表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
51/113

軍師になろう(1)


いい感じに泡達磨にしたら、通称【カロチン】でお湯を掛ける。

お湯が泡を洗い流し、青騎士の身体が綺麗になった。

もう入っても大丈夫なはずだ。


「よしよし、おKおK。もう入っても大丈夫なのだぜ」

「ああ」


そっと、恐る恐ると言った感じでゆっくりと足から入った。

そのまま肩までお湯に浸かり、色っぽい吐息を吐いた。


「あぁ…あ、ふぅ」

「ふぁぁぁ、あふあふ」


フェルちゃんは、飽きもせずにお湯の中で転がっている。

そろそろ逆上せてしまう頃だと思うのだが…


小さい別の桶にお湯を張って、それの中に入っているミルクたんも、同じように回っていた。


「ぐるぐるぐるー」


さっぱり何がしたいんだか分かったもんじゃない。


「これは……良いな…冷したエールか果実酒が有れば、もっと最高だぜ」

「おぉ、青騎士も分かるかい!」


暫く静かに湯船に身を任せ、高い位置に有る小さな光を取り入れる為の窓から射し込む光が、水面に反射してゆらゆらと幻想的に煌めく。

不規則に形を変えながら、一度として、同じ形の反射はしない。


「お母さんは今頃何やってんだろ…」


ふと、脳裏にお昼ご飯作るお母さんの後ろ姿が浮かぶ。


「家の婆様も何やってんだろなぁ」


なんだか青騎士も感傷に浸ってやがる。


10分程お湯に浸かって、そろそろみんな逆上せる頃なので、上がる事にした。


さすがにビールやお酒の類いは無いけれど、木の実を絞った果汁100%ジュースを前もって買って置いたので、それの入った瓶に氷属性の下級魔法を放って冷やす。

それを、風呂上がりに1人一本ずつ腰に手を当てて、一気に煽る。


「んぐっ…んぐっ…んぐっ」


甘酸っぱい味が喉元を通りすぎ、さわさかな香りが鼻腔へと抜ける。


「…ぷはぁぁぁげっぷ」


やっぱり、お風呂上がりは珈琲牛乳かフルーツ牛乳だよねぇ。


冷たい水分が、火照った身体に染み込んでいく感覚が分かる。


「…よーし、着替えたら第二次迎撃作戦に行きますかぁ。今度は大幅に手加減してさ」


なんか、あれは戦争と言うか個人vs軍衆で、しかも虐殺だよ。

他愛がなさすぎて、鎧袖一触にも程がある。


さて、どうしようか…

きっと今頃、必死に王城は兵士をかき集めてる頃だよねぇ。

素性を一切合切隠して、軍師として一時的に働いて見ようかなぁ。

大学校で、少しだけ戦術習ったし、ゲームで散々やったしね。

部隊長なんかも面白そうだなぁ。

よし、取り敢えず王城に行こう!

思い立ったが吉日ってね。

面倒な事は後で考えればいいや。


「青騎士も戦うかい?上手くすればお金ガッポガッポだぜ」

「もちろん行くに決まってるさ」

「フェルちゃんも来るでしょ?」

「ふぇぇぇ、行きますよぅぅ」


どうやら二人共に戦う気満々なようです。

この世界の人って、かなり好戦的な気がするぉ。

まぁ、青騎士の場合は単にお金が欲しいんだろうけどね。

てか、もう青騎士はマイ鎧を取りに部屋に向かって行ってしまった。


「じゃあ、我々も着替えようか」

「ふぇぇぇ、はいぃぃ」


さすがに正体を隠すのに、【アダマン・フルメイル】をそのまま着る訳にはいかないので、真っ黒で所々に銀の刺繍入りの全身をすっぽり覆うタイプのローブを召喚した。

その名も、【ミッドナイト・オブ・ディープダーク】。

毎回思います。

運営のネーミングセンスの無さとやる気ねぇな!と。

しかも、ちょくちょく文法間違えてるし…いや、ワザとかな?

