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1 ~出会い~


私は今年の春から高校生になった。

「初めまして!秋風西砂あきかぜ いりさです。よろしくおねがいします!!」


よくある入学式後の自己紹介タイム・・・・


「どうも。林颯太はやし そうたです。よろしく。」


なんか冷たいなこの人。

それが彼の第一印象だった。




休み時間


「西砂~~♪」

入学して以来、夏雲聖南かぐも せいなとは大の仲良しだ。


「今日ね! 人気のカフェ見つけたの!! 西砂も一緒に行かない?」

「ほんと!? 行きたい行きたーいっ☆」



キンコーンカンコーン


ばいばーい そんな声が聞こえてくる中・・・・

待ち合わせをしてた校門で1人待つ私。

「あれ? もう30分たつのに遅いなぁ」

聖南が来ないのである

教室に見に行くことにした


聖南は静かに読書していた。

「早く行こうよ~」

と、声をかけてみるとこっちを見た。


なぜか急いでこっちに来た

「どうしたの?」

聖南は言った

「西砂!私、恋しちゃったかも」

「えっ!? 誰に?」

聖南が指を指したその先には、あの人がいた。


そいつ、林颯太は寝ていた。

「ほんとに!? なんかだらしなくない?」

私が言うと

「それがいいんじゃーん!!」

いまだに聖南のツボがわからない・・・・


「ふーん。 それで読書してたわけ?」

教室には2人しかいなかったのだ

「だって起きたら話せるかもしれないじゃん!」


聖南はウキウキしていた

「じゃあカフェは明日行こっか!」

「え?いいの!」

「うん」


私は恋なんてしたことがなかったけど、

今の聖南にはそれが1番嬉しいことだとわかった




次の日


「あの後どうだった?」

「起きたんだけど、何も言わずにすぐに帰っちゃった・・・」

「そんな落ちこむことないよ! まだまだ時間はあるんだから!」

「そうだよね!私がんばるっ!!」


HRの時間


「はい、じゃあこのプリント後ろにまわして.....」

先生が文化祭について説明してる


「おい」

・・・・・今うしろから声かけられた?

「お前だよ」

後ろを振り向くとアイツ、つまり聖南の好きな人がいた

「なに?」

「これ、どういうこと?」

資料の一部を指さされた

「これはーーーーーー」

とりあえず説明した

「へー ありがと」

そっけないお礼をされて、そのHRは終わった



放課後


「西砂~~~~見ちゃったよ!!」

「何を?」

「HRのとき颯太くんとしゃべったでしょ!!」

「うん、まぁ」

「ずるーい! 私に隠れて!!!」

「別にそんなわけじゃないけど、ただ資料の質問されただけ!」

「そっかー っていうか西砂は恋愛感情ないもんな! 心配無用!!」

「おいおい、それはひどいぞ! 否定できないけど・・・」

「あはは」


その出来事があってから

颯太が毎回話しかけてくるようになった


「なぁ」

「うん?」

「消しゴム貸して」

「なんで?」

「わすれた」

「まぁいいけど」


なんの面白味もない会話を毎日した

そのたびに聖南は内容を聞いてくるようになった


「ねぇねぇ! 今日は何話たの~?」

「シャー芯あげただけだよ?」

「毎日話せるなんて幸せ者~~!! 私と席交換しよ!」

「ほんとに好きなんだね聖南! いいよ!!」

「やった!!」



翌日


「ふっふふん」

「なんかテンション高いねー」

「だって颯太君の前の席になれるんだもん!」

「そっかー」

こんな聖南を見てると、私まで気分がよくなる


HRのとき

っあ!

聖南話しかけられてる! 嬉しがってるだろうなぁ・・・



放課後


「聖南!!! 何か話せた??」

「トイレ行ってくる」

「あっうん」


30分後


聖南は帰ってこなかった。

「ヤバッ!塾の時間だ!!」


私は先に帰ることにした。



次の朝


ピンポーン


「はあい」

「西砂ですけど聖南さんいますかー?」

「もう行っちゃったわよ~」

「わかりました!」


おかしい・・・

毎朝一緒なのに先に行くわけがない


とりあえず学校に行ってみよう!



学校


聖南はいなかった

先生は体調不良だと言った


「ねぇ」

「なんだよ」


なぜか私は颯太に話しかけた


「昨日、聖南になんか言った?」

「別に」

「そう」


いつもの会話だった

聖南と会えない1日はとても憂鬱だった



帰り道......

聖南に会うために、お見舞いに行くことにした


「聖南~? 西砂ちゃん来てくれたわよ~」

聖南のお母さんに案内され、彼女の部屋に入った


「大丈夫? 体調よくなった?」

「もともと悪くないもん」

「えっ?」

「今日休んだのは仮病」

「・・・・なんで?」

「昨日ね・・・・」




昨日



休み時間


「ねぇねぇ颯太くん!」

「・・・・・」

「前読んでた本あったでしょ! [空の果てに]ってやつ」

「それが?」

「実はその本私、大好きなんだ!!」

「別に本好きじゃない」

「そうなんだ」

「話終わり?」

「あっうん・・・」



HR


「颯太くん!」

「なに?」

「このカフェなんだけど・・・・」

「あのさ」

「ん?」

「無駄に話しかけないでくんない? 時間の無駄」

「え?」

「だから、お前と話しても何の得もしないってこと」

「なにそれ~」

「もう一つ」

「うん」

「アイツと席戻せ」

「なんで?」

「・・・・勝手に替えるのは良くない」

「もしかして西砂のこと好きだったりしてぇーーー」

「・・・・なんとも思って・・ない。」

「そうなんだ。」





こんな会話をしたらしい


「聖南もしかして落ちこんでる?」

「そうに決まってるじゃん! だって好きな人の好きな人は自分の親友なんだよ!!」

「そんなのありえなーーい」

「だって西砂としか女子と話さないし、あの口ごもった感じ・・・絶対そうだよ!」

「そうなのかな? でも私は聖南応援するよ!」

「ほんとに?」

「もちろん!」

「じゃあ明日は学校行こうかな」

「待ってる」







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