赤騎士参上
短いです。
あと、『鋼鉄のフロイライン』の方で始めた、漢字の読み方クイズ的なものを後書きを使って、記念すべきこの第30話から始めたいと思います。
「あ、あの…瞳子さん」
「どうしたの?」
リーラちゃんには、一人で戦わせたりしないぉ。
なんたって、私のヒロインちゃんですからね!
青騎士は別にいいけど。
「変態さんだけで大丈夫なんでしょうか」
「多分大丈夫じゃない?戦闘力は高そうだし、〈血の呪い〉が発動したら、もっと凄いから」
「そうなんですか?」
「そうなんです」
まぁ、もっとも?
ゲーマー達も〈血の呪い〉を発動させないように、モンスターの背後から攻撃して、直ぐに無敵判定のローリングしたり、魔法しか使わなかったりしてたけどね。
特に、高レベル所帯は気を配らなくちゃいけなかったかなぁ。
「マスター!見てください!!」
胸元からミルクたんが顔を出した。
いやん、そんなモゾモゾしないでぇぇ!
…すいません。
おぉ、見事に深紅のオーラが出てますのぅ。
青騎士が赤騎士になってるよ。
一体、どんだけ返り血浴びたん?
辺り一面、両断された魔物で一杯になってて、阿鼻叫喚の地獄絵図状態になってる。
内臓デローン、脳ミソこんにちは、目ん玉ポロリもあるよ…
全然嬉しく無いよっ!?
目玉のポロリとかっ!?
濡れる訳無いでしょ!?
赤くなった青騎士は、中二オーラを吹き上げながら、未だに壁の穴から湧き続ける魔物とヒャッハーしてる。
もう、完璧に〈血の呪い〉が発動しちゃってるね…
さて、もう少し観てますか。
「瞳子さん、その〈血の呪い〉って何ですか?」
あ、そっか、まだリーラちゃんには説明して無いんだった。
「えっとね、血を一定量浴びると、狂乱状態になる訳で、ほとんど怯まなくなってスーパーアーマー状態と、攻撃力が跳ね上がるけど、敵味方無差別に攻撃し始めて制御が出来なくなるんだぉ。タチが悪のは、バーサーク状態と違って防御力が低下しない事かなぁ」
レベル100の拳闘士が、〈血の呪い〉で狂乱した時は酷かったよ…いやホント。手がつけられなくて、カンスト魔法使い50人で囲んで、一斉に超級ぶっぱなしてやっと止まったからねぇ。
だけど、他人のレベルは見えない…と言うか有るのかすら分からないけど、多分青騎士なら止められる。
はず。
「全然、大丈夫そうじゃ無いじゃないですか!?」
「大丈夫だ、問題無い…はず」
「瞳子さん…」
「マスター、他の宝箱開けないんですか?」
り、リーラちゃんのジト目が痛いぉ!
何だか物理的威力を伴ってるぉ!
こ、ここは一つ…ミルクたんの策に乗って、やり過ごすしか無いぉ!!
「そ、そうだね!!青騎士に戦わしてる間に、残りの宝箱を開けてみようか!」
「…瞳子さん、逃げてませんか?」
「ななななんの事でしょ!?」
ま、まぁ、取り敢えず開けよう。
どれどれ、青騎士は真ん中を開けたから、右を開けてみよう。
「ではでは…御開帳」
ガチャ
お、何だか入ってる。
何だろ。
テロレロテロレロテロレロテロレロ、テテテテーン!ポロン…
『トライフォー…じゃなくて、神憑りな疾風のシミターを手に入れた!』
なんちって…ホントやってみたかっただけなんです…ヤれって私強要されて!?
