獣人村騒動【6】
「俺の読心魔法はいないんじゃ探せませんよ?」
「本当にいなければの話じゃ」
「え?」
「遮断魔法は自分や干渉してる物の事を物質的、魔力的に認識を遮断するのじゃが実際に存在していない訳ではないのじゃ」
「リリア様は探知魔法とか出来るんじゃないですか?」
「確かに使えるが遮断魔法が使われていては魔力的な探知には引っ掛からないのじゃよ」
じゃあ読心も駄目じゃないのかな?
「じゃが心まで遮断しておるかは分からんじゃろ?儂は生まれてから今まで読心魔法なぞ聞いた事はなかった。お主は相手に干渉しているようでそうではなく、人から漏れ出る心を拾っている様に感じるのじゃ」
「漏れ出る心を拾う・・・」
そんな風に考えた事は一度もなかったが、何故かその言い回しがしっくりきた。
「まあ駄目で元々じゃと思ってやってみよ」
「ちょっと待てよこんな奴に何が出来るっていうだよ」
話が纏まりそう、っという時にマナが口を挟んできた。
「こら失礼な事を言うんじゃないと言っただろうが」
これまで黙って聞いていたギルクもマナを止めるために声を上げる。
「この人が凄い人らしいのは分かりましたよ。でもこんなガキに何が出来るんですか?私にあっさり捕まってここまで連れてこられた間抜けですよ?」
「そのガキにさっき身動き取れなくされたのは誰だよ?」
流石にここまで言われては黙っていられない。
「なんだって!!」
「やめんか馬鹿者」
「やめなさいマナ」
両方両者からたしなめられる。
「マナとやらはトーヤが気に入らんのじゃな?」
「正直言えばそうです」
正直に言い過ぎてやしないかいお前は。
いい加減キレていいよね俺。
「ふむ、ならお主がトーヤを見張りながら見付けられるか試してみるというのはどうじゃ。どうせ今のところ手詰まりなのにかわりはないのじゃろ?試しても無駄ではないと思うがどうじゃ?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・分かりました」
嫌そうだなおい。
「トーヤも『ケンカ』せずにやるんじゃぞ?」
そんなに強調しなくても分かってますよリリア様。
「儂等は儂等で探す。お主等はいなくなったと思われる現場からたどってみるのじゃ」
「「分かりました」」
声が被るとマナはまた嫌そうな顔をして顔を背けた。
こんなんで大丈夫かよ本当に。
先行きが不安過ぎる捜索の始まりだった。




