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俺と可愛い大賢者  作者: Lain
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旅とはじまり

当たり前ですがなかなか面白く書くのは難しいです。

「リリア様!!」


俺は馬車が通りすぎるあたりで声を上げる。


「何じゃ突然大声を上げおって」


リリア様は顔をしかめつつこちらを見た。


「あの馬車を停めて下さい!!」


「突然何を・・・」


リリア様が俺の顔を見て真面目な顔になった。


「お願いします早く!!」


「・・・」


リリア様はさっき通りすぎた馬車を見て目を瞑った。


もうかなり離れてしまっていてとても追い付ける距離ではない。

しかしリリア様の魔法なら停められると思った。


もう一度お願いしようと声を上げかけた瞬間、リリア様の姿が消えた。


「えっ?」


はっ、として馬車の方を振り返った。





視点【リリア】



馬車の前方少し離れは所に転移した。


トーヤの必死な表情を見てこの馬車に何があるのか少しだけ気になったからだ。


さっき馬車を見たあ奴から、出会った当初から感じていた魔法に似た波動が強くなったのを感じたのも要因の1つだ。


「そこの御者よ馬車を停めよ!!」


声を上げた事でこちらの存在に気づいたのか御者が顔を上げた。


「嬢ちゃん退きな!!馬車の前に立つなんて危ねぇぞ!!」


勿論退くつもりなど無いので動かない。


「ちっ」


こちらが退かないのが分かると、面倒くさいとばかりに馬を引き馬車を停めた。


「嬢ちゃんこっちは遊びに付き合ってる程暇じゃないんだ早く退いてくれ」


「それには同意じゃな、儂も遊びに付き合う程暇ではない」


儂は馬車の後ろから走って来たトーヤに目を向けた。


「はぁ・・はぁ」


トーヤはこちらを見ると先程と同じ眼で言いはなった。


「こいつは人拐いの奴隷商人だ!!」





視点【統夜】



「こいつは人拐いの奴隷商人だ!!」


停まった馬車に追い付いた俺は、リリア様に向かって言いはなった。


「何を言ってやがんだこのガキは」


焦った様子も見せずに言いはなつ御者改め奴隷商人の男。


だが俺にはさっきからひっきりなしに声が聞こえてきていた。


『助けて!!』

『お願い気付いて!!』

『縛られて動けない!!』

『どうにかして表に伝えなきゃ!!』

『助けてよぉ!!』


「大丈夫だ必ず助けるから!!」


俺は荷台に向かって叫んだ。


すると何を勘違いしたのか男が声を荒げた。


「てめぇあの村の奴等か!!どういう事だ早すぎる!!」


男が隠していた剣を振りかぶり襲い掛かってきた。

だが男が多分攻撃する事が分かっていた俺は難なくそれを避ける。


「なっ!?」


すると前からリリア様の声が聞こえたと同時に警報が鳴る。


「イルファウナ」


見る余裕も無く咄嗟に横に転がる。


「うぐぁ!?」


風に吹き飛ばされた男が呻き声を上げながら転がり気を失う。


「ちょっと!!危ないじゃないですか!?」


巻き込まれそうになった俺は抗議の声を上げる。


「避けておったから大丈夫じゃろ?」


それは結果論だろ?と、思いつつも荷台の人達が気になるので後にする。


荷台を覗くと案の定、口と手足を縛られた女性達が五人程転がされていた。


順番に拘束を解きつつ異常はないか確かめる。


「ありがとうございます!!」


「いえ、気付けて良かったです」


俺は女の人達を解放するのに夢中で、こちらの背中を納得いかなそうに見つめるリリア様の視線には気付かなかった。





「さて、聞かせて貰えるのじゃろうな?」


女性達を馬車で元いた街に送り届け、男の処遇は村の男に任せ、お礼をしたいという人達に丁重に断りをいれた後、リリア様の目的地を目指し再び街道を歩いていた。


「な、何の事でしょうか?」


とりあえずとぼけてみる。


「・・・・」


無言で杖を向けるリリア様。


「すんませんしたーー!!」


土下座再びである。


俺は幼い頃から心が読める事、危険を予知する力がある事を話した。


まあこんな世界だから大丈夫なんだろうけど、これを両親や先生に語って病院に連れていかれたのは一度や二度では無いので、隠すのが癖になっていたりした。


「成る程、出会った時から少し感じられた力の波動はそれらが原因じゃったか」


どうやら納得して頂けたらしい。


「今も儂の心が読めておるのか?」


「意識を向けた方向にしか読めませんし、そもそもリリア様は何故か出会った時から読めませんでした」


未だに読めません。


読めないとここまで不安になるとは思わなかった。


力がそんなに好きじゃなくても、知らず知らず頼って生きてた証拠なのか。


「お主の力は魔法に似ておる、魔法に抵抗のある者には利きにくいのかもしれん」


成る程そういう解釈も出来るのか。


「言葉が通じるのもその力の影響なら説明出来る部分もあるかもしれんのじゃ」


あ、普通に会話出来るからすっかり失念してたけど別の言語なのよねこの世界。


ラノベ的翻訳機能とかのご都合主義なものかと思ってましたよ。


「お主の力は常に発動しておるようじゃが止める事は出来ぬのか?」


「何度か心を読む力は止められないか試したんですけど駄目でした」


意識を向けると基本読めてしまう。


対象を絞る事は出来なくはないけど、より心の声がうるさくなるだけなので一度やってみたきりだった。


「ふむ・・・」


リリア様は一瞬考える素振りを見せると、頷きこう言った。


「どこかの大きな街に任せようかとも思ったが、事情を聞いた手前そういう訳にもいかなくったかの・・・」


「お主・・儂と一緒に旅をしてみる気はあるか」


何故かリリア様はニヤリと笑って言った。

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