姿が見えない友達は、本当にそこにいるのか?という疑問
私の後ろは誰がいるのか?
今まで考えたことなかったが、今は違う。
「私の後ろに誰かいるのかしら?」
そう聞くと、
「誰もいないよ」
「嘘が下手よあなた」
後ろを振り向くといつも誰もいない、
声だけが聞こえる、姿が見えない人。
また前を向くと、気配が現れる。
「あなたの事、一度でもよいから見てみたいわ」
「見たらショック死しますよ」
「そんなに見た目に自信がないの?(笑)」
「ふふっ、どうだろうね」
最初は怖かったけど、今では少ない友達。
「あなたと遊んでみたいわ!そうだプリクラ撮りましょうよ!!」
「・・・・・・写らないと思いますよ」
「やってみないと分からないわ!!幽霊だって写真を撮れば写るって言われているじゃない!!」
「そんなに、見たいんですか?私の姿」
「見たいというか・・・いや見たいけど、嫌々は気が引ける。あと私はただ、貴方と私なりに仲良くなりたいだけよ」
貴方に背中を向けると現れる友達は黙った。
捉える事も許されない、何かの掟に縛られる様に、日が進んでいった。
一度も会わず、ただ近くにいてくれる友達と、過ごした日々は
彩のある時だった。
遊ぶことは叶わなかったまま、歳をかさねて
あんなに遊ぶことが好きだった私は、今ではじっと布団で寝ていたいと思う。
「ねぇ・・・貴方は本当に存在しているの?」
「君はどう思う?」
私は笑って
「いると思うわ!!」
と元気に答えた。
もう私に元気はないけれど、これだけは明るく振舞える。
「そっか・・・・それは嬉しい」
しんみりした空気が流れる。
「ねえ最後にさ、貴方の姿を見せて」
しわしわの手をゆっくり伸ばす。
「・・・・・いいよ。今までのお礼として。後悔しないでくださいよっと」
見えなかった友達の姿が現れ視界に映る。
なんだ、ちゃんと存在してたんだ。良かった。
「別に言うほど醜くないじゃん。それならもっとはやく知りたかった・・・・な」
手は布団に落ちる。
誰もいなくなった部屋で、初めて人が死ぬ瞬間を見た事、初めて悲しいと思えた事。
自分の今の気持ちに整理がつかないまま。
ただ今言えることは、
ありがとう。
君と一緒にいれたことや受け入れてくれた事に感謝しかない。
じゃあね、My friend
良い旅を。