「…ホントすいません」
「瞳子さん、誰に謝っているんですか?」
「それはもう、読…何でも無いよ!」
「それより、なんでしょうね。【神憑りな疾風のシミター】って」
「さぁ、武器なんじゃない?装備すると速くなるとか」
どっかで、こんな感じの武器が出てくるゲームやった事あったなぁ。
まぁ、よく分からないけど、ダガーとか使うリーラちゃんにあげた方が良いよね。
「これはリーラちゃんにあげるぉ。私、短剣系の武器はあまり使わないからさぁ」
「良いんですか?」
「良いの良いのぉ、なんたってわたしゃ大魔王だからね!ふぅっはっはっはっはっはっはっはっはぁ!!」
まぁ、斥候系の職業にはあまりなりたく無いからなぁ。
装備出来なくは無いけど、装備ボーナス的な面を考えると、やっぱねぇ。
大体、素早さが命の斥候系に、こんな重い【アダマン・フルメイル】なんて着せた日には、あっという間にやられちゃうもんね。
だからって、軽装備だと天敵の日光を防げないから、斥候系にはなりたく無い訳ですよ。
「あ、何だか、かなり素早く動ける様な気がします!」
早速、あのシミターを装備してるや。
ウヘへ…軽くジャンプしてるリーラちゃん…胸当てが上下してるぉ!
後でマッサージしてあげるからね!!
「…ムフフ」
「どうしました?」
「な、何でも無いぉ!?それより、最後の宝箱を開けよう!」
「そうですね。何が入ってるんでしょうか?」
「フムフム、よいしょ」
ガチャ
ビーッ!!ビーッ!!
うわぁ、やっちまったかなぁ…
人の事言えなくなっちゃうじゃん。
暫くすると地響きを立てながら、壁の隙間が閉じた。
「あ」
おぉ、これはこれでちょっと不味いかも…
青騎士が、涎を垂らしながら最後の一体を袈裟斬りにしちゃった。
うへぇ、ばっちいなぁ…
だけど、これは本格的にヤバいぞ。
狭い部屋に、狂乱状態の人間と一緒とか。
「グルルルルル…」
うわぁ、こっち見た。
「こっち見んな!」
「と、瞳子さん!?」
涎垂れ流しながら、眼をランラン光らせちゃってまぁ。
今にも襲い掛かって来そう…
「グルァ!」
ほら来た。
その意気やよし、蹴散らしてくれよう!
まぁ、剣で攻撃したら死んじゃうから、拳かなぁ。
「グルル」
片手で、ミスリルの片手剣を振り回して来た。
やべぇ、ちょっと速いぞ!?うわっ、かすった!
「青騎士のクセに!とうっ!」
華麗な右フック、は避けられた。
ば、バカな…ならば!
流れる様な左ストレート!は避けられた。
お、おのれ!?青騎士の分際で!
惚れ惚れするような両手パンチ!も避けられた。
くぅっ!ひょいひょい避けやがって…
ならば、最終奥義だ!!
「……あっ!」
青騎士の背後を指差す。
これには引っ掛かるはず!引っ掛かから無かったら、もう、ねぇ?
「グルゥ?」
ふぅっはっはっはっはっはっはっはっはぁ!!
さすが青騎士クオリティー。
食らえ!もう何だか良く分からないけど凄いパーンチ!!
…は避けられた。
な、なんだってー!?
とでも、言うと思ったか!!
私にはすべてお見通しよ!!
既にタックルに移ってるもんね!!
渾身の捨て身タックルは避けれまい。
ふぅっはっはっはっはっはっはっはっはぁ!!
「グルァ!?」
ガシッ!
「ムフフ、捕まえたぉ。子猫たん?」
「瞳子さん…」
逃がさんぞェ…
「こらこら~、暴れんなや」
「グルッ!?グルッ!!」
ほんじゃぁ、さっさとやりますか。
「マインドリカバリー!」
スッと、青騎士のオーラが退いていく。
よし、上手く行ったみたいだね。
え?私こんな所でムフフするつもりないぉ?
ともあれこれで【捕らえるロープ君】は温存出来たぞ。
あれは、大いなる計画の為に使わなくてはいけないからね!!
「あれ?オレは一体…?」
ちゃんと元に戻ったみたいだね。
「…で、お前は何処を揉んでんだ?」
「何処って、このけしからんオππですけど。何か?」
「何か?じゃねぇだろ!?」
「……瞳子さん?」
「……マスター?」
おぉぅ、背中に当てられている、尖った物は何だろうなぁ…アハハハ…
BBBBBBBBB
青騎士の変化が止まった。
『今回から始まりました~、何それ漢字豆知識クイズー!パチパチパチ
このコーナーでは、普通使わない単語やトリビアな漢字の読み方とかを出題します!
正解しても何も無いけどね。
それでは行きます!
『万年青』
これはなんと読むのでしょうか!
出来ればパソコンで調べるのはやめましょう。




