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幕間 その2

今回も、幕間は本編より過去の話です!!


ブックマーク、評価をつけてくださった皆さんありがとうございます!!


これからも、黄昏の半鐘を、ぜひよろしくお願いします。



「えへへ〜」



 今日は、ほのかがどうしても!と言うので2人で近くのショッピングセンターに買い物に行くことになった。

 やっと入り口についたのだが......家からずっとほのかはこんな調子である。


「なあ、ほのか、大丈夫か?なんか、変だぞ?」


 なんか、ちょっとよだれたれてるし!??



 俺がじっとりとした目で見ていると、ほのかはハッとした様な顔で謝って来る。



「ご、ごめんなさい、はるくん。最近2人っきりで出かけるっていうの珍しかったから......嬉しくて」


「そ、そうだね」


 普段の見慣れた制服姿とは違い、ほのかも今日は私服を着ている。フリルのついたワンピースにカーディガンと控えめな格好だが、スタイルが良いので良く映える。


 いつもと様子が違うし。なんか、今日のほのか調子狂うな.......



ーーーーーーーーーー



「なに、あれ。ラブコメちっくな雰囲気を感じて、来て見たけど。あれ、デートだよね」


 私、朝比奈刹那は、幼馴染の鈴木のほのかが、愛しの幼馴染、神宮寺春翔の後をつけている。


 いたのだが......



「まあまあ。デートではありませんよ。ただの『買い物』ですわ」


 ニコニコ



「そーだよ、せっちゃん。ボクも風莉さんと同じく、ただの『買い物』だと思うなっ!」


 ニコニコ


 なぜか、同じく幼馴染の祁答院風莉と来栖杏梨も隣にいた。


 2人とも顔は笑っているが、目は笑っていない。それにしてもこの2人、どうやって今の状況を察知して来たんだろうか。


 まあ、私のラブコメちっくな雰囲気を感じた、なんていうのももちろん建前なのだが......




 取りあえず、抜け駆けは許されない。どうにかして2人の『買い物』を邪魔しなくては......



「みんな、聞いて。今日だけはーー」


「ええ、わかってますわ」


「うんっ、協力、だよねっ!」



 今日だけは一時休戦、この事態をどうにかするとしよう。




ーーーーーーーーーー



「で、どこを回るつもりなんだ?」



 俺がそう聞くと、ほのかは不思議そうな顔をして首をかしげる。



「そ、そうですね、はるくんとデートってだけで嬉しすぎて、何も考えてませんでした......パンフレットは取って来たのでちょっとそこの喫茶店はいりませんか?」



「そ、そうなのか、そうだね、入ろっか」



 なんだか今日は調子が狂うな。いつもはここで、刹那先輩か杏梨あたりがツッコミを入れて、喧嘩になった3人を俺と風莉さんでなだめる。という構図が出来上がってるんだけど......


 3人がいないと、ほのかにストレートに好意向けられることになるので、なんだか照れるぞ。


 ご飯を作ってくれたり、それを食べたりしている時は気にしないんだけどな。うーん。



「あ、はるくん!見てください!これとか美味しそうだよ!!こっちも迷うなーどうしようかなー。はるくんはどうする?」


「あぁ、じゃあ、俺はこっちにするからシェアするか?」


「ほんとっ!?? それじゃあこれとこれにしますね!!」



 ほのかがテキパキと注文をしていると店員さんがニヤニヤしながらこちらを見てくる。


「優しそうな彼氏さんですね?」


「いや、俺たちはそういうのじゃーー」



「分かりますかっ!??そうなんですよ!?」


 おいこら、ちょっと店員さん引いてるぞおい。



「今の店員さん良い人でしたねー!!」


 全く......それにしても、なんかさっきから寒気がするな、それになんか外が騒がしいな......




ーーーーーーーーーー


 

バキバキバキバキッ!!


「なに、あれ。いくら何でも、くっつきすぎ」


「ほのちゃんちょっと調子乗りすぎだよね、ボクおかしいと思うな、なんなのかな、あれ」


「あらあら。刹那さん。枝を折ってはいけませんよ。ふふふ。あははっ」



 おっと、どうやら街路樹の枝を折ってしまったらしい。バレては困るから気を付けないと。うん。ほのか、後で覚えておくと良い。



「ねえねえー君たちー何やってんのー?可愛いね〜!!良かったら〜、俺たちと遊ばなーー」



ボキッ



「う、うぎゃぁぁぁあ!! ゆ、指、指がぁぁぁぁ!」


「うふふ。いけませんわ、今度は私が指を折ってしまいましたわっ」



 まあ、風莉のはしょうがない。私達は今春翔の後をつけているのだ。変なのにやってこられては困る。



「て、てめぇ!! ちょっと声かけただけだろうが!舐めんなーー」


ガブッ!!


バチィッ!!



「がっ!!うがぁあぁぁっ!!や、やめ、たすけーー」


 なんだ、私がスタンガンを使う前に、杏梨が近くに居た犬に指令を出して後から出てきた男に噛みつかせてしまったらしい。


「ボクら今忙しいからさ、早くどっかいってくんない??」



「ひ、ひぃぃぃぃ!!」


 男たちは逃げていった様だ。全く、良い加減にしてほしい。あんまり目立ってしまうと春翔達にバレてーー



「刹那先輩?それに、杏梨と風莉さんも?こんなところで何してるんですか?」




ーーーーーーーーーー



「なんで結局こうなっちゃったのかなーっ!!!!」


 刹那先輩達と別れた後の帰り道、ほのかはプンプンと怒っている。結局、刹那先輩達と会った後はなんだかんだいつもの様にみんなで遊ぶことになったからな。


 俺は楽しかったけど、ほのか的には納得が行かないらしい。



「まあまあ、今日は悪かったな。また今度さ、2人でどっか行こうぜ?」


 俺がそう言うと、さっきまでの仏頂面はどこへ行ってしまったのか。夕日をバックに飛び跳ねながら、目をキラキラと輝かせて嬉しそうにしている。




「はるくんっ! 今度こそ!楽しみにしてるからねっ!!!」


 


 

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