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戦闘開始一歩手前(1)

短いです

「ノンナさん」

「なにかしら?」


オッサン達が忙しく戦準備を始めているギルドの中で、受付をするカウンターに溜まっている自分を含めた五名の女性。


全員が鎧を着込み、武器を持っている。


「ノンナさん達、受付嬢パーティーも出るの?」

「もちろんよ。知ってた?私達受付嬢って、みんな【ゴールドランク】以上なのよ」


な、なんだってーー!?

し、知らんかった…

ノンナさんは、片手でオッサンを放り投げられるから、普通の人じゃ無いと思ったけど、他の二人までがねぇ。


一人は人間で、栗色のウェーブのかかったショートカットで、愛嬌のある顔が人気のレイラさん。

オπ(オパーイ)はC+。

もう一人は、ハーフバンパイアのアナスタシアさん。黒髪長髪ストレートで、真っ赤な瞳に凛とした表情で、ツンデレな性格が若者に大人気。

オπ(オパーイ)は控え目のA++。

そして我らがノンナさん。ギルドの中では無敵最強絶対超人。

例え聖人や勇者がやって来ようとも、ギルドの中では彼女に勝てる者は存在しない!

オπ(オパーイ)は偽りのD!本当はB!


いや、意外だっただけですよ?

他の二人とは話した事無かったし、そう言う兆候が見えなかったからさぁ。


「本当に大丈夫なんですか?」

「私達は、諸王国連合の奴らに遅れを取る訳が無いわ!」


ノンナさんが、拳をギュッと握り締めた。

レイラさんとアナスタシアさんも、揃ってうんうんと頷いてる。


何があったかと言うと、私が先行して、諸王国連合軍の先鋒を叩き潰して来ると言った矢先、猛反対されて、大丈夫だと言っても許可が降りなくて、妥協点を探した結果こうなった。


フェルちゃんと私のパーティーに受付嬢パーティーが合流して、無理をしなければ良いとの条件で、OKが出た。

まぁ、大魔王である私がやられたりはしないけどね。


「分かりましたぉ。【シルバーブロンズ】の私が言うのもなんだけど、絶対に離れないで下さいね」

「自信満々ね。分かったわ、お姉さん達がしっかりリードしてあげる」


おぉ、なんだかノンナさんが、大人のお姉さんに見える!

妖艶なタイプも良いのぉ。

ムフムフムフ…


「了解でっせ。でも、受付嬢のノンナさん達がギルドから居なくなっちゃっても、大丈夫なんですか?」


一瞬、ノンナさん達の頭の上に、?が出たが、すぐに戻って笑顔になった。


「それについては大丈夫よ。だってギルドマスターが居るもの」


凄い良い笑顔で言ってるけど、不安しか覚えないのは何故だろうなぁ?

と言うか、まだギルマスの顔見てないよねぇ。

どんな顔してるんだろ。


「そ、そっすか…ほんじゃあ、行きますか」

「「「了解!」」」

「ふぇぇぇぇ、私も強制ですよねぇぇ~」




ヘルムのスリットから、風を切る時の音が入ってくる。

ついでに、結構風が入って来て、眼球が乾く乾く。


若草色の大平原を、五人で馬車よりも速く駆け抜ける。

ギルドを出る時に、前回青騎士にかけた補助魔法ではない、別の補助魔法をかけた結果、異常な程に移動速度と筋力が上昇して、おまけに体力自動回復が付与された。

そのせいで、馬車と言うか原付と言うか、それらの平均速度以上のスピードで走り続けて、かつ疲れないと言うソ○ック状態。


が、眼球が…乾くって問題じゃねぇ…

瞬きを繰り返してないと、目玉がミイラになっちゃうぉ。

みんな良く大丈夫だね…

あぁ、ヘルム被ってるの私とフェルちゃんだけか…


だけど、受付嬢パーティーって、みんな軽装備だけど大丈夫なのかなぁ。

ノンナさんは黒い何かの鞣し革で出来たレザーアーマーに片手剣だし、レイラさんは若竹色のフリル満載ミニスカドレスに小柄なレイラさんの身長よりも巨大なハンマー。

これは、モンハンのハンマーみたいだよなぁ…

そして、アナスタシアさんは黒色の生地に色鮮やかな蝶と鯉の刺繍が入った振り袖に、腰には反りの浅い八本の太刀を帯いている。

凄いかっこえぇ…

あとで私も太刀使おうかなぁ。


「見えてきたわ」


走りながら、ノンナさんが前方を指差した。

確かに、若草色の大平原を黒いく染め上げながら、蠢いている何かが見えてきた。

成る程、あれが軍集団かぁ。

血が騒ぐね…

ぐぅっ!し、鎮まれ私の右手…ここで封印を解くわけにはいかないんだぁぁ!!


