飛び級
間が空いて、申し訳ありません
「しかし、良く倒せたね」
「あー、いやぁ。うん、出てきた拍子にズバッと」
「…は?」
「だから、急に飛び出してきたからびっくりして斬っちゃった訳」
あの時は、結構びっくりしたのよねぇ。
「な、なんと報われない倒され方…ま、まぁ、倒してくれたのだから、我々がかなり有利になった事には変わり無いのだけれど」
「で、でしょ!と言う事で、昇格してちょ」
「……分かった。ノンナ君、暗黒院君のランクを【ブロンズランク】から、【シルバーランク】に昇格させてくれ」
「分かったわ。良かったわね瞳子」
「えがったえがった」
おぉ、儲けもんだ!
一気にランクが三つも上がったぉ!
幹部昇進役員就任イイカンジー!!
フランメルさんありがたやありがたや。
このまま稼いで、アダマンランクになっちゃるぜよ!!
「それで、そこの白い人は…一体幾つの首があるんだい?」
「ふぇぇ、多分18個位ですぅぅ…」
私が撹乱してる間に、結構苅ってたんだなぁ。
全然知らなかったぉ。
せいぜい10個ちょいだと思ってたんだけど、そんなこと無かったんだなぁ。
「18人分…良く見たら、千人隊長や百人隊長の首ばかりじゃないか」
あれ、そんなのばっかりだったの?
軍隊だったら、佐官や尉官の首ばっかりって事だよねぇ。
これは、結構な功績じゃない?
「白い君は…【ストーンランク】かな?」
「ほぇ?そうですけどぉ」
場がシーンと静まる。
ノンナさんはあっけらかんとしていたが、他の冒険者やアナスタシアさんとレイラさんは、唖然として口をパクパクさせていた。
おぉ、なんか空気を求める金魚みたいだなぁ。
「ふぇぇぇ、なんでみんな黙ってるんですかぁぁぁぁ~」
フェルちゃんが、急に静まり返ったギルド内に、おどおどし始めて、今にも泣きそうになっている。
「まぁ、ほら!頑張ったんだから、ちゃんと評価しないと!」
「……あ、あぁ。そうだね…では、白い人を【シルバーランク】に…」
ギルドマスターたるジャリボーイの言葉に、会場がざわめき立つ。
一気に六つも飛び級で上がってしまったのだから、無理は無い。
多分、例に無い事なのだろう。
まぁ、渡した防具と武器の性能から考えれば、圧倒出来て当然と言えば当然なのかなぁ。
だけど、フェルちゃんの実力もすごいんだよね。
きっと。
「フェルちゃん、これで同じランクになったねぇ」
「ふぇぇ、なりましたけどぉ…良いんですかぁ?ボク、フロアボ…ムグッ」
「ふ、ふぅっはっはっはっはっはっはっはっはっはぁ!!な、何を言っているのか意味が分からないんだけどなぁっ!?」
こ、公衆の面前でフロアボスって口ずさみそうになるなんて…
危ない危ない。
なんておっちょこちょいなんだから♪
て言う次元じゃ無くなるぅぅ…
「暗黒院君、一体どうしたんだい?」
「な、何でもないぉ?」
「ふ~ん」
くっ、ジャリボーイが何か感付きそうになってる…
ギルドマスターだから、登録用紙を見れば一発で分かっちゃう筈なんだけど、今知られるのは不味い。
血と欲に餓えた狼の冒険者のオッサン達に何をされるか分かったもんじゃ無い。
……ムサいオッサン達に群がられ、服を剥ぎ取られて行くフェルちゃん…
ハァハァ…
なんだか久々に濡れてきたぉぉぉ!!
※オジサンもそこに加わりたいんだなぁ!
※女です。
「と、とにかく、冒険者カードをノンナさんに渡そう!」
「ふぇぇ、分かりましたぁ」
かなり苦しいが、場を乗り切る為に話を強引に持っていくしかない。
何か考えながら、こちらを見てくるジャリボーイに視線を合わせないようにして、カウンターまで既に移動していたノンナさんのところに歩いて行く。
「それじゃあ、冒険者カードを出してちょうだい」
フェルちゃんと二人で、言われた通りに冒険者カードをノンナさんに渡した。
それを受け取ったノンナさんは、何時もの通りにカウンターの中に仕舞い込み、何時もの如くゴソゴソとカウンターの中にあると思われる何かを弄る。
毎回思うんだけど、カウンターの中って何がはいっているんだろ。
気になる…
触らぬ神に祟り無しって言うけど、危険を侵しても見たくなるのが人間です。
今度、インビジブルの魔法でも使って、透明人間にでもなろうかなぁ。
「出来たわ」
ノンナさんが、満足げな表情をしつつ、今度こそ本物の銀光を放つカードの表面を撫でた。
どこからともなく、上手に出来ましたー!とSEが入りそうな雰囲気がする。
「今回は純銀だから、事ある毎に磨いてちょうだいね。じゃないと、だんだん黒くくすんでくるわよ」
「まぁ、直ぐにでも【ゴールドランク】になったりますよ!」
「頑張るのは良いけど、無茶はしちゃ駄目よ」
お、ノンナさんが赤くなって、デレてる!
グヘフシュル…
「了解でふ」
「で、でふ?」
よっしゃぁ!!また戦場に行って、雄輔以外の連中を皆殺しじゃぁぁぁぁぁっ!!
雑魚の首なんざに用はねぇ。
狙うは将軍と千人隊長と王の首だけぞ!
いまに待っとれよ!!
ふぅっはっはっはっはっはっはっはっはっはぁ!!
「ふぅっはっはっはっはっはっはっはっはっはぁ!!と言う事で、あと少し休憩したら、戦場に戻りまふ」
「瞳子!?」
「また戻る気!?」
もちのろんでござりますよね。
「手っ取り早くランクを上げるには、それが一番なのだぜ」
それと、この王都を守る為でもあるのさ。
まだ来て二週間位だけど、色んな人に会ったし、まだ王都も碌に散策してないもんなぁ。
壊されて堪るか。
「どうやら、暗黒院君の意志は決まっている様だね」
「当たり前田のクラッカーってね」
「マエダ?クラッカー?何だいそれは」
「……気にしないで下さい」
しまったぁ、異世界じゃぁネタが分かんないよねぇ。
ここに来てまさか地雷を踏み抜くとは…
『何それ漢字豆知識クイズー!パチパチパチ
このコーナーでは、普通使わない単語やトリビアな漢字の読み方とかを出題します!
正解しても何も無いけどね。
それでは行きます!
『蚯蚓』
これはなんと読むのでしょうか!
出来ればパソコンで調べるのはやめましょう。
そして、前回の答えの発表です!
『山毛欅』と書きまして、『ぶな』と読みます。
ぶなは、ブナ科ブナ属の木。落葉広葉樹で、温帯性落葉広葉樹林の主要構成種です。
ちなみに、中国語で「山毛欅」とは、本種ではなく中国ブナの一種を指すそうです。皆さんが良く目にする「橅」は、近年作られた日本文字で、一般に(日本)ブナの意味に使われています。』




