マイ雑貨屋と小鹿亭
どうも、私です。あの後、三件もの感想が寄せられました!
皆様からの感想がとても嬉しかったです…眼から汗が…
それに評価もして頂いて、ヒ〇キ感激!!…ネタが古いですね…
今後もよろしくお願いします!!
「こちらの人は、これから冒険者になる人です」
「貴女は…?ほう、エルフとは珍しい…こちらの方とはどういう関係で?」
優男の言ったエルフの所で、リーラちゃんの尖った耳の先がピクッと動いた。
何か有るんだろうか。
「旅の途中で寄った村で逢いました。ですが、身元は保証出来ます」
「成る程、ではこちらの方は何処の出身ですか?」
「…ラダナケスです」
おいおい、本当に大丈夫かなぁ…ま、いざとなったら、この私の大魔王パワーでこの街ごと消し去れば…
ふぅっはっはっはっはっはぁ!!
そんな事より、やっぱり王都って言う位だから、王女様とかいるんだよねぇ…
デゥフフ…
ん?何だか優男騎士と愉快な仲間達の様子がおかしい…
「……それは…本当ですか?」
「はい、私が立ち寄ったその日に…」
「そうですか…分かりました。失礼しました。どうぞお通り下さい」
衛兵さん達が引き揚げて行った。
一体全体どういう事?
「ねぇ、リーラちゃん。ラダナケスって何ぞや?」
「ラダナケスは、四ヶ月程前に帝国軍に滅ぼされた王国の街の一つです。生き残りは余りいませんね」
「え゛、そんなウソ吐いて良かったんかいな…リーラちゃんはそこに寄ったって言ってたけど、それもハッタリ?」
「いえ、それは本当ですよ。命からがら逃げて来ましたしね」
おぉう…ヘビーなネタですね…地雷踏む前に話を変えなくては。
そ、そうだ。やっと馬車が門を潜ったんだから、外の景色の話題でも…お?
「…日本語だ…」
「え?ニホンゴ?」
お店の外に垂れ下がっている看板には、絵と日本語で描かれていた。
やっぱり、神聖大陸文字は日本語だった。
オルアケ村で泊まった宿の看板は文字じゃなくて、絵だったから、今まで分からなかったけど。
この世界は識字率が低いのかなぁ。
「うん。私の居た世界の国とおんなじ文字だね」
「そうですか!では、文字を覚えなくても良いですね」
「本当だよね」
本当で良かったよ…私の英語は壊滅的素晴らしさだったからね…
「しかし、地面は石畳だし区画整備もされてるし…結構しっかりしてるんだなぁ」
「当たり前ですよ。なんせ大陸二番目に大きい都市なんですから」
「うーん、最初に聞いた時より納得出来る気がする…」
「し、信用してなかったんですか…」
「いやぁ、リーラちゃんの事は信用もしてるし、信頼もしてるけど、いかんせんソースがね。この程度って言っちゃ悪いけど、日本…私の住んでた国の名前なんだけどね、そこだとこの位の都市ならゴロゴロ有ったからね」
「そう…なんですか…」
あ、リーラちゃんが急に暗く…!
ヤベェ、地雷踏んだかなぁ…
だけど………落ち込んだリーラちゃん…も、萌ぇぇぇハァハァ…
あの、落ち込んで少し下を向いた耳とか、服の隙間から覗く鎖骨辺りとかぁ…たまんねぇ。
「あ、中央大広場に着いたみたいですね」
あれ、落ち込んでたんじゃなかったの?
「皆さんお疲れ様でした。途中ハプニングが有りましたが、無事に着く事が出来ました。私は、二日後にまたオルアケ村まで馬車を出そうと思ってますので、もしお帰りの方はどうぞ」
御者のおじいちゃんが、御者台から降りてきて、後ろの降り口から挨拶をして来た。
律儀な人みたいだ。
「じゃあ、アンタも頑張りなよ!」
おばちゃんにバグされた。鎧越しだったけど、何か暖かかった気がする…何でだろ…
「じゃあね!」
馬車を降りて、おばちゃんと別れた後、取り敢えず宿屋に向かう事にした。
馬車を降りた時、何だか周辺が騒がしかったけど気にしない、気にしない。
さぁ、早く夜にならないかなぁ…グフ…ザクとは違うのだよザクとはぁ!!
ザクで思い出したけど、某赤○彗星さんの、パーソナルカラーが赤いのは、上官の嫌がらせで、塗料を塗らないで錆止めだけ塗ったザクC型を渡したら、それが自分のパーソナルカラーだと勘違いしたから…とか都市伝説で聞いた気がする…
「瞳子さん、ちょっとこのお店に寄っても良いですか?」
「ん?」
急にリーラちゃんが立ち止まり、とある店を指差した。
マイ雑貨屋
私の雑貨屋さんかぁ、どんな物売ってるんだろ。
ちょっと気になるね。
「私も見たいな」
「じゃあ見に行きましょう!」
リーラちゃんに手を引かれ、お店の中に入った。
店内は日当たりが良くて、明るかった。
しっかし、色んなモノ置いてるなぁ…何に使うんだろコレ…
三角フラスコみたいな栓をしてある瓶に入った、コポコポしてる水色の液体とか、何かの足、トゲの付いた野球ボールみたいな何か、胡散臭い丸薬等々…
それらがきちんと整頓されているから、余計異色際立ってる…
一言で言い表すなら
「怪しい…」
「怪しく何か無いもん!」
「ほぇ?」
後ろから声が掛けられた気がしたので振り返ってみたけど、誰もいない。
左右確認…右見て左見て右見て…手を上げて渡りましょう…じゃないよ!?
