色々あったんです。
少し短いです。
〈エマージェンシーコード発令〉
〈ガードシステム:オートガードプロトコル起動〉
〈審議中〉
〈審議中〉
〈審議中〉
〈対象近辺に脅威度を察知〉
〈脅威度:中〉
〈最終審議中…システム:オートガードプロトコル…可決〉
〈可決〉
〈可決〉
〈エラー…問題を検出〉
〈再度実行〉
〈エラー…問題を検出〉
〈ワールドによる干渉〉
〈脅威度:大〉
〈外部リソースのシャットダウン〉
〈許可〉
〈許可〉
〈許可〉
〈外部リソースのシャットダウン、シーケンス〉
〈3〉
〈2〉
〈1〉
〈外部リソースのシャットダウン、成功〉
〈ワールドからの干渉を阻止〉
〈提案…肉体干渉の限定解除〉
〈審議中〉
〈審議中〉
〈審議中〉
〈最終審議中………肉体干渉の限定解除…可決〉
〈可決〉
〈可決〉
〈オートガードプロトコル…起動式をシフト〉
〈調整中〉
〈エラー、システムに深刻な問題〉
〈解決を模索〉
〈…〉
〈……〉
〈………〉
〈起動式リカバリー、問題を解決〉
〈ガードシステム:オートガードプロトコル…再起動、シーケンス〉
〈3〉
〈2〉
〈1〉
〈再起動、成功〉
〈システムシャットダウン、シーケンス〉
〈3〉
〈2〉
〈1〉
〈システムシャットダウン〉
▲Δ▲
地中海の太陽光を浴びて、サンマルコ寺院の白煉瓦が白亜に輝いている。
キラキラとゴンドラのオールが作り出した軌跡にその姿が映り込み、とても美しく思った。
隣を見ると、東介(父)と母さんが見える。
二人とも笑っていた。
あぁ、これは昔の記憶だ。
まだ私が小学生だった時に家族で旅行に行った記憶。
まだまだ、私と東介が仲の良かった時の記憶。
「Valore che non è piacevole?」
そう声を掛けられて、頭を撫でられた。
見上げると、健康的な小麦色の肌をした筋肉逞しいお姉さんが居た。
この時、言われた言葉の意味が分からかった気がする。
そして、更に困惑してたらお姉さんがカタコト日本語を言ってきたんだよね。
「楽シ!楽シ!イタリア良イトコネ!」
そうそう、こんな感じ…
あぁ、いまごろ母さん心配してるんだろうなぁ。
雄輔の筋肉マッチョ見たらどうなるんだろ。
視界が白く靄の掛かる様に薄れて行く。
○ω○
目が覚めると、そこは
「知らない天井だぁ…」
何処やねんここは…
「あ、瞳子さん起きましたか?」
隣から、こちらを心配そうに見詰めるリーラちゃんと欠伸をした朱点が見えた。
「ここは?…っ」
身体を起こそうとすると何故か筋肉痛の様な鈍痛が体全身から感じ、全く動かない。
無理に動かそうとすると、足の指先や手首などが動くことから神経系がやられてマヒしていると言うわけでは無いので、ひとまず安心出来た。
「【ハイ•ヒール】」
淡い緑色の光が自分を覆い、ほんのり暖かさを感じた後すぐ消えた。
それでなんとか身体が動かせる様に出来た。
どうやら、馬車の中に居た様だ。
私の他にも乗客が居るらしく、あのオカッパ頭のパッツンと私が蹴散らした戦乙女、そしてベアト。
パッツンと戦乙女達は隅の方に追いやられている。
「ふむ、座らせられてるけど、そっちの三人娘達はいまだに意識不明なんだね」
むしろ、職業【侍】の最上級である【刀神】の手加減無しでぶっ叩いたのであるから、こんな短時間で復帰されてはこっちの方がダメージ大きい。まぁ、明らかに神器な鎧を着てたし命に別状は無い筈である。
「ええ。それと、覚えて居ると思いますけどケイさん…勇者の事ですけど、今は外で御者をしてます」
「へぇ、勇者(笑)がねぇ。と言うか、おにゃのこを弄ってた辺りから記憶が飛んでるんだけど、リーラちゃん何か知らない?」
「はて、何のことですか?それと、またケイさんに攻撃された事を覚えてないのですか?」
んんー?
どう言うこと?何か話が噛み合ってないなぁ。
時を遡ること数時間…
「何っ?!」
急に儀礼剣を抜いて突撃して来た勇者(笑)に、完全に油断して居た朱点が驚きの声を上げる。
明らかにこのままでは意識不明の瞳子に凶刃が届いてしまう。
朱点が咄嗟に己の爪を刃の進行方向に差し込むが、巧みに避けられて真っ直ぐ瞳子の首筋へと向かう。
振り返ったリーラと朱点が間に合わないと思った瞬間。
ギャリッ!
完全に意識を失っている筈の瞳子が右腕を上げ、手のひらで完全に防ぎ切った。
それどころか、周りから見ている連中からしてみれば何処にそんな膂力があるのかと疑問に思わせる程の力で、掴み取った儀礼剣を握力のみで粉砕したのだ。
幾ら聖剣からの神気を失ったとは言え、この儀礼剣単体でも相当の大業物である。
そんな代物を手のひらで受け切ったどころか、あろうことに粉砕せしめて本人には傷一つさえ無いのだ。
冗談も良いところである。
「I confirm a menace of the hostility power. I start automatic defense at this.」
項垂れて居た瞳子の頭がグリンと上を向き、真っ黒なヘルムの奥から赤く煌々と光る眼かこちらを向いた。
本能的にゾクッと悪寒がした勇者(笑)は、急遽距離を置こうをバックステップを試みるが、今になって誰かに強く掴まれている事に気が付いた。
掴まれている片腕を見やると、完全にキレて無表情と化した朱点がガッチリと腕を掴み、さらに莫大な妖力を用いての呪術を発動させ、勇者(笑)の影その物を縛り付けて居た。
朱点もただ宙に浮いて居る黒髪の怖い食人お姉さんではなく、歴とした本物の大妖であり源頼光や渡辺綱や坂田金時を京まで出張らせた程の実力の持ち主なのだ。ただ、周りの環境が彼女の能力を発揮させて居なかっただけなのである。
純粋な腕力だけでも、瞳子の【拳闘士】と同じくらいあるのだ。
最も、職業【拳闘士】や【魔法使い】は最下級の職業であり、瞳子の最初から最上級を使っていたらパワーインフレ過ぎて面白くないのと考えから、陽の目を見ていない。
しかし、最下級の職業とは言えレベルカンストして居る時点でそれはもう最下級とは言えない程の能力を有しては居るので、朱点の腕力は相当なものということになる。
一瞬の事とは言え、最上級の【刀神】を用いた全力の一閃で、物理的に引き千切られなかった戦乙女達は、運が良かった事と鎧が力を振り絞って守り切ったと言う事の二つが重なって出た結果である。
そんな朱点の剛力と影ごと縛られている勇者(笑)は、当然身動き一つ取れる筈もなく、朱点の考える事も恐ろしい様なお仕置きと、死に掛ける毎にリーラに強制回復させられると言うある種の拷問を受け、自尊心をバッキバキに砕かれたのであった。
「ひょえぇぇぇ、そんな事があったんだぁ」
「途中ですぐに瞳子さんも意識を失うし、大変だっんですからね」
「いやはや、ご迷惑をお掛けしました」
そうしている内に、大トンネルを抜けた。
途中のイタリア語文法と英文法で、おかしなところがあったら教えて頂けると幸いです。
なんせ、翻訳アプリだよりなもので…




