かっこいい本名…
題名なのですが、例の青騎士さんの本名についてです。
まぁ、名前についての突っ込みは勘弁してください…
あ、そうそう、性懲りも無くまた新しい異世界トリップものを書き始めたので、宜しければ見て行って下さい。
作品名は『鋼鉄のフロイライン』です。
「だらぁっ!」
掛け声と共に、六階層にポップする敵、【グルーミークラブ】が紫色の体液を撒き散らしながら、真っ二つになった。
「へへへっ、どうよ!」
あの青騎士が、ドヤッ顔で笑ってくる。
なんかウザい。
第一、どうよ!って言われてもねぇ。
「ウン、スゴイスゴイ」
「なんかスゲー棒読みなんだが…」
「うーふーふー」
青いどう見てもタヌキ型ロボットみたいな笑い方してやったった。(ドヤッ)
何でコイツが居るかと言うと、朝部屋を出ようとしたら、天井から吊り下げられたままになっていた某青騎士が、必死になってお願いしてきたから、仕方なぁく連れて来たのであって、決してこの私が哀れに思ったから、天井から降ろしてあげたとか言う訳じゃ無いんだからね!!
……なに言ってるんだろ。自分でもよく分からなくなって来たぞ?
「と、とにかくだ!オレだって、この位なら戦えるって言いたいんだよ!」
「そうかい。で?」
「で?は幾らなんでもねぇだろ…と・に・か・く!」
「や・ら・な・い・か」
「意味わかんねぇよ!!良いか?オレは【シルバーランク】だ。だから多少は役に立つ筈だ!だから、少しだけ一緒にいさせて欲しいんだ!」
うわっ、なんですか。
なんかプロポーズみたいに聞こえてきた…と、鳥肌がっ!?
「悪者が良くそんな事言えますね!」
「そうです!マスターにダガー投げたクセに」
「うぐっ…痛いとこ突いて来んじゃねぇかぁ…」
あー、なんか変なの混ざったせいで、姦ましくなった気がするぅ~。
昨日までの、リーラちゃんとのラブラブ冒険、カムバーック!!
「な?良いだろ!頼むよ!このままじゃ国へ帰れねぇんだよ~」
「って言われてもなぁ…」
腰にしがみついて来る。
なんかやけに必死過ぎない?
もう後には引けない様な顔してますけど…
「し、仕方無いなぁ…この大魔王である『暗黒院艶子』名において、貴様がついて来る事を許す!ふぅっはっはっはっはっはっはっ…」
「あれ?さっきから瞳子って言われて無かったか?」
「……ぬぐぅっ!?」
い、痛い所突いてきやがって…
こうなったら!
「…黒森瞳子です…」
普通に自己紹介してやった方が楽っ!
「あっ、ご丁寧にどうも、ライデンシャフト・ヴァルカーン・ヴィントホーゼ三世です」
……………………………え?
何そのかっこいい名前。
厨二なの?ねぇ、厨二?
三世って何?
私のソウルネームよりかっこいいじゃん。
何それ。それって許されるとでも思ってるの?
「それって偽名だよね」
「まさか!バリバリの本名だよ本名」
くそーっ!!
そんなイカした名前が本名だと!!
舐め腐りやがって!!
私なんて黒森瞳子だぞっ!!畜生めーっ!!
許さん、絶対にだぁぁぁっ!!
「…………」
「お、おいっ…黙るなよ!一体どうしちまったんだ?」
「それは、マスターの別名よりかっこ良かったからじゃないですか?」
いや、別名じゃなくてソウルネームだけどね!?
なんか口でツッコミいれるのもダルくなってきたぉ…
「な、なんか悪かったな」
「……………リーラちゃんミルクたん、青いのは放って置いて、さっさと下の階層に行こうよ」
「良いですね、瞳子さん!」
「名案ですマスター!」
「ちょっ、おまっ!?」
まったく、恩を仇で返された気分だ。
畜生っ、全然悔しくなんか無いもんね!!
あんなヤツは放って置いてさっさと下の階層に行ってやるっ!!
貫通魔法で地面に穴を開け、浮遊で下に降りる。
リーラちゃんは、こないだみたいにヒラリと飛び降りる。
一体どうやったら、足を傷めないんだろうか。
「おぉい!!オレを置いてくなーっ!!」
後ろが騒がしいけど、振り向くのが面倒くさい。
変態が、後ろから追い付いて来た。
どうやら、穴から同じ様に飛び降りて来たようだ。
実にしつこいヤツだ。
「意味わかんねぇ…ダンジョンの床ぶち抜くとか…」
「チッ…」
「うわっ!エルフに舌打ちされた!」
「ペッ」
「唾吐くピクシーとか初めて見たぞ!」
「さっきから一人でリアクションばっか取りやがって、面倒ヤツだなぁ」
追い付いて来たと思ったら、今度は驚いてばっかり。まったく、どうしてこうなった?
私のせいか…
えぇい、こうなりゃ自棄だ!!
もう、こんなヤツが入って来た以上!
本物のウハウハ美少女ハーレム男は帰れを作りあげちゃる!!
「ふぅっはっはっはっはっはっはっはーっ!!」
そう!ハーレムだよハーレム!!
毎日かわいこちゃんを侍らせて、朝から晩までムフフな事ばっかしてやるんだかんな!!
「ふぅっはっはっはっはっはっはっ!!」
世界中から集めてやる!
どうせ元の世界には戻れなさそうだし、と言うか戻りたく無いし。
「ふぅっはっはっはっはっはっはっ!!」
「あの瞳子さん」
「はっはっはぇ…!?」
「瞳子さんの笑い声で、魔物が集まって来てるんですけど…」
気付いたら、辺り一面敵だらけ。
どどどどうしよう!?
笑い過ぎたかなぁ!?
「マジかよ…ひい、ふう、みい……ザッとキラービーだけでも50は居るぞ…」
着ている甲冑みたいに真っ青になって、ちょっと震えてやんの。
私も言えたもんじゃ無いけど…
「…どうします瞳子さん…何か無いですか?」
「何か何か…範囲魔法で吹き飛ばすとかぁ?」
「それって、私達も巻き添え食らいませんか?」
「うっ……」
リーラちゃんの眼が恐いぉ!!
そんな眼で見ないでぇぇ…なんか興奮してきたぉ?
「じゃあ、また地面に穴を開けるとかは?」
「下はボスの部屋です」
「ううっ……」
な、何も出来ない…
魔法が使えないとなると…何時もみたいにやるしか…
「…私が斬り込むよ」
【吸魂のフランベルジュ】を召喚して、肩に担ぐ。
「お、おい!あんた魔法使いなんだろ!?剣士みたいに甲冑着てるがよ…不味いだろ!そもそも、その大剣どっから出したんだよ!?」
心配してくれるのは嬉しいけど、いかんせんうるさいのがねぇ…
まぁ、今は目の前の連中を片付ける事だけを考えなきゃねぇ。
「瞳子さんなら大丈夫ですよ。はっきり言って、悪者よりは全然強いです」
「オレは悪者なんて名前じゃねぇぇー!!」
やっぱり、あの青いのうるさいなぁ…
いっそのこと洗脳でもして、私好みの性格にしちゃうとか…グフフ…それアリかも。
「それでは、行きますよっと…」
蛇の様に波打った形の刃を持つ大剣を握りしめ、目を爛々と光らせている魔物の群れに飛び込んだ。
これから少し、更新が不定期になりがちになってしまうと思いますが、どうかご容赦を…
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