表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

姿が見えない友達は、本当にそこにいるのか?という疑問

私の後ろは誰がいるのか?

今まで考えたことなかったが、今は違う。

「私の後ろに誰かいるのかしら?」

そう聞くと、

「誰もいないよ」

「嘘が下手よあなた」

後ろを振り向くといつも誰もいない、

声だけが聞こえる、姿が見えない人。


また前を向くと、気配が現れる。

「あなたの事、一度でもよいから見てみたいわ」

「見たらショック死しますよ」

「そんなに見た目に自信がないの?(笑)」

「ふふっ、どうだろうね」

最初は怖かったけど、今では少ない友達。

「あなたと遊んでみたいわ!そうだプリクラ撮りましょうよ!!」

「・・・・・・写らないと思いますよ」

「やってみないと分からないわ!!幽霊だって写真を撮れば写るって言われているじゃない!!」

「そんなに、見たいんですか?私の姿」

「見たいというか・・・いや見たいけど、嫌々は気が引ける。あと私はただ、貴方と私なりに仲良くなりたいだけよ」

貴方に背中を向けると現れる友達は黙った。

捉える事も許されない、何かの掟に縛られる様に、日が進んでいった。


一度も会わず、ただ近くにいてくれる友達と、過ごした日々は

彩のある時だった。

遊ぶことは叶わなかったまま、歳をかさねて

あんなに遊ぶことが好きだった私は、今ではじっと布団で寝ていたいと思う。


「ねぇ・・・貴方は本当に存在しているの?」

「君はどう思う?」

私は笑って

「いると思うわ!!」

と元気に答えた。

もう私に元気はないけれど、これだけは明るく振舞える。


「そっか・・・・それは嬉しい」

しんみりした空気が流れる。

「ねえ最後にさ、貴方の姿を見せて」

しわしわの手をゆっくり伸ばす。

「・・・・・いいよ。今までのお礼として。後悔しないでくださいよっと」

見えなかった友達の姿が現れ視界に映る。

なんだ、ちゃんと存在してたんだ。良かった。

「別に言うほど醜くないじゃん。それならもっとはやく知りたかった・・・・な」


手は布団に落ちる。


誰もいなくなった(静寂が訪れた)部屋で、初めて人が死ぬ瞬間を見た事、初めて悲しいと思えた事。

自分の今の気持ちに整理がつかないまま。


ただ今言えることは、

ありがとう。

君と一緒にいれたことや受け入れてくれた事に感謝しかない。

じゃあね、My friend

良い旅を。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