一方的な戦争(2)
短いです
爆発したのかは、まだ分からないけど、ドドーンって言ったから爆発したんだろうなぁ。
お陰で、土砂が空中高く巻き上げられて、視界が全く無い状態になった。
巻き上がった土埃が落ち着くまで、暫く結界の中で待つことにした。
今出たら、埃まみれになっちゃうしねぇ。
「ふぇぇぇ、何なんですかぁ!?あの威力ぅ…」
「うーん、至って普通の火属性上級魔法としか言えないんだよねぇ…まさかあんな威力になるとは…」
「至って普通の威力じゃ無いじゃないですかぁぁぁっ!?」
「ちなみに、シリーズになってて、次のは超級魔法にあるぉ。威力は戦略級で御座い」
「ふぇぇぇん!?」
超級魔法って分類される魔法って、一概に戦略級しか無いって訳でも無いぉ。
まぁ、威力に関しては、一概に異常だけどね。
だけど、カンストジョブの連中には、数回直撃させないと倒せないんだぉ。
私だって、超上級魔法なら一発、超級なら六発までなら、なんとか耐えられる。
〈血の呪い〉にやられたカンスト拳闘士は、強い魔防耐性のある装備をつけていたから、余計に大変だったぉ。
あのジョブは、耐久力と俊敏が売りのジョブだから、まず当てるのさえ大変だった訳ですよ。
「さて、時間もある訳ですし…ムフフ」
「ほぇ?…ふぇぇぇ!?ちょっ、まっ、えぇっ!?あひぃぃ!!」
ここに新しい名言が生まれた!
『ちょっ、まっ、えぇっ!?あひぃぃ!!』(byゴブリンロード フェル)
「どれ、八ヶ岳の具合はどうでっしゃろ…ウヒャヒャヒャ」
「ふぇぇぇん!変なところから、手を入れないで下さいぃぃ!!…あんっ!?そこは弱いんですぅぅ!!」
【ジャスティス・ザ・ホワイトロード】の弱点である(着付けの時見付けた)、脇の下の中くらいの隙間に手を突っ込んで、そこにある柔らかな八ヶ岳を揉みしだく。
ええのぅ、おにゃのこはええのぅ!
このマシュマロの様な触感がたまらんのぅ…
これだから、止められんのじゃわい。
ウヒヒヒ。
インナーが邪魔するので、直には触れないけど、そんなもの有って無いような物だぞぇ。
とにかく、モミモミ出来りゃ良いんだぉ!
まぁ、今は戦ってる最中ですからね!取り敢えずは…
暫く、柔らかいが張りと弾力の有る八ヶ岳を堪能して、名残を惜しみながら手を引き抜いた。
「はぅぅぅ…、もうお嫁さんに行けません~…」
「だから、私がお嫁さんに貰ったげるって」
「ふぇぇ、本当ですかぁぁ?」
「可愛いおにゃのこなら、問題なんてナッシング!!何故ならば!可愛いは正義だから、でっす!!」
「ほぇぇぇ、今一定理が分かりませんが、そ、そう言う事ならぁ…」
グフフ、一人ゲット!
まぁ、最大の砦である、リーラちゃんを陥落させるのは、一筋縄ではいかないけど、何時かは陥落させてみせる!!
