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こんな話あるわけないだろ

作者: 中野

地名は朝日ヶ丘

「ねぇ、アイツと付き合ったってほんと?w」

「ふっ、んなわけないじゃんw財布だよ財布」

「大体アイツ高嶺の花って言葉知らないのよ」

「うわっ、ひっどぉw」

「まあまあ、いつもの事だしw」

「貰うもん貰ったらバイバイ、これがまた楽しいのよ」

「いいなぁーそんなこと出来るなんて」

なんで俺はよりにもよって忘れ物なんかしたんだろう

校門の前で思い出さなければあんな思いしなくて良かったのに

「はあっはあっ、っっ!!」

いきなり走りだしたからなのか、それとも他の理由か

息苦しい

いつも彼女と帰っていたときに通る橋が目に付いた

今、目の隅になにか...

気づいたら走り出し、橋の下の川に飛び込んでいた

クソっ!天気が酷く荒れてるせいかこの川は流れが激しい、だが俺は手を伸ばす

「捕まれ!」

悔しかったのか、自暴自棄になったのか、我ながらよくあんな真似ができたなと思う

俺は色々な意味でその日は忘れられない日になった




「け...すけ...遊助!」

「んー?、!!はっはい!!」

「寝ぼけてんの?」

「えっ、あーそうみたい」

気づくと目の前には友達の川口由奈が不満そうな顔で俺を見ていた

「でさーあの映画おもしろそうじゃない?平凡な主人公がある日天才的殺し屋として生きていくやつ!」

「あーそれ知ってるー」

なんとなくで相づちを打つ

「それとさーあれ!主人公が鬼に家族をころさr」

「ていうかもう帰ろーぜぇ!暗いよ?外」

「ちぇー、!じゃあさ、一緒に帰んない?」

「あー、いいよ別に」

特に断る理由はないし二つ返事でオッケーした

「やった!」

なんでそんな嬉しそうなんだ、そんなに映画の話したい?

