表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
72/113

選択

取り敢えず、合間を見つけての投稿です。

忙しくて忙しくて、書く暇も無ければ、先でパソコンを開く所も無いという…

と、言う事で、今回は久々に作品投稿当初と同じ位の長さでお送りします。

ちなみに、翌日投稿は御座いません。


さて、制止を振り切って城壁から飛び降りて来たわけなのだが?


それを狙っていたかの様に…いや、狙っていたんだろうけどね。

草原の中程まで来た瞬間に、一斉に敵陣から中級または上級魔法が飛んできた。

それはもう、空を埋め尽くす勢いでだ。


「……うはぁ…」


キラキラ様々な色で輝いている魔法の軌跡は、色々な意味では凄い綺麗。

威力さえ考えなければの話だけどね…


どうやら、相手は魔法使いに補助魔法をバンバン掛けたようだ。


いまだに敵さんは魔法を撃ち続けている。


仰角を付けて撃たれた魔法は、重量に引かれて弓なりに落下してきた。

それも私に向かってではなく、草原の中程全域が対象のようだ。

成る程ね、当たらなければ面で叩けと…考えたなぁ。

まぁ、その分拡散しちゃうから威力はガタガタだろうけどね。

うーん、もしこれが一般の軍隊だったら確かに効果大だよね。

最初の一撃で軍隊としての機能喪失、もう一撃で残党消滅かな?

おっかないおっかない…


だけども、この程度の魔法攻撃で、わざわざ結界張ってスピードを落とすのもバカみたいだし、ここはこの手で行こうかなぁ。


素早く【漆黒のタワーシールド】を召喚して、左手で頭上に掲げながらひたすら走る。

まるで、映画とかアニメの砲弾とかが落下してくる効果音みたいのが聞こえて来て、土砂降りのスコールみたく攻撃魔法が落ちてきた。

周辺の土が耕され、掲げたタワーシールドに連続して軽くはない衝撃と重みが掛かる。


魔法攻撃で耕された草原は、極端に凸凹しており、非常に走り難い。

今にも足を取られて転けそうだ。


まぁ、転けたら痛そうだから、細心の注意を払っているけどねぇ。


「ウホォォォォ!!」


いまだに【浄化の炎】と謎の光が拮抗しているのだが、向こう側からチカッと何かが光った気がしたので、反射的に横に飛ぶと極太の光が通過して、地面に突き刺さった。

同時に砂利が盛大に巻き上がった。


あ、あぶねぇ!?

直撃していたら、私でも大ダメージを貰う所だった…

やっぱり、相手も私みたくまだ余裕があるみたいだぉ…


ちょうど良い感じに耕されて、平地になっている地帯があったので、そこで止まって【浄化の炎】を止める。

【浄化の炎】の照射が止まった瞬間に、勢いが優勢になった謎の光が、【浄化の炎】の魔法陣に直撃して貫いた。

魔方陣に亀裂が入り始めて、轟音と共に砕け散った。

謎の光は、それでも止まらずにゆっくりと傾いて、私に向かって倒れて来た。


両足を地面に突き刺し、【漆黒のタワーシールド】を前に突き出す形に構え、職業をパラディンに変える。


謎の光がゆっくりと降りてきて、遂にタワーシールドとぶつかる。

凄まじい閃光と共に、ゲーム内でも今までに受けた事の無い重圧がタワーシールドを襲う。

タワーシールドの闇が謎の光を拡散させて、幾数の光線が明後日の方向に飛ばされた。

その一本が六芒郭の第四防塁に直撃し、爆発した。


「ヤベッ!」


少しタワーシールドの向きを変えて、光線の流れる方向を変える。


自分で防いだ攻撃で、味方を攻撃しちゃあ意味が無い。


地面を踏み締めているにも関わらず、ザリザリと後ろに後退していく。


「なんちゅう圧力…だけどまだまだぁ!!大魔王様プァワァーを嘗めてもらっちゃ困るのよな!!喪女嘗めんなよ、どりゃぁぁぁ!!」


後ろに体勢を崩されていたが、元に戻して逆に押していく。


ズンッ、ズンッ


と、一歩前に出る毎に小さなクレーターを作る。

そして元の位置まで戻ったら、【漆黒のタワーシールド】を展開させて、スパイクを地面に撃ち込む。

大分楽になった。


「ふぅ。スタミナを回復しなくちゃ…」


アイテムボックスから、試験管に入った白っぽい液体の薬を取り出す。

コルク栓を取って中身を燕下する。

粘ついた液体が、ドロドロと喉元を通り過ぎる。

胃袋に収まったかな?と思ったくらいで、急速に疲れが取れ、力が戻ってきた。

色と粘性だけ見たら、中々イケナイ妄想をしてしまいそうなこの薬品、何を隠そうスタミナ回復薬なのだ!