などと考えていたら、次第に土埃がおさまってきた。
まっ茶色だった視界が、次第に色を取り戻し始め、周辺が鮮明になりはじめた。
『それはもう、直撃したところには何も有りませんでしたよ』(暗黒院艶子さん 仮名22才)
実際に何も無く。あるのはインパクトの瞬間に出来たと思われる、直径20メートル深さ3メートルのクレーター。
放出された、かなり高温の爆風のせいか、爆心地周辺(直径約30メートル以内)にいた兵士達は、一人残らず死亡。
さらに半径100メートル以内にいた連中は、一部がまだ息をしているが、呼吸器官が火傷を負っている筈なので、じきに呼吸困難で死んでしまうだろう。
さらに半径200メートル以内では、約半分以上が火傷を負ったようだが、あまりお亡くなりになったヤツはいないようだ。
しかし、死体は酷いもので、爆心地では一瞬で蒸発して、死体すら残らなかったし、半径50メートルまでは炭化していて、個人の特定は不可能っぽいし、さらに100メートルでは皮膚が爛れてケロイド状になっており、肉の中心辺りまで火が入っていて、こんがり焼けてしまっている。
まるで、広島平和記念公園の博物館にいるみたい。
でも、なんでこんな威力になったんだろ。
広域魔法なんて使った覚えがない。
第一、バーニングボール自体は単なる単体魔法だから、単一目標にダメージを与える代物で、こんな威力では無いはず。
まぁ、当て方によっては、2、3人巻き込めるが、やはりその程度である。
諸々は後で追究して行くとして、なんとまぁ凄まじい温度だったんだなぁ。
クレーター全面の地面が、等しくガラス化して鈍く光ってるし…
「ひぇぇぇ…」
「うひゃぁ、まさかここまでとは…」
半径100メートルまで、生きた人間がいない状態になってしまった。
既にぽっかり空いた穴が、更に広がってしまった。
なんか、別の意味での陸の孤島に居るみたい。
ちなみに、反省はしておりませぬ。
敵さんの方は、一人また一人と、戦意を喪失して壊走しはじめた。
さすがに、武器を捨てて逃げ始めたヤツは攻撃しないぉ。
だって、逃げて名前を広めて貰わないといけないからねぇ。
だいぶ逃げ出して、数が減ったと言えども、まだ戦う意志が残っているおバカさんが、やっぱりいる。
あれほどやられて、手も足も出なかったのに、まだどうこうしようだなんて、むしろ興味が湧くよねぇ。
どうでるのか、少し出方を見てみようかな。
「こいつらがどうでるのか、少し見てようよ」
「ほぇ?は、はい…分かりましたぁぁ」
こちらが、何もせずに突っ立ってるのを好機と見たか、少し離れたところから、また魔法の一斉発射が始まり、私の結界がことごとく弾いて行く。
それでも、奴等は撃ち続けてくる。
なんか、もう少し骨のある攻撃を仕掛けて来て欲しいよねぇ。
そろそろ、行っちゃいます?面倒臭いし。
『ほらほら、ちゃんと攻撃を入れないと、今度はもっと凄いの行っちゃうぉ?』
『チッ…!!』
やっぱり、ザコには無理そうだ。
もう超級魔法で粗方消し去ろうと思ったその時、前方の敵の背後で、悲鳴と共に数人が宙を舞った。
それはもう、ヒョイヒョイと撥ね飛ばされてる。
サイかゾウ辺りが、攻めて来たのかと思ったら、不機嫌そうな顔をしたノンナさんだった。
こっちに向かって、真っ直ぐに突進してきている。
あ、ちょっちヤバい気がするぅ。
そう言えば置いて先に行っちゃったんだよねぇ。
フハハハハ…
「あんた等邪魔よ!!ザコは引っ込んでなさい!!そこね、瞳子ぉぉぉぉぉぉぉ!!」
「ひぃっ!?」
「ふぇぇぇん!恐いですぅぅ!虐められますぅぅ!!」
かなり御冠な御様子で…
一瞬命の危機を感じた気がするぉ…
一体どういう原理なのか分からないけど、受付嬢パーティーが、傘型陣形で真っ直ぐ突っ込んできた。
ノンナさんが、ボディーチャージで兵士を撥ね飛ばしつつ、アナスタシアさんが右を、レイラさんが左を、それぞれの得物で敵兵を屠ってる。
なんともおっかない受付嬢ですな…
それはもう、悪鬼羅刹の類いかと一瞬思いましたよ…とか言える筈がありません。
一人の敵さんが、ノンナさんのボディーチャージを食らって、真っ直ぐこっちに飛んできた。
あれ?ほんの数時間前にも、おんなじ様なシチュエーションにあった気がする。
遮るモノが一つも無いので、勢いそのままで私の結界に直撃した。
一体どれ程の威力かは分からないけれど、凄まじかったらしく、結界に直撃した瞬間に電車に撥ねられたみたく、血が噴き出して手足がもげて、脳髄が飛び散った…
「お、おおぉ、おおおおぇ○○○○○○」
『何それ漢字豆知識クイズー!パチパチパチ
このコーナーでは、普通使わない単語やトリビアな漢字の読み方とかを出題します!
正解しても何も無いけどね。
それでは行きます!
『大蒜』
これはなんと読むのでしょうか!
出来ればパソコンで調べるのはやめましょう。
そして、前回の答えの発表です!
『既満』と書きまして、『きぼう』と読みます。
きぼうとは、陰暦における16日目の月の事。十五夜の翌日の夜。「月が既に満ちた」の言う意味だそうです。』