街灯がチラホラつき始めている道を2人で歩いていた

「それで昨日観た映画面白かったよ!なんか主人公がある日酒臭いおじさんと会って、なんやかんやでライバルとボクシングできそいあ

「てゆーかなんでそんな映画の話ばっかしてんの?飽きない?」

「えー?遊助が入学式の日に映画が好きだって言うから、めちゃくちゃ見漁ったんだよ!」

「そんなこと言ったっけ?それに出会ってすぐ下の名前で呼ぶってなかなか出来ないよ今の子は、偉いのぉ川口はー」

「あはははっ...おじいちゃんはそういう子嫌いなの?」

「いや...好きだよ?あっ好きじゃぞ?」

「!!へ、へぇ〜」

くだらない話をしながらそれぞれの家の方向で別れた

そういえばあいつの家はここら辺なんだろうか

それにしてもあいつはめちゃくちゃフレンドリーというか、人懐っこいというか...今どき珍しい気がする

そんなことを考えていたら家に着いていた


次の日学校に行くとまたいつものように川口としゃべる

川口と喋っているとなんとなく落ち着く

唯一心を許しているといっても過言では無い気もする

お昼休みに川口が食堂に行こうというのでついていった

男友達はいない訳では無いけどとりわけ川口が1番仲がいい

当の川口は運動神経は普通だが、頭が良く社交性がある。いいなぁ

たまにヒソヒソされるときがあるが、カップル的な感じでみられてるのかな

カップルか...中学のときの嫌な記憶が蘇る

高校に入ったらあれが消える...なんてことは無かった

食堂に着くと驚くべき光景が目に飛び込んできた

あの女だ...高校に入学したばかりだからほかのクラスことはよく知らなかった。まさか同じ学校だなんて

俺はあの後すぐに別れた

理由を突きつけたらすんなりことが進んだ

あのときからかな、女の人が簡単に信用できなくなった

...一瞬目が合ったような気がする

「ねぇ、何食べる?」

川口が顔を覗き込んできた

「うわっ、焦ったぁ」

「なにぼーとして...ってあっ!うどんがない!」

辺りを見回したが、あの女はいなかった

「ふー、ならそば食べれば?」

「ふぅむ...まあたまにはいいかぁ」

なんとか平静を装い川口とそばを食べた


今日も川口と帰ることになった

「ねぇねぇ、河川敷行かない?」

不意にそんなことを川口が言い出した

河川敷ね...あの橋があるところだ

「なんたって河川敷に?」

「いやあ、久しぶりに行きたくなってさ」

川口も思い出があるのか

橋の下の水はあのときとは違い、

なだらかに流れていた

川口と一緒に芝に座る

なんだかなんともいえない気持ちになる

川口はいつもとなんだか雰囲気が違う

「なぁ川口、おれ前にさ

「どーも、遊助くんっ」

俺の言葉は最悪な展開に遮られた





「?」

川口はじっとあの女を見つめている

冷や汗が首を伝う感覚がハッキリと感じた

「その子は彼女さん?」

「あの、どちら様ですか?」

川口はたまらず口を開いたのだと思う

「私は日田って言います」

「...なんの用?」

恐らく2人にも分かるくらいに俺の声は震えていた

「いやぁさ、可愛い女の子といるから付き合ってるのかなーって」

少しの間沈黙が続いた

「...付き合ってはいないんだね」

「ふふっならさ、どう?また私と」

「は?」

何を言っているんだこいつは

「私遊助くんのこと1番好きだったからさぁ」

こいつはヤドカリか何かか?

こいつの一言一言が俺に衝撃を与える

「えっ、えっ?」

川口は呆然としている。状況が読み込めないんだから当たり前か

「俺は...」

俺は何が言いたい?何をしたい?

ハッキリとこいつに言ってやる

俺は...











「川口が好きだ」






俺は川口の手を握った

どこの俺がその言葉を発したのか分からなかったが、

どこの俺も不思議と後悔はしていなかった

「「!?」」

俺もびっくりしたが、俺よりも2人がびっくりした様子だった

「その女のどこがいいのよ」

日田はこんなことは想定していなかったのか顔がひきつっていた

俺は間髪入れずに答える

「頭はいいし、顔もいい、もちろんスタイルもだ、うどんばっか食っててこれだぞ。おまけに人懐こくて素直だ」

自分でもびっくりしたがスラスラ言えた

「!?ちょっ、」

川口が恥ずかしそうに下を向く

「ふーんけど、私だっ

「それと俺は今金欠だからさ、他当たってよ」

日田の言葉を今度は俺が遮った



緊張してあまり細かいことは覚えてないけど、あの後日田は帰ったのか、どうでもいいし知りたくもない

ふーっと一息ついていると川口が思いっきり抱きついてきた

はずみで俺たちは川に落ちた

どぼーん

冷たくて服がびしょ濡れだが、悪い気は全くしなかった

川口は俺にしがみついていたが手が離れてしまった

川口がモガモガ言いながらもがいている




「捕まれ」





俺はカナヅチではなかったので川口を抱き抱え芝に下ろした

びっしょびしょになりながら2人で笑いあった、青春か。

「私も」

川口がそんなこと言った気がした。青春だ。

「あははっ、私泳ぐの苦手なんだぁ」

「ふーん、そうなんだ」

不思議なことに川に落ちたおかげか気まづくなるなんてことは無かった

空は雲ひとつない晴天だった





こんな話あるわけないだろなぁ










俺と川口以外は

おわり


あとがき

改行しすぎてすいません。改行中毒ですね。思いつきで書いたので自分でもよくわからん出来になりました



文中に書いちまったわ

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[良い点] 文章に引っかかるところがなく読みやすい [気になる点] あまりにも2人が青春し過ぎてちょっと嫉妬する [一言] 面白かったです
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