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ヒトコイ  作者: An@An
7/9

華川凪でっす!

「静夜ー!」

はっと現実に戻される。

向こうから誰かが走ってくる。

徐々に見えてくるその姿は、人の形をしていたが少し違った。

腰まである長い茶色の髪をゆったりと束ねており、白い袴を着ていた。

後ろには茶色の細長い尻尾が生えていた。

というか、走るのが早い…。

200メートルほど先にいたのに、数秒であと、20メートルぐらいだ。

「ひっさしぶりだな!静夜!何してたんだ?てか、この子誰だ?人間か?人間だぁー!連れてきちゃいけねんだよ!?知らねーのか?なあ!なぁ!シカトすんなよぉ〜!」

弾丸トークを繰り出している。

それを静夜は見事にスルーしている。

「あの、静夜。この人、誰?」

耐えられなくて質問する。

「かせ「華川凪でっす!よろしく!」

静夜ではなく、凪が答える。

「ちなみに、俺は異獣な!だから、あしがはえぇんだよ!!すげーだろ!」

い、異獣?

異獣ってあれだよね?妖怪の、旅人に食べ物たかる、足が早い猿みたいな妖怪…。

え?

「妖怪?!」

ええぇ!まって?!

「あれ?静夜、説明してないの?じゃあ、聖夜のことも知らねーのか。説明したるわ!ここは人間じゃないやつが住む場所!つまり、異世界よな!んで、俺は異獣。静夜は、猫神。そんまんまな。猫の神様!」

凪がぐっと親指を立ててウインクする。

いや、ぐーじゃねーよ。

「はぁぁぁぁぁあ?!」

「まぁ、とりあえずあの中入ろうよ」

私が叫んだのをスルーして、静夜はあの大きな建物を指差す。

「スルー⁈説明してよ…」

「頑張って」

何を⁈


頭がぐるぐるになりながら、建物の中に入る。

重厚な扉は結構簡単に開いた。

「静夜だぁぁ!に、人間⁈」

「あら、おかえり。大きなお荷物もついてるのね」

いっぱい、妖怪がいた…。アニメなどでよく見る妖怪からなにこれ?というものまで様々だった。

「に、人間…食べても…」

大きな蟹のハサミを持った妖怪がゆっくり近づいてくる。

「ひっ」

「食べちゃダメ」

静夜が自分の背中に私を隠して、その妖怪にいう。

「手を出したらタダじゃ済まない」

その妖怪はビクッとして逃げていった。

「ごめんね、あれは化け蟹って言って、人を襲うことがある妖怪なんだ。普段はいいやつだ。許してくれ」

「う、うん」

階段を登るように言われて登ろうとすると視線を感じた。振り返ると、さっきの化け蟹さんが私をガン見していた。

さっさと登ろう…。

登ってすぐ左の部屋に案内された。

「ここで、少し休んでて。いろいろあって頭パンクしそうでしょ?」

静夜がそういうのでお言葉に甘えさせてもらうことにした。

本当に、パンクしそう…。


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