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謁見(1)

昨日は手違いで、予約掲載の日にちを来月にしていました…

と言う事で、一日空いてしまいましたが、ご容赦下さい。

いきなり王様とご対面かぁ。

なんか緊張するなぁ…

何話せば良いのやら。


「分かりました、今からですか?」

「はい、御弟子の方も同席頂いて構いませんので、こちらへどうぞ」


唖然としてる受験生諸君を尻目に、試験官に連れられて謁見の間(勝手に呼んでるだけ)に急ぐ。


速足で進む試験官の後ろに付いていき、ピカピカに磨かれた廊下をズンズン進んで行く。


「こちらです」


これまた重厚な木製の扉の前に立たされる。

観音開きの扉の左右には、正門に立っていた衛兵さんとは違い、豪華な装飾を施した、見てくれだけで機能性を捨てた騎士甲冑でガチガチに固めた騎士二人が、ツーハンドソードを目の前に掲げて儀式的な敬礼をした。


ヘルムのスリットから、めっちゃこっち見とるぅぅぅ!!

ぬ、濡れねぇ…


「良いですか?まだ陛下はいらしておりませんので、赤絨毯の中程で待機して頂いて、陛下が御入室なされたら最敬礼で御迎え下さい。決して、陛下の御許し無く顔を上げてはなりませんよ」

「は、はぃ」


なんだか凄いしきたりがあるんだねぇ、王室って…

まぁそうだよね、日本の皇家だって凄いらしいもんなぁ。


「ふぇぇぇ、なんだかややこしいですぅぅ」

「頑張ろうかぁ」


扉が開き、言われた通りにレッドカーペットのど真ん中まで進む。


部屋を見渡すと、調度品や装飾品の類いは無く、その代わりに天井や壁にびっしりと唐草模様みたいなレリーフが刻まれていて、その溝に金箔等で色合いを出して強調させている。

だけれども、白い大理石で出来たこの部屋の雰囲気と、上手い具合にマッチしていて、荘厳さをお互いに高め合っている。


レッドカーペットの両脇には、多分貴族だと思われるオッサン達と、騎士のオッサンズ、そして見るからに大臣っぽいオッサンが立っていた。

コイツらも、ジロジロと人の事を舐め回す様に見やがる。


「国王陛下ならびに、皇太姫殿下のおな~り~」


どっこぞからそう言う声が聞こえて来て、ずっこけそうになった。


危ない危ない…

まったくここはどこの大奥だよ。


なんとか踏み止まって、さっき言われた通りに、中世の騎士風に、片膝を立てて頭を垂れる。

その時に、金属が当たってちょっと音がしたので、気付かれ無かったかとびくびくした。


足音がして、人が入ってくる気配がした。


「…表を上げよ」


厳つく重々しい声がして、頭を上げるように言われた。

記憶が正しければ、一回目には頭を上げないで、二回目に頭を上げたはずだ。


「面を上げよ」


お次は、先程の王様だと推測される声と代わって、若い澄んだ女性の声が面をあげる様に言ってきた。


今度は言われた通りに面を上げる。

と言っても、こちらはローブのフードでヘルムを被っている事すら見えないはずだけどね。

なんかアサシンみたいな気分だぉ。


「そなたか、エドラムの作った問題を、意図も容易く解いたのは」


三つの段差を階段の如く積み重ねて、地面を高くした所に置かれた玉座に座って居られる王様が、立派な顎髭を擦りながら聞いてきた。


王様の右斜め前の二段目の段差に立っている、如何にも良い素材で仕立てられたローブを着ている老人が、多分エドラムさん。


エドラムさんは、実験動物を見るような目付きで、値踏み視線ビームを放って来る…


てか、やっぱり王様とかって良い服着てるなぁ。


厳つい皺の刻まれてた顔と豊かな白髪、そして頭に載っかってる黄金の冠が特徴の、我等が王様は、絹みたいな光沢を放つ真っ赤なサーコートの下に騎士甲冑を纏っておられてる。


皇太姫殿下は、これまた別嬪さんで、波打つような淡い金髪に知的な瞳、そして勝ち気そうな眉毛。これがまたキリッとしてるんですわ。


ちなみに皇太姫殿下の服装は、白を基調として血の様な赤色を所々に使ったドレスを着ていらっしゃる。


うむむむ…コルセットでカップがぁ………


ピロリロリィーン!!


