
色々教えてもらえて助かるが、さすがに営業時間外に頼むのは申し訳ない。そう思ってその申し出を断ろうと思ったのだが、お姉さんはむしろ体をぐっと寄せて言葉を続けた。
「遠慮しなくていいんですよ? この街の冒険者の方が困って言うのなら、助けたいって思うのはギルド職員として当然のことですから」
「それなら、えっと……とりあえず、冒険者ランクとかについて教えてもらってもいいですかね?」
「はいっ、もちろんですっ」
笑顔で接客してくれているお姉さんは、それから冒険者のランクのことを丁寧に教えてくれた。
冒険者ランクがS、A~Gまでの8段階に分かれていて、初めはGランクからスタートすること、ランクを上げるためにお得なクエスト等々、初心者冒険者が知りたい情報を色々と。
隣のカウンターで俺よりも後に冒険者登録の手続きに来た冒険者の手続きが先に終わっても、その冒険者には教えていないであろう情報を色々と教えてくれた。
そんな説明を受ける中で、俺は静かにこう思うのだった。
顔が良くて、本当に良かったなと。
どうやら、顔が良ければ必要以上に丁寧に色々と教えてくれるらしい。




