ゴブリンロード(2)
私の中ですと、あと少しで第一章が終わる予定なので、それのご報告を
2013/04/21追記
後書きの漢字クイズの空白を訂正
私の鉄拳が、騎士甲冑のヘルムを捉える。
何時まで殴ってるんだろうねぇ。
と言うか、さっき喋らなかった?
騎士甲冑が超反応を見せ、首を後ろに振って回避したが、そこは素晴らしき私の華麗で流麗なる右ストレート。
ヘルムの面頬部分を引き千切って、ヘルム自体を壊した。
かすっただけで、この威力。
大魔王プァワァーは伊達じゃ無い!ぉ。
騎士甲冑が、顔面を押さえて後退った。
そんな隙を逃す筈がありんせん。
「首置いてけェ!!」
ガントレットが填まっている私の拳は、万能の破壊兵器なのだよ!
まぁ、SAN値が下がると思うけど、この際構わないぉ。
低い姿勢から、騎士甲冑の膝辺りにタックルして、地面に引き倒し、マウントポジションを奪う。
「そんなに顔隠さないで、見せてちょ」
顔を守るかの様に、両手で顔面を庇っている。
その両手首を、片手で掴んで退かす。
「あっ」
ん?ずいぶんと可愛い声してるなぁ。
さっきの声と違くない?
……あれ?あれれ?
「ごめんなさいごめんなさいごめんなさい…!!」
健康的な光沢のある灰色の肌に、色素が完璧に抜けているが艶がある白髪。
あどけなさが抜けきらない愛嬌のある顔。
甲冑の中から伝わる感触は、女性のそれ。
そして、彼女が人間では無い決定的な証拠である、少し先端の尖った耳。
うーん、ボスと間違えて冒険者を捕まえたオチかなぁ。
まぁ、先に攻撃してきたのは、この娘だし…
困ったなぁ。
でも、一体何の種族なんだろ?
街で見掛けた事も無いしなぁ。
「ねぇ」
「ごめんなさいごめんなさいもうしませんから、虐めないで下さい!!」
「いや、虐めないぉ」
性的な意味では保証出来ないけどね!
場合によっては、封印した『遅効性の眠り薬』の出番が再び出てくるかも知れないぉ。
そのくらい可愛らしいフェイスをしていらっしゃる。
「本当ですか?実はウソっぱちで、後で姑みたいにジクジク虐めたりしませんか?」
「いや、しないしない」
なんか例えがリアルだねぇ。
ぷるぷると震えていて、なんか母性本能とやらをくすぐられるぉ。
フヒヒヒ…ペロペロジュルジュルハァハァしたくなるぉ!!
「ハァハァ」
「息が、荒いです…やっぱり、フェルを虐めるつもりなんです!!」
おっと、つい何時もの癖が。
一先ず彼女の上から退いて、立たせてあげる。
あまり良い品物じゃ無さそうな、鉄製と思われる騎士甲冑に付いた埃がを払ってあげた。
「そう言えば、どうして攻撃してきたん?」
取り敢えず、言い訳を聞いてみる事にした。
別に問題にしようと思っている訳では無いぉ。
「…それは、敵だと思ったから…です」
「まぁ、一人であんな所にいたら、間違われるよねぇ。【ゴブリンロード】に」
「ふぇ?何で私に間違われるんですか?」
「ん?」
今、この娘何て言った?
「もう一度お願いします…」
「?…何で私に間違われるんですか?」
そして謎は、永遠に解かれる事は無かった。
…筈が無い。
ちょっ、ど言う事?
今一、言っている意味が理解出来ないぉ。
うーん…
「…つまり、君が【ゴブリンロード】って事?」
「そう、ですけど…」
「…………な、なんだってー!?」
「ひゃぅっ!?虐めないで下さい!」
なんとまぁ…
もう、一体全体どうなってるわけ?
