友人と星座を探していたらリア充がいたので爆破しようとしたら団長に止められた
ジャンル:その他
リア充滅殺団の忘年会を終えて、同じ団員である友人と、酔い覚ましに河川敷を歩く。
「オリオン座は…わかったぞ」
「どこ…ちょっとわからない…」
「真ん中に三つ星あるだろ…」
ふらふらと千鳥足で空を見上げて、知っている星座を探す。
ごつん、と、ベンチに足が引っかかり、そのまま2人で座り込む。
真っ白い息が、星空に向かって吐き出される。
寒いはずだが、アルコールの力でまったく寒さを感じない。
むしろ、温かさすら感じる。
はぁ、と、2人同時にため息が出る。
今年も彼女はできなかった。
まぁ、それでもいい。
団長をはじめとした、リア充滅殺団の仲間と楽しく1年を過ごすことができた。
きっと来年も……
と、その時。
「ふふっ、もう、やだぁ」
「何が嫌なんだよ、ほら」
「もぉ〜」
右方向20メートル先で、リア充の声がした。
「……おい」
「うん、爆破しよう」
友人と声をひそめて、次の行動を決める。
幸い忘年会のビンゴゲームで当てた檸檬爆弾が大量にポケットへ入っている。
これをぶち当てれば……。
右手を内ポケットに入れ、リア充との距離を測る。
火炎瓶の投げ方講座で覚えた投擲モーションをイメージする。
今年最後の爆破だ。
やってやる。
ステップを踏み、勢いよく右手の檸檬爆弾を……
投げようとした、その手を誰かに握られる。
振り返ると、
「だ、団長……!」
そこには空になったジョニ赤の700mlの瓶を持った団長が立っていた。
「やめろ。今年のなろうラジオは、R15は不可だ。
よって、爆破は認められない」
「そんな……!」
リア充の方がR15じゃないか!
なぜ、それを爆破する我々の方が粛正されなければならないのだ……!
俺は絶望感に襲われるまま、団長に抗議の言葉を発しようとした。
しかし。
「……それに、何をお前は、酔っ払って、女性と2人きり、手を繋いで、星座を探し合ったり、しているんだ……?」
「え?」
俺は左手を見た。
その手は、同じリア充滅殺団で仲間のひとり……優衣子の右手を握っていた。
「あ、あの、団長、違うんです。これは」
「問答無用!」
ウイスキーを1本空けたばかりとは思えぬほど、眼光炯々とした団長は、迷いない足取りで戦闘体勢に入った。
リア充滅殺団団長の名に恥じぬ勢いで、俺と優衣子に突進してきた。
そして。
俺たちは、星になった……!
(*´ー`*)リア充爆破が封じられてしまった…。世知辛い世の中だ。