商業区一番の喫茶店…(1)
すいません、昨日今日、投稿予約をしたと思っていたら、手違いで出来ていませんでした…申し訳ありません
あ、あと短いです
「今回はこのお店です!商業区で一番人気の喫茶店ですよ!」
「おぉう…!」
ダンジョンを出た後、リーラちゃんに導かれ、北商業区のとある一角に連れて行かれた。
外から見ると、中々オシャレな雰囲気がする。
なんか、人はたくさんいるけど、隠れ喫茶店みたいな感じがする。
リーラちゃん曰く、商業区一番人気の喫茶店だけあって、かなり席が埋まっていらっしゃる。
うーむ、これだけ繁盛してたら不味いモノは出ないよね。
いや、出てくるはずがない!と、思いたい…
「いやー、やっぱ王都って活気があるな!オレの故郷じゃこうはいかねぇな」
別に誰もおまいの故郷の事など聞いとらんわ…
しかし、お昼だから人がいかんせん多いなぁ。
座れるん?
いざとなれば、最近大魔王プァワァーでコミュ力アゲアゲなこの私が、ちょちょいとやったれば良いけどね!?
「瞳子さん、あそこが空いてますよ!」
リーラちゃんが、シックな雰囲気の店内の、角の席を指差した。
ちょうど、座ってた人がお会計しに席を立ったところみたいだね。
「行きましょう!」
「マスター、どんな美味しい物が出てくるか楽しみですね!」
なんか二人ともスゴい張り切ってるね…
ロウソクと灯りの魔法を使っている、結構明るい店内に入って行く。
多分、アロマなロウソクを使ってるんだとおぼしき、ラヴェンダーな香りが、辺りを漂ってくる食べ物の臭気と混じって…お腹すいたぉ!これはお腹がすく香りだぉ!?
とにかく、さっさと座っちゃお。
「ふい~、どっこらせ」
四つ席の、壁際の奥の席に腰掛けた。
リーラちゃんは私の隣で、青騎士は向かい側に座った。ミルクたんは、
うーん、今回は当たりな気がしない事も無いよねぇ。座ったら直ぐに店員さんがお冷や持って来るし。
「良い雰囲気のお店だね。期待期待」
ふふん!とリーラちゃんが慎ましいオπを突き出して胸を張る。
どれ、揉んでみよう。
…ウヒヒヒ。
モミモミ、ちょっと成長したかな?
「あんっ…瞳子さん!」
「ウヒョウヒョウヒョ!!相変わらず良いオπしてるよぉ!」
「だから!瞳子さん、おじさんみたいですよ!」
「お、おじさん。リーラちゃんをペロペロしたいんだな!」
リーラちゃんにいたずらしていたら、店員さんがメニューを持って来たから、一旦止める。
もちろん、一旦だよ?一旦。
メニューが目の前に出されたんだけど、なんかおかしい…目の錯覚かなぁ…国語の教科書並みに分厚いんだけどぉ…
なんか、三人はキャピキャピ騒いで捲ってるけど、これって普通なわけ?
『練乳ステーキ』
おう・
『アンデッドプギーの脳餡掛けかき氷』
おおぅ・・
『グルーミークラブの臓物タルト』
おおおぅ・・・
等々…地雷臭しかしねぇ!?
いや、地雷そのものだよっ!?
これは未知との遭遇ならぬ、死神との遭遇だよ!?
死ぬでしょ!アンデッドの脳ミソ食べて平気な筈が無いよ!!
この店を見た時の儚い希望を返して!?
僅かに雰囲気に掛けた私の希望を返してよ、ねぇ!?
しかも、そんなゲテモノな料理で埋まってるメニューなんてメニューじゃねぇ!?
畜生めーーーっ!!!!
ヒィィィィィ!!
「瞳子さん瞳子さん!何食べますか?」
「わ、私は今回は良いかなぁ…」
食べたら死ぬかも知れないし。
「でも美味しそうですよ?この『フルーツとキラービーのはらわた盛り合わせ』とか、瞳子さん好きそうじゃないてすか」
いやいやいやいや…誰が好き好んでデカイ蜂のはらわたなんて食べなきゃいかんの!?
