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詩集

時の乙女

作者: 立春

時の乙女


時計の中で乙女は眠る

永遠に朽ちない花を抱いて

時間の外へと逃れるように


時計の中で乙女は眠る

止まった時間の中で

目を閉じたまま頬を染める


時計の中で乙女は眠る

いつとし帰るとも知らぬ人

変わらない心を守るように


時計の中で乙女は眠る

誰も居ない場所で

空気のような詩を詠う


時計の中で乙女は眠る

灰色の大地の側で

壊れていく世界を見ずに


時計の中で乙女は眠る

どんな悪夢もない中で

青灰色の水に静かに落ちる


時計の中で乙女は眠る

誰も知らない氷の中で

いつか眠りを覚ますように


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― 新着の感想 ―
[一言] 時計の中で乙女は眠る 永遠に朽ちない花を抱いて 時間の外へと逃れるように  第一連ですでに心を揺さぶられてしまいました。  極めて絵になる表現ですね。  読者に強くイメージさせる、素晴らし…
2013/04/30 01:23 退会済み
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