こんな訳の分からないイヤらしい液体を女性プレイヤーに飲ませるなんて、運営良くやった!!とか思ってた時期もありました。

でも、コイツをリーラちゃんとかフェルちゃんとか青騎士が、恥じらいながら両手で試験管を持って、飲んでる所を想像すると…うふぇっうふぇっうふぇっ…久々に濡れて来たぉぉぉ!!

口の端から垂れてると、尚グッド。

フヒヒヒ、ブヒブヒブヒィィヒヒヒ!!


「……ぬ」


急に謎の光が止んだ。

せっかく妄想に励んでいたのに、もう少し照射してろよ。


「ようやくお出ましですか」


敵陣が割れて、私と同じ様にローブを着込んだ人物が、高速でこちらに接近してきた。

私と違って、ソイツは鎧では無く魔導師チックな服を着ていた。

顔はフードを目深に被っているせいで、まったく見えない。

だが、口許だけは見えた。

ギュッと横一文字に口を閉じていたので、苦い顔をしているに違いない。

そう、私の経験が言っておられる。


「遅かったねぇ。待ちくたびれたぉ」

「…お前かっ!私の師匠を拐ったのは!!」


ローブの裾から覗いている手が、しっかりと握られている。


でも師匠ねぇ、魔法使いっぽい捕虜なんていたっけか?


「人違いです」

「嘘だ!!」

「なんで嘘だって分かるのさ」

「お前に決まってる!!」


声は結構幼い。もしかしたら、私より年下かもしれない。

背もちっちゃいし。


「え?アレですか、アナタこじ着け屋さんですか。理由も無しに人を加害者扱いする人ですか」

「ち、違う!証拠ならある!」

「言ってみんさい」


そう言うと、ビクッてして、しどろもどろし始めた。

まぁ、誘拐作戦を考えて、指揮実行したのは私なんだけどね、直接拐った訳じゃないから、嘘ついてはいないよ。


「そ、そうだ!昨日の夜、エーリカ様に終われているお前と青いヤツを見たぞ!!」

「エーリカ様って誰」

「フンメル諸王様の姫君様で、何時も黄緑色の甲冑を着ておられるお方だ!!」


あぁ、なんだ。姪っ子の事ね。

エーリカって名前だったんだ。


「逃げていたのを見て、なんで私が拐ったってなるん?おかしくない?その時にアナタのお師匠さんを担いでたん?」

「そ、それは…」

「やっぱりこじ着け屋さんじゃん」

「ち、違う!!」

「いいや、違く無いね」


フフフ、フが三つだぜ。

コイツ丸め込まし易い!

某大型掲示板で、勝利の無い無益な戦争を繰り広げていた、私からしてみれば、まともな屁理屈が使えないヤツなぞ、へっぽこぴーのぺっぱかぷーだ。


「そんで?こじ着け屋さんは、なんで戦争なんかに参加を?」

「それは、大陸に仇為す下劣で野蛮な民族を討伐し、この地を浄化するためだ!」


うわぁー、何この危険思想。

私からしてみれば、諸王国連合の方が野蛮極まりないのですけど…

なんか、某C国の反日教育を受けた人を見ているみたいだ…

それか、エルサレム侵攻時の十字軍とか当時の某巨大宗教団体的な…

コイツら、平気で魔女狩り的な事をやりそう。


王都が侵略されたら、虐殺が始まる事間違い無しだなぁ。

戦争の動機が不純過ぎるぉ。

宗教っておっかないねぇ…雄輔が染まって無ければ良いけど。


「どうやら、その様子じゃお前が噂の黒い死神みたいだな」

「黒い…死神ぃ?」

「そうだ!我々の信徒を次々と殺したみたいじゃないか!」

「…ぃ……な…」

「何?何を言ってるか聴こえない!」

「黒い死神じゃなあぁぁぁぁぁぁぁぁい!!私は闇の大魔王様だっ!!」

「うわっ!?」


なんてこったい、あんだけ大魔王様だって言いながら滅多切りにしてたのに、なんで違う名前が!?