フェルちゃんには、真っ白なローブを渡した。

名前は、まぁ、聞かないで下さい。


「準備出来たぜ」

「早いね」


青騎士が浴場を出ていってからまだ5分と経ってない。


「青騎士は、冒険者ギルドから参加すると良いよ」

「ん?瞳子は冒険者ギルドから参加しないのか?」

「まぁね、今回は趣旨を変えて行こうかなぁと思ってね」

「わ、分かった」


まさか王城に直接乗り込むなんて言えません。


「そんじゃあ、行きましょ」


部屋の鍵と浴場の鍵をマリアさんに返却して、小鹿亭をあとにした。


風鳴り街道を通り、中層区で青騎士と別れ、私達は真っ直ぐ王城へ向かうべく坂道を昇っていく。


「でっかいねぇ」

「ほぇぇぇ、おっきいですぅぅ」


敷地は広く、城でかし…みたいな。

敷地だけで言えば、東京ドームくらいある。

城の横幅だけの大きさは、シンデレラ城の10倍はある。

ちょっと本物の西洋式城の規模嘗めてました…

やっぱり姫路城とか名古屋城とかと較べちゃ駄目だね。

あまりにも大きさが違いすぐる。


「よし…あのぅ、すいません」

「な、なんだ」


正門前に立っていた衛兵さんに、取り敢えず話掛けた。


「私達、王様の軍隊で戦いたいんですよ、軍師辺りとして」

「……お前、どこでその話を聞いた」

「そ、そんなに凄まないで下さいよ…だって、冒険者ギルドだって凄い騒いでますし、既に敵を見てきたんですもの」

「……こっちだ、今選抜試験の最中だからな」

「どうも~」


正門を潜り抜け、手入れの行き届いた緑豊かな庭園を横切って、王城の中に入る。

さすがに王城だけあって、物凄い広さのある広間でも、あちらこちらに人が行ったり来たりしている。

天井は吹き抜けになっていて、太陽の光をなんども屈折させながら取り入れる形らしく、とても屋内だと思えない明るさだ。

所々には、いかにも高そうな装飾品が飾ってあり、屈折した光を浴びて、キラキラ輝いている。


「こっちだ、早くしろ」

「すんません」


知らぬ間に立ち止まっていたらしい。

だって、王城なんて入ったこと無いもんね。


広間を横切り、少し広い廊下を進んで行く。

衛兵さんは、一つの大きな扉の前で止まった。


「今ここで筆記試験をしている」


なんだかテストみたいだなぁ。


「既に始まって10分経っているが、まぁ頑張れ」

「どうもです」


扉を静かに開け、中にいた試験官に衛兵さんが何か耳打ちして、衛兵さんは部屋を出ていった。


「それでは、こちらで試験を受けて頂きます。残り時間はあと35分ですのでお急ぎ下さい」

「了解です。あと、受けるのは私だけで、この白い人は私の弟子なので、別室に待機させてもらっても良いですか?」

「分かりました。それではこちらへどうぞ。こちらが試験用紙になります。御弟子の方はこちらへどうぞ」


フェルちゃんは試験官に連れられて別室へ、私は試験用紙が置かれた机に向かう。

筆記試験の内容は、簡単な数学と国語だけだった。

数学は一次方程式の応用等で、中学生くらいにやった問題だ。

実に簡単。

国語も、中学生くらいに習う漢字ばかりで、チョロッと難しい漢字が出てきたくらいで、あとは楽チンだった。

てか、漢字テストかよっ!て思った。

開始15分で全問埋めたので、そこいら辺に居た試験官に答案用紙を渡した。

なんだか、とても驚かれた。

改めて部屋の中を見ると、いかにも賢者っぽいお爺さんとかオッサン、学者っぽいお兄さんが必死に答案用紙に向かってた。

必死過ぎて、なんか怖い。



『何それ漢字豆知識クイズー!パチパチパチ

このコーナーでは、普通使わない単語やトリビアな漢字の読み方とかを出題します!

正解しても何も無いけどね。

それでは行きます!


『大角豆』


これはなんと読むのでしょうか!

出来ればパソコンで調べるのはやめましょう。

そして、前回の答えの発表です!


『鸚哥』と書きまして、『インコ』と読みます。

インコとは、インコ目の鳥の総称で、便宜的に分けたときのオウム類以外のもののことです。くちばしは鉤形に曲がり、羽色は鮮やかな色彩のものが多いく、熱帯地方に広く分布しています。

セキセイインコなどは有名ですよね。』

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