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みなさんお久しぶりです!!
また投稿を再開しようと思うので、これからもよろしくお願いします!!
それでは〜!
私、朝比奈刹那にとって、神宮寺春翔とは、本当の意味で、家族のような存在だった。
「おい、お前ら何してんだよ!!あっち行けよっ!このーっ!!!」
「げ、やばい、あいつ神宮寺春翔だ!あいつには喧嘩売っちゃいけないってお母さんに言われてるんだ、みんな逃げろーっ!!!!」
「まったく、あいつら......君、大丈夫?怪我とか、してない?」
「......別に、あなたには、関係ない」
今思えば、大好きな春翔になんであんな態度を取ってしまったのか、一生の不覚である。
当時の私は、人との距離の取り方がわからなかった。
いや、わからなかったというより、他人が怖かったのだと思う。
私は、小さい頃から、周りの人と比べても、非常に頭が良かった。
そんな私にとって、周りの同級生はみんな馬鹿に見えたし、そんな人たちには、そもそも興味がなかった。
お父さんやお母さんは小さい頃から私を置いてどこかへ行ってしまっていたし、その事を問題視してくれる人も居なかった。
それがいけなかったのだろうか。
背が小さいくせに、生意気で感じが悪い。
同級生からみれば鼻に付く、先生からしても扱いづらい子供。
そもそも、人というものは自分たちと異質なものには不快感を覚える生き物だ。
小学五年生にもなればみんな、そのような人間らしい習性というものが色濃く表れるようになってくるもので……
私のような、社会不適合者は、いじめの格好の標的だったのである。
その上さらに酷いことに、表向きは優等生の、クラスの中でもリーダーのような立ち位置の男の子に嫌われてしまったのだから、もう、どうしようもないことだった。
たとえクラスの担任に言ったとしても、クラスの輪を乱す問題児の私のいうことなど、信じてはもらえないだろう。
でも、特に辛いとも苦しいとも、何も思わなかった。
諦めてたから。
いくら頭が良くても、体格のいい男の子には勝てない。
いくら頭が良くても、数の暴力には勝てない。
そして、いくら頭が良くても、権力には勝てない。
私はその歳で、既にそんな、まるで達観したかのような結論にたどり着いていた。
だけど……
「ねえねえ、もしかして、なんだけどさ。君も友達いないんでしょ?」
「……別に」
最初は本当に失礼な奴だと思った。
「いやー、僕も、困っててさーっ。さっきの反応見たらわかるでしょ?友達が全然できないんだよねー」
私とあなたとは違う。あなたは、実家がお金持ちだから、地元の権力者だから。
だから、恐れられてるだけ。私が嫌われている理由とは......全然違う。
それに、私はこの人が女の子達と仲良くしてるのを見たことがある。
私みたいに、本当に友達がいない訳じゃない。
「……知らない」
「だよねーっ。じゃあさ!僕と友達になってよ!」
友達なんて、興味ない。それに、私と友達になったって......
「......嫌だ。私と友達になっても、君に迷惑がかかるだけ」
「そっか?そうなのかなー?それじゃあ、残念。それにしてもさっきのあいつら。本当にひどいよなー寄ってたかって、しかもか弱い女の子をみんなでいじめてさ!!あーいう奴ら、俺本当に嫌いなんだよなーっ」
ああ、うるさいな。関わらないで欲しいのがわからないのかな。
それにあなたなんて、私の嫌いな権力に守られているだけ。私は他人に興味なんてないんだ。早くあっちに行って欲しい。
でも、か弱い女の子なんて、初めて言われた......って、私は何を考えてるんだ!
無視無視。こんな奴に興味ないし、いつも通り無視してれば......
「……そう」
「でも、大丈夫だよ!僕がいるからには、さっきみたいな奴らの好き勝手にはさせないからっ!......それで、ここからが本題なんだけどさ!」
本当に馬鹿な奴で、イライラする。
なんで私はこんな奴の言葉をさっきからこんなにしっかり聞いてるんだろう。
こいつのことだって、本当は相手にする必要なんか……
「............うん」
「そっか!!それ......じゃあさ、えっと、その......僕と、家族になってくれない?いや、ていうか、もう家族で決定!」
......まって、それはどういうこと?え?え?
か、家族ってことは......お嫁さんになれって事?
「…………えっと」
「あ、えっとね!僕の名前は神宮寺春翔!!これからよろしくね。それで、君の名前は?」
………この人は、何を言ってるの?
「わた......しは......朝比奈、刹那」
「うんうん!!そっかー!じゃあー、長いからせっちゃんって呼ぶね!これからよろしく!せっちゃん!」
待って。全然話が通じない。
「俺のことは、みんな春翔って呼ぶから、好きに呼んでくれればいいからさ!」
「あ、あの......それより、家族になれって?どういう、意味?」
そうだ、僕の家族になれって一体全体どういう......
「ん?だって、友達だったら僕に迷惑がかかったりするのが嫌なんでしょ?だったら『家族』になればいいんだよ!」
どうしよう、全然わからない。
「お母さん言ってたんだ!迷惑を掛けられても、それを嫌だと思わない人と家族になりなさいって!迷惑を掛けられても掛けても、ごめんで済む関係が理想だって!だったら、せっちゃんと家族になれば、迷惑を掛けあっても、問題ないでしょ!?」
「ふふふ.......ふふふふふ。君、ちょっと、頭いいけど、馬鹿なんだね。」
「ちょ、ちょっと!?なんで!?僕おかしい事言った!?え?え!??」
ああ、そうか。優しくされると、嬉しいんだな。
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それから、春翔は私にたくさんの思い出をくれた。
私に、たくさんの幸せをくれた。
私に、家族の暖かさを教えてくれた。
「だから......っ!!わだし.......はっ......」
バチイッ!!
「っ!!!スタンガン!?......まだ、生きていたのか。でも、残念。......今度こそ、さようなら」