「私は、大魔王なんだぁぁぁっ!!断じて、死神なんかじゃない!!そんな低俗なもんじゃ無いぞ!!」


ビムサ先生を召喚して、出力最大でアホ助を斬り着ける。

アホ助が咄嗟に展開した結界と衝突して、防がれた。

濃い黄緑色のブレードが、結界をガリガリと削る。


完全にお姉さんは頭に来ました。

プッツーンって言いましたよ。


「死ねや!!ボケ!!」


辺りに、私の身体から盛大に漏れ出した魔力が、渦を巻く。


「くっ、なんて馬鹿力…!」

「まだまだぁ!!」


更に体重と、ステータス任せの腕力で結界を削る。

柄から吹き上がるビームが、眩い閃光を放ち続ける。


「「うをぉぉぉぉぉぉぉ!!!!」」


お互いに叫びながら、必死の攻防を続ける。


ビムサ先生が、結界を打ち壊した瞬間に、相手は真後ろに飛び遣り過ごした。

直ぐに横に薙いだが、ローブを掠めて焦がしただけで終わってしまった。


「何処から剣を!?」

「余所見してる暇あんのかぁぁ!?」


ビムサ先生を振り回して、相手を追い掛ける。

逃げ足だけは達者で、ギリギリのラインで避けては魔法を放ってくる。

もちろん、その魔法も威力大なヤツばっかりだけどね。


「当たれば楽になれるぉ!!」

「それは死ぬって意味だ!!」


かすった地面をガラス化させながら、追い掛け回す。


「お前魔法使いのクセに、接近戦が出来ないのか!!」

「出来るか!!」


壮絶な鬼ごっこの末、相手が自分の足に躓いて転けた。


「グヒヒヒ…やっと追い付いたねぇ」

「く、くそっ!」


逃げ出す前に、サッと飛び掛かってマウントポジションを奪う。

抵抗出来ないように、片手で両手首を押さえ付け、ビムサに魔力の供給を止める。


「な、何をする!」

「どれどれ、顔を見せて貰おうか」

「やめろ!?うわっ!」


じたばたするのを、体重を腹部に掛けて黙らせ、右手でフードを引き千切る。


フードの下にあった顔は、なんとも幼い顔でした。

まだあどけなさの残る、そうだなぁ、大体13から15歳くらいの、性別不明が魔法使いでした。


「み、見るな!」

「見ちゃう見ちゃう、君男の子?女の子?」

「言うもんか!!」

「あっそ…良いもんね。自分で調べるから」

「や、止めろ!言う、言うからそのワキワキした手を近付けるな!!男だ!!」

「チッ、お楽しみが減っちゃったじゃんかさぁ」


はぁ、ゆっくり服を脱ぎ脱ぎさせて、最後の一枚を剥ぎ取るのが最高に濡れるのになぁ。


顔面を真っ赤にして、下唇を噛む中性な男の子も…あり!!


「…むむ」


私のゴーストが、危険が迫っていると囁いている…


バッと男の子の上から飛び退くと、こめかみのあった所を、槍が通過した。


「あ、危ねぇ!!」

「どぉぉりゃぁぁぁぁ!!」

「ぶべらっ!!」


槍が通過仕切った事で、完全に安堵していたら、突如目の前にハルバートのブレードが出現し、顔面に直撃する。

これはお約束に漏れず、バカみたいに吹っ飛んだ。


「い、痛い!!首!首が!!」


頚椎が折れるよ!?

今の常人なら折れてたよ!?

パラディンにしてたから、まだ良かったよ!?

なんと言う戦闘力…こんな事をするヤツは、姪っ子もといエーリカんしかいねぇ…きっと彼女の戦闘力は58万…


「ハインツ!無事か!」

「エーリカおね…様!!」


エーリカんが、ショタ魔法使い(ハインツ)を抱き上げた。

というか、肩に担いでる感じ。

よくよくみると、甲冑が埃まみれになっている。

多分、一日中草原を徘徊していたに違いない。

…案外、おバカさんであるのかもしれない…


「なんちゅう破壊力…さすがは私の姪…」

「何!?あれを食らって起き上がるだと!?」

「ハルバートの一撃を貰うのは、これが二回目かなぁ?」

「何を言っている!」

「ベロベロバァ」

「「!?」」


ローブを脱ぎ去り、姿を見せる。

まぁ、驚きの形は違うだろうけどなぁ。

エーリカんは、一度ハルバートを撃ち込んだ相手が目の前にいる点。

ハインツは、自分が戦っていた相手がずっと甲冑を着ていて、しかも魔法使いじゃ無かった(見た目は)と言う点。

てな感じだろうなぁ。

まぁ、否定はしないぉ。

本来この格好は、宿敵である太陽から闇で出来たこの身体を守る為に着ているのだけど、なんかみんな勝手に勘違いして、私が騎士か何かだと思ってくれると言う、地味な隠蔽工作効果がある。

素晴らしい。


「さて、私がここにいる理由はただ一つ。諸王国連合軍の侵攻を阻止する為。そして、私を排除して侵攻する!とか考えている愚か者をお説教して、お命を頂戴するかしないかを考える為……あれ、これじゃ二個か。まぁ良いや………で、君ら二人はどうするかね?」



『何それ漢字豆知識クイズー!パチパチパチ

このコーナーでは、普通使わない単語やトリビアな漢字の読み方とかを出題します!

正解しても何も無いけどね。

それでは行きます!


『瑞雲』


これはなんと読むのでしょうか!

出来ればパソコンで調べるのはやめましょう。

そして、前回の答えの発表です!


『深縹』と書きまして、『ふかきはなだ』と読みます。

ふかきはなだとは、濃い縹色の事で、この呼称は古く、平安時代中期頃に紺に取って変わったそうです。』

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