表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
31/113

ゴブリンロード(1)

短いです。

「じょ、冗談はこのくらいにして…先に進もう!」


い、今は堪えるんだ!

ご褒美はもうそこまで来ているんだぉ!!

ウヘへ…


「まったく、瞳子さんったら」

「あー、まぁ、瞳子だからな」

「マスターですから」


あれー、何だろうなぁ。

このアウェイ感は一体何処から来たんだろうか。

まぁ、所詮コイツですから?…みたいな。

畜生!早く何とかしないと、手遅れになってしまう!いや、まだ事を起こすのはムフフの後で充分なはずぅ…


「じゃあ、一回部屋を出てから、穴開けるぉ」


扉を開け、開けて、開かな、開かない…っと。

開けよ!?

何で開かんの?


「どうしたんですか?」

「いやぁ、なんか扉が開かなくて…」

「なぁ、ダンジョンの扉は内開きだぜ?」

「…………」


な、なん、だと…?

内開きだぁ?

…………そ、そんなバナナ。

大魔王であるこの私が、ダンジョンの扉ごときにぃぃぃ!?


「べ、別に知ってたんだからねっ!!全然恥ずかしくなんかないんだかんね!!」

「うわぁ…居るよな、こう言うヤツ」

「瞳子さん…」

「マスター…」


墓穴を掘った…

なんか反射的に言わなきゃいけない気がして、言っちゃった…

みんなの眼がぁっ!眼がぁぁぁっ!?

……ちょっと濡れて来たぉ?


「さ、先に行ってるぉ!!」

「あっ!瞳子さん!?」


とにかく地面をぶち抜いて、ぶち抜いて、連続でぶち抜ぬく。

あ、あれ?何か眼から汗が…

きっと、埃が入ったに違いないぉ…


「マ、マスター!!」

「え?」


三枚目の地面をぶち抜いた瞬間に、浮遊感が身体を襲う。

どうやら、無意識に十五階層の天井をぶち抜いてしまったらしい。


やっちまった…


「わぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?!!」

「マスターっ!!」


おおお!!

地面が迫ってるぅぅ!?

浮遊魔法はもう間に合わないぉ!!



ドゴーンッ!!


ゴキャメキョグシャッ


「ふぶべれぇっ!!」



が、顔面…メキョッて、メキョッて…

超痛い…

アホみたいに痛い…

ヘルム被ってるから、中で顔面が暴れて、何度もぶつけたぉ…


それに間違えてボス部屋に、顔面から直行とか…ホント勘弁して下さい。


痛む顔を上げると、見慣れては無いけど、何時もの苔むした部屋が見えた。

だが、部屋は薄暗く、遠くの方は全然見えない。

幸い立った状態から、足元を確認する位の明かるさはある。


「いたたたた…み、ミルクたん。大丈夫?」

「な、何とか大丈夫です…マスターのお陰で助かりましたぁ」


ん?私何かしたっけ?

したと言えば、顔面着地位だけど。

もう落下は勘弁して…


もぞもぞと、甲冑の胸甲の隙間から、ミルクたんが出てきて私の手のひらに移る。


「マスター、ここはボスの部屋ですよね?」

「そだぉ。そうなんだけど、肝心のボスが見当たらないんだよね」


今日はお休みかなぁ。

てか、そもそも魔物にお休みなんてあるん?


右を見ても左を見ても、ただ薄暗いだけで、ボスは見当たらない。


試しに上を見ると、天井がブニュブニュ蠢きながら、天井に開けた穴が塞がっていく最中だった。


うへぇ、別な意味でグロいなぁ。

出来れば死ぬまで見たく無かったぉ。


「マスター、居ませんね…」

「居ないねぇ。スト起こしてるのかなぁ。ダンジョンの雇用制度に」


それか、ダンジョン内の政府に不安を抱いて、メーデーとか起こして、【ゴブリンシャーマン】とかがゲバ棒振り回してるとか。

ちょ、ちょっと想像出来てしまう私がいる…


でも、以外にありそうだから恐いよね。


私の手のひらでキョロキョロしていたミルクたんが、急にビクッてビクついて、恐る恐ると言った感じに私の顔を見上げて、小さく悲鳴をあげた。


え?私の顔に何かついてるん?

と言うか、少し傷付いたぉ。

まぁ、ヘルム被ってるけどね。


「マ、マスターぁ……う、後ろですっ…」

「後ろ?」


まさか、これはゾンビ映画でよくあるパターンでは?え?私死ぬんかぃ。


恐る恐る振り向くと、先ずは脚甲に包まれた足が見えて、視線をジョジョに上げて行くと、草摺のある鉄製の胴丸。そして、ハルバートを振り上げているヘルムを被った、リーラちゃんと同じ位の身長のヤツが、立っていた!


「あんぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁッッ!!!?」



シュゥンッ!←ハルバートを振り下ろす音


ガンッ!←刃がヘルムにぶつかった音


「痛っ!?」←痛かった



ヘ、ヘルムが無ければ即死…になるかは分からないけど、だったぁぁ…

あ、おしっこチビっちゃいそう。


全身ガチガチの騎士甲冑は、弾かれたハルバートと、私のヘルムを交互に見比べて、再びハルバートを振り上げる。



ガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガン!!


「ぁ痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い!!」



【ゴブリンロード】と思われる騎士甲冑は、連続でハルバート振り下ろし始めた。

しかも、ちゃんとヘルムを狙って。


振り下ろされている方は、堪ったもんじゃ無い。


「や、止めぃ!!ちょっ!?をぃ!!」


ガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガン!!


「止めぃと言っとるだろうがっ!!」


闇の大魔王であるこの私の、灰色の脳細胞がつまった頭を叩き続けるとは許せん!!


「とうっ」

「ぬぅっ!?」




『何それ漢字豆知識クイズー!パチパチパチ

このコーナーでは、普通使わない単語やトリビアな漢字の読み方とかを出題します!

正解しても何も無いけどね。

それでは行きます!


『戯』


これはなんと読むのでしょうか!

出来ればパソコンで調べるのはやめましょう。

そして、前回の答えの発表です!


『万年青』と書きまして、『おもと』と読みます。

おもととは、ユリ科の常緑多年草で、葉間から緑黄色の花が咲き、赤い実をつけます。観葉植物がお好きな方は、お分かりになったかもしれませんね』

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