実に理解不能。
だって、【ゴブリン・シャーマン】緑色だったし…
だけど、それを知っちゃった後だと、倒せないでしょ…
かといって、こんないたいけな女の子を、何処の馬の骨かも分からない冒険者に、殺されちゃうなんて思ったら、捨て置けないしなぁ…
「どうしたらいいんだろ私…」
出来れば、何としてもお持ち帰りしたいなぁ…
だけど、倒さないと帰還用の魔方陣は作動しないし、倒した証とかも手に入らないし…
考えろ、考えるんだ!!
ポクポクポクポクポクポクポクポクポクポクポクポクポクポクポクポクポクポク
「ぁ、あのぅ…」
ポクポクポクポクポクポクポクポクポクポクポクチンーン!!
「ひーらーめーいーたぁぁぁー!!」
「ふわぁ!?」
思い付いたぉ!
帰還用の魔方陣が使えないのなら、別に使わなきゃ良いじゃない!
討伐した証の、ボスの武器も、貰えば良いじゃない!!私って天才だなっ!!
「ねぇ」
「ひぃっ」
「別に取って食おうなんて思って無いから、話を聞いて」
上目遣いで、こちらを見上げながら、コクコクと頷いた。
リーラちゃんとは、別な意味でかわえぇ!
「えぇー、オホン。今のままでは、貴女は私を倒せずに、逆に殺される事は間違いありません」
「ひぃっ!?」
「まぁまぁ、落ち着いて。そんでもって、一つ聞きますけど、貴女は死にたく無いですか?」
「ぼ、ボク…まだ死にたく、無い…!」
「よろすぃい、そこで提案なんだけどぉ。仲間にならない?」
「ほぇぇ?」
先ずは、これが大事だからね。
「で、でも、私を倒さないと…外に出れないんだよね…」
「他にも、方法はあります」
転移魔法とか、移動系の魔法を使えば、問題無いもんね。
「ぼ、ボク!一度は太陽を見てみたい!」
「決まったね。んじゃ、後はリーラちゃんと青騎士を待つだけだね」
いやはや、上手く行って良かったぉ。
デュフフ…これでハーレムの候補が増えたぉ?
しめしめ…
急に、天井がパッと明るくなり、向こうにあった大扉がバタンと開いた。
「瞳子さんっ!!」
「お、いたいた」
二人が駆け寄ってきた。
そのまま、手前で止まるのかと思ったけど、胸元に飛び込んできた。
「リリリリーラちゃん!?」
【アダマン・フルメイル】越しのせいで、リーラちゃんの柔らかさが、あまり伝わって来ないのがうらめしや…
「瞳子さんが、降りる暇なく次々と穴を開けていっちゃって、ボスの部屋に落ちていくのが見えて!!それで私!!」
「オレは、別に死なないだろって言ったんだけどよ?」
まぁ、青騎士の言う通りなんだけどね…
「ところで、そっちの娘は誰だ?」
「ふぇぇ~」
「あー、新しい仲間。だね」
「「えっ?」」
お、ハモった。
リーラちゃんは可愛いけど、青騎士なぁ。
顔は整ってるんだけどねぇ。
「うん。新しい仲間の、【ゴブリンロード】ちゃん」
「「…………えぇぇぇぇぇぇっ!?」」
「ひゃぅっ!虐めないで下さい!!」
青騎士にしては良い反応良い反応。
さて、どうなる事やら。
次回投稿予定日は、『鋼鉄のフロイライン』も更新しないといけないので、明後日くらいになってしまうかもしれません。
『何それ漢字豆知識クイズー!パチパチパチ
このコーナーでは、普通使わない単語やトリビアな漢字の読み方とかを出題します!
正解しても何も無いけどね。
それでは行きます!
『尉鶲』
これはなんと読むのでしょうか!
出来ればパソコンで調べるのはやめましょう。
そして、前回の答えの発表です!
『戯』と書きまして、『そばえ』と読みます。
そばえとは、ある場所にだけ局地的に降っている雨。または日が照っているのに降る雨です』




