プロローグ 「荒廃した世界」
「いつぶりだろう」
僕はヴァイスヘルンと呼ばれる人型の兵器のコクピットの中からその町を眺めながらそんな事を呟いていた。
数年前まで高層ビルやショッピングモールなどでにぎわっていた町は今では誰一人おらず建物には緑が生い茂り荒廃していた。
こうなったのはヤツらのせいだ、今から8年前通称ビーブルと呼ばれる機械生命体がどこからともなく現れ人類を襲った。
初期に出現したビーブルはまだ犬型や蛇型など獣を模した物が多くそこまで大型などでは無かったため当時の兵器で対処する事が可能だったのだ。
しかし4年前代2世代型のビーブルが出現、代2世代はそれまでのビーブルとは違い2足の下半身に戦車の砲台を載せた様な奴から対人様のガトリングを載せた奴など様々な新種のビーブルが発生した。
始めは2足のためどちらかの足を破壊すればいいと言われていたがそうはいかなかった。
何せ片足を破壊しても第二世代は機体中心部のエナジーコアを破壊しない限り自己修復するのだ。
そしてその事実に気づく間に代2世代型のビーブルが人類を滅ぼし世界人口が5割減る事態となり人類は一時地球を手放す事になる。
人類は元々増えすぎた人口を地球から追い出す為に設営していた月面および月面周辺の都市に移り住む事になったのだ。
しかしその2年後自己再生するビーブルに対抗するための兵器が開発された。
それがこのヴァイスヘルンだヴァイスヘルンは人形の大型兵器でありパイロットが神経接続を行う事により動かす事が可能である。
そしてこのヴァイスヘルンの最大の特徴がこのDMGシステムである、コイツは簡単に説明するとビーブルの自己再生を止める事が可能なのだ。
こうしてヴァイスヘルンが完成した事により地球を奪還するためこうして毎年に1度月面から地球に僕たちみたいな兵が送られてるわけだ
「ヴァイパー何をしている、遅れているぞ」
隊員の皆に優しく女性隊員にそこそこ人気の高い隊長の声が通信機から聞こえてきた、ヴァイパーは僕のコードネームだ。
「すみませんすぐ行きます」
僕はそう言い十数メートル先でホバー巡航している隊長機と他3機に追いつくために巡航スピードを上げた。
「今日は見回りだけだ、早く終わらせてウマい飯でも食いに行こうぜヴァイパー!」
「いいね、今回はファッツの奢りだぞ、この前の借りまだ返して貰ってないからな!」
そう言い同年代の訓練兵ファッツといつもの様に会話をしていた。
次の瞬間 (ブォォォン) と言うおぞましい音が鳴り響いた