リーラちゃん以外誰もいない。
ふむ、気のせいかな…
「下!下だもん!」
「したぁ?」
下を見る。
赤毛ツインテールの幼女がこちらを頬を膨らませて見上げている。
身長110cm位で、推定年齢八歳から十一歳位なはず…十分ロリですね分かります。
どうしますか?
①取り敢えず、頭を撫でる
②取り敢えず、謝る
③取り敢えず、まさぐり回す
よし!無難に③だな!
③に違いない!!
どれ、少し具合を確かめてみようかぁ。
うりうりうり…ウヒヒ
ここは、どうだぁ?
ちびっこはやらかいのぉ
「な、何するんだよぉ!や、止め…んんっ!?」
「上の口じゃそんな事言ってるけど、下の口はどうかなぁ」
「口は上にしか無いもんんんっ!」
ウヘヘへ幼女可愛い…
だんだん湿っぽくなってきたなぁ…頬っぺたも紅色になってきたし、ちっちゃい身体も小刻みに震えて着たから、もうそろそろかなぁ?
「とと、瞳子さん!?何やってるんですかっ!?」
リーラちゃんに羽交い締めにされた。
「放せぇぇ大佐!性欲を」
「持て余してたらダメですよ!?」
せ、セリフを盗られた…だと…?
リーラちゃん、最近やりおる…
「あと少しなんだぁぁぁ!!」
「何が少しなんですかっ!?」
結局、リーラちゃんに説得された。
おチビちゃんの方は、床に座り込んで肩で息をしていた。
「先程は、瞳子さんが失礼しました」
「良いよ、怖かったけど……(少し、良かった)…」
「え?何ですか?」
「な、なんでもないもん!?」
「すいません…ところで、貴女は?」
「マイはマイだよ。このお店のてんちょーしてるんだよ」
あのちびっこ幼女がこの雑貨屋の店長だったのかぁ。世界って面白いね!
「そうだったんですか!今お幾つなんですか?」
「えっとね、えっとね…十才だよ」
「偉いですね…ところでてんちょーさん、これこれこういうモノが欲しいのですが…」
「うんうん…あるよ…だけど、何に使うの?」
「色々…ですよ」
向こう側で、リーラちゃんとマイちゃんが何やら話している。
何の話だろ。
盗み聞きするのは趣味じゃないから、聞いていませんよ。
しっかし、何度見ても怪しいモノばっかり置いてるなぁ…。
試しに触ってみよう。
この気色悪いロープはなんだろう。摘まんでみよう。うへぇ、ビクビク動くから余計に気色悪い…
「どれどれ、この毒々しい色をしてるロープは一体何に使ぁぁぁぁぁ!?」
急に、摘まみ上げていた紫色と黄色の混沌色をしてるロープが、棚に有ったやつと大挙して襲い掛かってきた。
「な、何をするっ!放せぇぇ!?」
ちょーん、【瞳子の巻き巻き】の出来上がり
うっさいわ!!
あっという間にロープに亀甲縛りにされた上でぐるぐる巻きとか…
このロープやりおる…動けない…
だが、ロープごときが私を止める事は不可能だ!!
ふぅっはっはっはっはっはっはぁ!!
「ふぬおぉぉぉぉ!!」
こんなロープ、鎧袖一触であるわっ!!
ロープがプチプチいってきた。
あと少しで切れるぞ。
「とうっ」
プッチーンと、ロープが千切れ飛び、力無く地面に横たわった。
どうだ!見たか!私の完全勝利だ!!
「ふぅっはっはっはっはっはっはぁ!!」
「あーっ!!【捕らえるロープくん】が!!」
「む?」
マイちゃんが、とことことこって走って来て、昇天した【捕らえるロープくん】の残骸をかき集め始めた。
「何か急に襲い掛かって来たんだよ」
「当たり前だもん。呪文を唱えながらじゃないと、縛り上げられる様に、マイが作ったんだからね」
「そ、そうなんですかい…」
と言うか、呪文を唱えないと勝手に相手を縛り上げる商品を、放置してちゃダメでしょ…
「でも、翼竜でも一本で縛り上げられる位に作ったはずなんだけど…全部だと古代龍だって、暫くは動けない筈なのに……おじちゃんスゴい力なんだね」
おじちゃん?誰それ。
私達以外におじちゃんなんて居たっけ?