「マスター、右手を押さえてどうしたんですか?」

「フッ、少し右手に秘められた力がね…」

「って言う設定?」

「ぐぬぅ……」


な、なんて事を…ミルクたん、恐ろしい子!


「それにしても、凄い数ね…一体何万人いるのかしら…」


まぁ、何人いようが殺し尽くす事には変わり無いんだけどね。

あれ全部葬り去ったら、【オリハルコンランク】になるかなぁ。


「あれは本隊じゃないですね。あれで先鋒かな?」


その軍勢の背後に、更に大きい軍勢が控えているのが見える。

あの先鋒だけで、王都なんて蹴散らされちゃうんじゃない?

多分一撃だよね。


「なんですって!?あれで、先鋒…!?」

「へぇ、あれで先鋒だなんて。どうやら諸王国連合軍の奴ら、一撃で勝負を決めようと言う魂胆みたいじゃない。貴女達、気を付けなさいよ」

「アナスタシアさん、心配してくれるんですか?」

「ち、ちがっ…!?別に貴女が心配な訳じゃ無いわよ!!……だけど、死んじゃダメよ」


おおおおお!!

初めて本物のツンデレを見た!!

神、降臨!

ウヘウへウへ、癖になりそう…


「ほぇ、本隊が止まって、先鋒が加速しましたね」


ふむ、敵さんは先鋒だけで事足りると思っているのかな?

バカめ。

獅子は兎を狩るのにも全力を以下略って言うじゃないかい。


「ちょっとケンカ売って来ますね」

「な、何を言ってるの?」

「そのままの意味でっせ。フェルちゃん、行くぉ」

「ほぇぇ?…ひぃぃぃぃっ!?」

「ちょっ!待ちなさい!?」


ノンナさんの静止を聞こえなかった事にして、足にちからを籠める。

フェルちゃんを小脇に抱えて、一気に加速する。

景色がまるで溶けたように後ろへ流れて行く。

前方に進軍中の軍勢が大きく見えてきた。


更に加速し、速度が充分に乗ったところで、大ジャンプする。


「ひぃぃぃぃぃぃ!?死ぬ!死んじゃいますぅぅぅ!!」


フェルちゃんがジタバタするけど、かなり高度があるからしっかりと抱える。


数秒間の滞空時間を経て、そこから急降下する。

どんどん地面が近付いて行き、そのままの速度で軍勢の手前に着地した。

着地の瞬間、インパクトが広がり、草が円形に薙ぎ倒れ土が宙を舞い、強烈な振動が足の裏から脳天へと突き抜ける。


し、痺れるぅぅ…

た、堪えるんだ、堪えるんだ私!!

ここで倒れたら、あまりにもダサすぐる…


こうなったら、魔法でエフェクトを出して、そっちに気を向かせよう…


空から降って来た私を、唖然とした表情で見ている諸王国連合軍の兵士達を威圧する為と、足の痺れを誤魔化す為に、魔法で漆黒のオーラを出現させた。


あ、加減間違えた…



お気に入り登録が、遂に150件を突破致しました!!(祝)

皆様のおかげです、今後ともどうぞよろしくお願い致します。


『何それ漢字豆知識クイズー!パチパチパチ

このコーナーでは、普通使わない単語やトリビアな漢字の読み方とかを出題します!

正解しても何も無いけどね。

それでは行きます!


『麹塵』


これはなんと読むのでしょうか!

出来ればパソコンで調べるのはやめましょう。

そして、前回の答えの発表です!


『邯鄲』と書きまして、『かんたん』と読みます。

バッタ目コオロギ科に属する昆虫で、寿命の短さや儚さから、「邯鄲の枕」の物語に見立てて名付けられたそうです。ちなみに、中国では天蛉とよぶそうです』

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