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俺と可愛い大賢者  作者: Lain
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ザブ族の領域遊び【7】

間が開きましたがあまり多くありません(^_^;)

「・・・・・・・あれ?」


俺は今何してたんだっけ?

ぼーっとしていたのか若干前後の記憶が曖昧だ。

誰かと話をしていた様な気がしたんだけど・・・。


「ていうか何だこれ?」


普通にしてるだけなら何にも無いんだが、暗闇に眼を凝らす動作をすると、光る線の様な物が目の前に見えている。

微かにある記憶がこれを辿れと言っていた。


「もうこれ危険予知じゃ無いんじゃないか?」


危険予知が見える様になったと勝手に解釈するかな。

地図を見つつ光る目印を頼りに進む。

ワープし過ぎた為にもう引き返して元の道には戻れそうにない。


「何だあれ?」


今まで見える光の線はただ道の先に伸びているだけだった。

しかしその線とは別にこちらに向かって伸びてくる線があった。

何でこっちに伸びて来てるんだ?

不思議に思って見ていると急にこちらに向かって急加速してきた。

得体が知れない為反射的に避ける。

少し時間差があった後、ドッゴーン!!と地面が砕ける音が響く。

これってさっきの奴か!?

でもこれは確実にこっちが見えた上で攻撃してきたとしか思えなかった。

さっきの光の意味もこれでわかった。

つまり相手が攻撃する軌道が見えていたのだ。

しかも床を破壊する音がするまでに間があったって事は少し先の攻撃がわかっていた事になる。

で、これではっきりしたことが1つある。


「やっぱりこいつ俺がここにいるって分かって攻撃してきてるだろ!ずるい!!」


そう相手はこちらの位置が分かるのだ。

恐らく迷宮でどこにいるかも含めて。

じゃなければこれだけ短時間で俺に追い付けるのはおかしい。

尚も危険な光を放つ『鬼』から逃げる為全力で光の線を追う。

一心不乱に走り続けるが背後のプレッシャーは一向に消える気配が無い。

いい加減ゴールに着いてくれないと体力が限界に近い。

通常魔法が使えないんじゃ俺の戦闘力なんか皆無に等しいんだから反撃も出来ない。

心が折れかけていると目の前の光が途切れているのが見えた。

地図を見ると行き止まりにはなっていない。

つまり突然途切れていることになる。

でも光が見えているから予知が見えなくなった訳じゃ無い。

こんな道の途中でワープか?

後ろから尚も迫る『鬼』に、悩む暇は無いので光の途切れている所を通過する。

すると突如として白くて明るく広い空間に出た。


「っ!」


さっきまでまったくの何も見えない暗闇にいたせいで、光に目が慣れず痛みすら感じる程の眩しさだった。

ゆっくりと瞼で光を感じつつ眩しさに慣れていき目を開ける。

すると目の前にリリア様『らしき』人物が立っていた。

『らしき』と言ったのは姿が見えなかったものの、先程の鬼がファイリスさんの声で話し掛けてきた事が原因だった。

それにゲームが継続中なら既に捕まったとアナウンスされたリリア様がいるのはあり得ないからだ。


『此ヨリ鬼トノ鬼ゴッコバトルヲ始メマス。ルールハ鬼ニ触ワレバ挑戦者ノ勝チ。鬼ニ殺サレタラ挑戦者ノ負ケニナリマス』


「はぁ!?」


これまでのゲームをぶったぎって突然おかしなゲームが始まった。

鬼と呼んでいるからさっきまでのゲームの延長なのかもしれないけど、最早問答無用でこちらを潰す様に作られてるとしか思えない。

さっきのがゴールだった、もしくわゴール目前だったと仮定するならゴールしそうになった場合に発生するゲームって事になる。

このゲームをクリアさせる気が更々無いって言うことかもしれない。

どうすればいいんだこんなの!!


『いつまで呆けておるのじゃしっかりせい』


俺が頭を抱えつつゲームが始まるのを待っていた時にそれは聞こえた。


『先に捕まった儂が言うのも何じゃが、ここは魔法が使える空間じゃ。ならばやりようはある』


目の前にいる目を閉じた状態のリリア様らしき者がしゃべっている訳ではない。

頭の中に直接響いているのだ。


『リリア様!?じゃあ今目の前にいるのはやっぱり』


『ああ十中八九鬼じゃな。』


やはりだな。


『儂はまだ暗い空間に閉じ込められて魔法も使えない状況じゃ。だがお主とはパスを常に繋いでおる。先程までパスが切れた状態だったがお主が魔法が使える場所に辿り着いたお陰で念話だけは回復した。念話は魔法では無いからの』


『情けない気持ちも聞かれちゃったみたいですね。魔法が使える事にも気付かない程動転してたなんて恥ずかしい』


この数ヶ月も修行を怠らなかったので、最近は魔力の巡り何かもちゃんと感じられる程上達してたのに、集中を疎かにするのは駄目な魔法使いだってリリア様に怒られてしまう。


『ここまで良くやったのじゃ。こんな幻影の獣位なら儂がサポートすれば大丈夫じゃ』


その言葉だけで嬉しくて仕方がなくなる俺って単純なんだろうか・・・。


『はい!『アストラ』』


リリア様に返事をし、俺は鬼に向かって勢い良く駆け出すと同時に身体強化をかける。


『儂を模しておるからには全属性を使ってくるはずじゃが、せいぜいアル級までの筈じゃ。空間魔法も来ないなら後は実力のみ』


「・・・アルファウラ」


鬼が風の中級魔法を放ってくる。


「アルファウラ!」


それに対して同じ威力の魔法をひたすら撃って打ち消していく。

魔法がぶつかった衝撃の中を突っ切るのはなかなか勇気がいるが、リリア様との修行しごきに比べたら簡単過ぎると感じられるのは良いことなのかどうなのか・・・。


「アルルファウラ」


『不味い逃げるのじゃ!?』


「え?」


突然聞いた事の無い魔法が来たと思ったら物凄い速度と威力の風が巻き起こった。


「うわっ!」


対抗魔法を出す暇も無く軽く数メートルは吹き飛ばされる。


『何だ今の?』


『展開魔法じゃ』


『展開魔法?』


『お主の今の修行の三段階は上の魔法じゃ。下級魔法を複数同時に展開する魔法技術の事じゃ』


マジかよ・・・。

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