もしや…
「私の…事?」
「うん。おじちゃんだよね。そんな鎧着てるし」
「おおぅ…言ってくれるねおチビちゃん…私は正真正銘の神聖ヴァージンウーマン22歳だっ!!」
「女の人なの?」
「そう。私は闇の十二使徒を従えし、大魔王の『暗黒院艶子』だっ!」
「さっき、エルフのお姉ちゃんが瞳子だって…」
リーラちゃんェ…
「そうですよ、瞳子さん。ウソ吐いたらダメですよ?」
どうやら私には味方が存在しないようです……
「………黒森瞳子22歳独身無職ヒキニートですどうぞよろしく」
そうですよ、どうせ私は喪女で半眼ボサボサ丸眼鏡のニートですよ。
ニート、ニートニート、引き籠りニートヒャッハー!!
22歳の無職で処女の引き籠りとか、行き遅れ確定だね!うふふふふ…
※良い子のみんなは、こうなっちゃダメだぞ!
うっさいわっ!!
「マイはマイだよ。よろしくね」
…グヒヒ…幼女可愛いなぁ…ペロペロしたいなぁ…
後でたっぷりミルクたんとリーラちゃんをペロペロしよう…デゥフフ
いや、そろそろ次なるステージにアップしても良い頃かなぁ?
「ところで、マイちゃん。これこれこういうモノあるかなぁ」
「あ…るけど、何に使うの?」
「…ん?知りたいのかなぁ?」
「や、やっぱり良いもん…」
マイちゃんに、お代と【捕らえるロープくん】の弁償代を払って(公用貨幣を持って無かったから、腐るほど持ってるサレン金貨を渡してみた。唖然としてたけど)、マイ雑貨屋を後にした。
「また来てね!リーラお姉ちゃん!」
ぶんぶんとマイちゃんが、こちらに手をふって来た。とりあえず、二人で手を振り返した。
あれ?私は?
その後、少し歩くと目的の宿屋が見えて来た。
オルアケ村の宿屋よりは全然大きい。
だが一階はやはり酒場みたいで、二階から上が宿泊部屋なのは同じみたいだ。
酒場は昼間でも、みんなお酒をかっくらってる。
だらしないなぁ。私が言えたもんじゃ無いけどね。
二人で中に入ると、飲んでいたオッサン達が一斉に静かになった。
な、なんで私をジロジロ見るの!?
どうせ甲冑のせいだろうけどね!?
「瞳子さん、ほら行きますよ」
「う、うん」
リーラちゃんに手を引かれてカウンターまで行く。
カウンターには、この宿屋の女将さんがいた。
オルアケ村の宿屋の女将さんは、中年の豪快で大柄な人だったけど、この宿屋の女将さんは若く(私と同い年か少し下か)ほっそりした清楚なお姉さん系美人さんだった。
「ようこそ、小鹿亭へ。あら、リーラちゃんお久し振りね!今日はご宿泊ですか?それともランチ?」
どうやらリーラちゃんと面識があるみたいだ。て言うか当たり前だよね。
女将さんは私を見るとニコッと笑った。
す、すげぇ…キュンって来たよ!?キュンって!!
私を見ても、えってならなかったよ。
純粋スマイルは威力抜群…です。
「お久し振りです、ユリアさん!えっと、今日は宿泊でお願いします。二人共同じ部屋で。数日は王都に滞在する予定日です」
「分かりました。…けど、二ヶ月位泊まりに来てくれなかったから、心配してたのよ?もしかしたら…ってね?」
私には、ユリアさんの言いたい事が分かった。
リーラちゃんは冒険者だ、これ以上の説明はいらないだろう?
「ちょっと討伐クエストで帝国まで行っていまして…挨拶しに来れば良かったですよね…心配をお掛けしてすいません」
「い、良いのよそんな!そう言う訳で言ったんじゃないから!」
頭を下げたリーラちゃんに対し、ユリアさんがあたふたする。
何とも微笑ましい場面に、自然に笑ってしまう。
どうせヘルムで見えないと思うけど。
お酒を飲んでいたオッサン達も微笑んでいた。
残念ながらちょっとキモい…
「お部屋は304です。こちらが、鍵になります。…ところでリーラちゃんは、この後どこか出掛けるのかしら?」
ユリアさんから鍵を受け取ったリーラちゃんは、一瞬考えた後、あっと言う顔をした。
…ギルドに行くのを絶対忘れてたぞ。今の顔は絶対にそうだ。
「荷物を置いたらギルドに行こうと思っています」
「そう、晩御飯はウチで食べる?」
「そうですね、お願いします」
「分かったわ。今日の晩御飯は私の奢りよ?」
「そんな!悪いですよ!」
「良いのよ。久し振りにリーラちゃんの可愛い顔が見れたんですもの」
ユリアさんが、チラリと視線を一瞬だけ送ってきた。瞳はいたずらっ子な色が浮かんでいた。
お、リーラちゃんが赤くなってる…う~んジェラスィ~
絶対今夜はムフフのデゥフフのグフフにしてやんからな!?
と言うか、ユリアさんに遊ばれてるよ。リーラちゃん。
「じゃあ、行ってらっしゃい」
ユリアさんの声を背中に受けて、私たちはギルドへ向かう為に小鹿亭を後にした。
次には、ギルドに到達したいぃぃいぃぃ……