は!見えた、見えたぞララァ!!

C+に違いない!!


「父上、この者は爺やの作った試験問題を全て解いたと言うわけでしょうか?」

「その様だな、しかも15分程でだそうだ」

「なんと!!」


皇太姫殿下…長いから殿下が、驚いて玉座その2から立ち上がった。


「おぉ、そう言えば先程、試験官達が妾の部屋に飛び込んで来てだな?爺やの器具を壊した輩が居るとか言っていたのだが……器具とはなんだ?」


殿下が、ふと思い出したように、エドラムお爺ちゃんに聞いた。


器具を壊したの辺りで、エドラムお爺ちゃんが、これまた深い皺と古傷のある顔を、ギョッとしたふうに歪める。


そう言えば、あの器具とかは一体何だったんだろう。

握力測定器なんて、取っ手に手を掛けただけで壊れたし。


「……あれを壊した…」


ヤベェ、やっぱり壊しちゃ不味い物だったんだぁぁぁ…

どどどどうしよう!

かと言って、下手な事も口に出せないしぃ…

うわぁっ、エドラムお爺ちゃんがこっちに近付いて来るぅぅ!?


「貴様…」

「は、はぃ!?」

「一体どれ程の魔力を…」

「あのぅ、私が壊しちゃった器具って、一体何だったんですか?」


ギロリと睨まれた。

え?私睨まれるような事言った?


「それは妾も知りたいな、そもそも器具とは何だ?」

「…あれは様々な形で魔力を測る為の物です。普通では壊れないはずなのですが」


おっと、それは無いでしょ…

まったく普通の測定器だと思ってたのに、なんじゃそりゃ…

魔法使いのままで掴んじまったぜ。

それじゃあ壊れるでしょ普通に…


「ほぅ…それでは、そこの者は並々ならぬ魔力を持っていると」

「はい、そうなります」


あれ?私軍師になりに来たんだよねぇ…どんどん怪しい方向に…


「お主、見るからに魔法使いではないか?」

「そ、そう…です」


う、嘘は吐いてないぉ!!

コロコロ職業変わるけどね…


「それでは、何処までの魔法が使える?」


なんか殿下の食い付き様が怖いでふ。

ここは嘘を吐くべきところです!!


「と、取り敢えず全属性の上級魔法までは…」


その言葉に、殿下は爆笑する。

大臣や貴族風な人達も、軽く嘲笑う感じで笑ってきた。


「そこの爺やは宮廷魔法使い筆頭でな?そんな爺やでも、三つの属性の上級魔法しか使えないのだぞ?それを…アハハハハハハッ!!笑わせてくれるッ…フフフッ」


おう、使えないと思ってやがるな?

良いともさ、見せてやるってばよ!



『何それ漢字豆知識クイズー!パチパチパチ

このコーナーでは、普通使わない単語やトリビアな漢字の読み方とかを出題します!

正解しても何も無いけどね。

それでは行きます!


『香具師』


これはなんと読むのでしょうか!

出来ればパソコンで調べるのはやめましょう。

そして、前回の答えの発表です!


『阿利乃比布岐』と書きまして、『ありのひふき』と読みます。

ありのひふきは、桔梗(ききょう)の古い言い方です。

キキョウはキキョウ科の多年性草本植物で、山野の日当たりの良い所に育ちます。日本全土、朝鮮半島、中国、東シベリアに分布しています。

万葉集のなかで秋の七草と歌われている「朝貌の花」は本種であると言われていて、絶滅危惧種だそうです。

ですが、家の庭や用水路の土手に平然と咲いているので、私としてみれば、本当に絶滅危惧種かよ…と思ってしまいます。』

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