これはあれだよ、食べた直ぐ後に料理人が来て、すみません毒線取るの忘れてましたぱてぃーんだよ。
悪意を感じるよねぇ。
「じゃあ、私の頼んだ物を一緒に食べません?」
「い、いやぁ…食べよう、かなぁ?なんて」
「私もマスターと一緒に食べたいです!」
「おぉう…」
に、逃げ場が無い…どどどどうしよう!?
このままでは、成り行き的に食べざる負えない状況になってしまう…
「店員さん!バイオレット・ヒップモンキーの腸詰めバニラアイス大盛り二つくださーい」
「はい、ただいま」
リーラちゃんが、向こう側にいた店員さんに手を上げて注文してしまった。
笑顔で店員さんが注文を取り、奥に引っ込んだ。
終わりだ…終わった…
なんと言うモノを注文してくれたんや…
これは猿の呪いだ…そうに違いない!
ち、畜生!お尻のバイオレットなモンキーの腸詰めにされた、バニラアイスなんて美味い筈が無いぉ!
絶対殺す気なんだお!
「おい、ライデンシャフト・ヴァルカーン・ヴィントホーゼ三世」
「な、なんだよ」
「お前名前長いんだよ」
「知ってるよ!!」
「んで、ライデンシャフト・ヴァルカーン・ヴィントホーゼ三世も腸詰めバニラアイス食べる訳?」
「当たり前だろ。何言ってんだ?」
だ、ダメだ…
青騎士も食べる気満々だぁ。
一体どうすれば?
いや、どうしようもない…
「ところで、瞳子さん」
「……はっ。な、何?」
一瞬絶望で意識が飛んでたよ。
「どうせ瞳子さんの事ですから、今日ギルドに行ってもランクアップしますよね?」
「ま、まぁするぉ。だけど、ギルドに行くとしたら明日だね」
「どうしてですか?」
さも不思議そうに、リーラちゃんが首を傾げる。
ウホッ、かわええ~。
「まぁ、昨日今日でランクアップしたら、怪しまれそうだからかな?」
「確かに怪しまれそうですね…だからそれを避けたい訳ですね?」
「そう言う事!……ふ、ふぅっはっはっはっはっはっはっはっはぁ!!」
「失礼します、お客様。大きな声は他のお客様のご迷惑になりますので、お控え下さいませ」
「すすすすみません!?ごめんなさいもうしません…!」
ダンディーなお髭の店員さんが、にこりと笑って一礼して、業務に戻って行った。
お、怒られてしまった…
場所に気を付けよう…
よいこのみんなは、ゼッタイにマネしないでね!
「まったく、ダメなやつだな」
「おい青騎士。お前にだけは言われたくないよ」
くそぅ、青騎士にダメ出しされるなんて、屈辱だぁ…
少しして、先程のダンディーな店員さんが、お皿に乗った不気味な物体を持って来た。
明らかに食べて良い物の気配がしない…
デローンとした赤黒い腸に、バニラアイスが詰まっているらしく、膨らんでる。ぶっちゃけ、見た目は出来立てホヤホヤのソーセージ。
いやぁん、なんかエッチだわぁ~…すいません。
「お待たせ致しました。バイオレット・ヒップモンキーの腸詰めバニラアイスをお持ち致しました」
音も無く、ソーセージが幾つか乗ったお皿をテーブルに置いた。
少し生臭い…
アロマな香りは、実はこれの臭いを隠す為だったんじゃないか?
ヤバいぞ…これはヤバい!?
「んじゃ早速。一口頂きますよっと」
ホクホク顔の青騎士が、両手を擦り合わせた後に、ナイフでソーセージを切って、口に入れる。
もぐもぐと咀嚼して、ピタリと動作が止まった。
なんか、短くて申し訳ありません。




