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俺と可愛い大賢者  作者: Lain
22/35

影と大魔法

皆さんよくあんなに長く書けるなぁ。

あ、更新間隔が長いからか(^_^;)

視点【???】


「やはり進路は同じか・・・」


リリアの探知魔法より更に先に四人を見る人影が合った。

姿は雨と暗がりで確認出来ない。

しかしその人物からはリリア達が良く見えていた。


「先の一件も奴から聞いてはいたが、あの時より嗅ぎ付けられたのが早すぎるな」


不愉快気な雰囲気で見ていたその人物は不意に手を前につきだした。


「やはりもう少し遠回りをしてもらわねばなるまい。殺せはしないだろうが邪魔がいれば足止めにはなるだろう」


魔力が目に見える程に立ち上り、一目で強力な魔法を行使しようとしているのだと分かる。


「『バギリオス・テラ』」






視点【統夜】


「!!」


リリア様が突然入口を振り返った。


「『イルファウラ』!!」


俺達三人を纏めて奥に吹き飛ばす。


「リリア様!?」


杖をその場に突き立てると魔力が迸る。


「『アナジリウグス』!!」


そうリリア様がそう叫んだ瞬間だった。

辺りが急激に揺れ始めた。

しかしこれだけ揺れてるにも限らず全く洞窟が崩れる様子が無い。


「なんだこれは!魔法か!?」


「凄い!全く崩れてない!」


「でも外が大変な事になってる!!」


外は地殻変動が起きた様な有り様だった。

森が完璧に消え去り、辺りは岩石地帯になっていた。


「くっ!お主等絶対にそこを動くでないぞ!!」


リリア様が杖に力を込めて握ると先程の倍はある揺れが来た。

動きたくてもとても動けない様な揺れの中で三人必死にお互いにしがみつき耐える。

リリア様はその場に立ち続け俺達を守る様に背を向けている。

そうしている間にも外の地形は変わり続け、入口が完全に塞がりる。

まるで入口が塞がるのを待っていたかの様に先程まであれほど激しく揺れていた魔法がおさまる。


「・・・・・・止まった?」


「みたいですね」


俺はまだ固まったままで呟いたファイリスに答えた。


「誰も怪我をせなんだか?」


揺れが完全におさまるまで黙っていたリリア様が俺達の方に向き直り声をかけてきた。


「はい」


「大丈夫です」


「私もです」


「そうか、流石に肝が冷えたのじゃ」


安心した様に力を抜くリリア様。

先程突き立てた杖を引き抜くと、洞窟が少しだが軋んだ音を出したが崩れる心配はなさそうだった。


「今のはなんだったんだ・・・?」


テインはリリア様に問い掛ける。

俺もそれは気になっていたので黙ってリリア様の言葉を待つ。


「恐らく今のは【テラ】の上級魔法じゃ。儂が使ったのは接触魔法の【アナ】系上級魔法で、洞窟周囲の岩を揺れで崩れない程の固体に変化させ、更に硬度を上げ続けていたのじゃ」


初めて見た上級魔法同士のぶつかり合いは凄まじいものだった。

【テラ】は地形が完全に変わっていたし、リリア様はそれを封殺しきっていた。


「魔法が発動した気配はしたんじゃが、もう相殺するには間に合わない状況じゃったので少し手荒な真似をしてしまった。すまんのじゃ」


「助けてもらってそんな謝らないで下さいよ」


俺がそう言うと二人も目を合わせて頷く。


「儂等が命を狙われたのは間違いない。儂が感知出来ない距離からこれほどの魔法を放つなどかなりの手練れじゃ。今かなり感知を広げておるが見付からない所をみるともう近くにはおらんじゃろうな」


「・・・・もしかして例の魔人に関係した話ですかね?」


「魔人と決まった訳では無いが十中八九獣人村での出来事かこやつ等が語った事件に関係ある者の仕業じゃろうな。儂等かお主等がつけられておったのじゃ。関わられては困る何者がいるのか、はたまた命を最初から狙っていたのかは分からんがな」


「あの〜」


おずおずと言った感じで手を上げたのはファイリスだ。


「お話し中すいません。入口塞がってるんですけどどうやってでるんですか?」


あ、そういえば凄い光景過ぎて忘れてた。


「迂闊に触ると崩れる危険があるのでその入口はもう駄目じゃ。転移しようにも外がどうなってるか検討もつかんから無理じゃ。幸いこの洞窟内部は全て守りきれた。奥に出口か広い空間を探して魔法で出るしかないのじゃ」


「しばらく外には行けそうもありませんね」


「足止めが目的だったのじゃろうな。心配せんでもいざとなったら何とか出来んでもない。とりあえずは普通に出る事を考えるのじゃ」


そう言うとリリア様は先頭で奥へ歩き始めた。

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