終演
「クックックックッ、待っていたぞ、ようやく、ようやくだ!
こんな惑星なんかに連れて来やがって、
俺を、この俺様を!
あとは、あのシャトルに乗るだけだ。
その前に――」
シートベルトを外し、操縦席から立ち上がるモノクル。
「お前だ。
いつも、いつも、いつも、いつも、人を虫けらみたいに見やがって。
何様だぁ~」
Gのコックピットハッチが開く。
四つん這いの格好になりコックピット搭乗口が下を向く。
「カッカッカッカ!
お前の手口はわかってんだよ。
タイガーもこうやって殺したんだろ?
同じ手は二度も通用しないんだよ」
よじ上ってくる獣。
「あぁ~、調理器具がねぇ。
オマエを料理する調理器具がぁ
仕方ないなあ、素手でやるか
待ってな――、今から――、生け作り作ってやるからな~」
スノーのパイロットスーツに手をかける獣。
ファスナーがゆっくり下げられる。
手足を連結ユニットで固定されている彼女は身動きできない。
いや、身動きしていない。
じっと彼の行為を眺めている。
以前のように無関心というわけではない。しっかりとそこに獣がいると理解している。
期待している。
今から獣が何をするのか。
彼女の欲求を満たしてくれるのか。
表情はかわらないが、目が潤んでいる。
ファスナーが腰の位置まで下がった。これ以上は下がらない。
裂け目に手を入れ左右に開く。
白いインナーが眩しい。
獣が獲物を前に口を開き、よだれを垂らしている。
生臭い息、だらしなく垂れた舌。
「ハァ~、ハァ~、ハァ~」
インナーのヘソのあたりを掴み、ゆっくりとたくし上げていく。
引き締まった腹があらわになる。
若々しく、無傷で、張りのある肌。
もう少し上げれば双丘がみえるという、その時。
獣が尻尾を捕まれ、引きずり出されるように、そこからいなくなる。
コックピットから落とされたゴミは地面で数度バウンドし痙攣していたが、すぐに動かなくなった。
彼女が地面に目線をむけると、そこにはタバコを持つかのように自然に銃を構えるリーマンがいた。
その先端からは吐き出された煙が空気を汚していた。
明らかに不満げな表情をするスノー。
まるで玩具を取り上げられた子供のように。
睨む彼女、見返す彼。
シャトル発着場に2発目の銃声が鳴り、戦いの終わりを告げたのだった。




